■モバイルゲームにもSnapdragon

ゲーミングエンターテインメントについては、クアルコムが特に力を入れる領域。Snapdragonシリーズとの高い親和性をアピールしています。発表会でも、クアルコム ゲーミング部門の首席エンジニアであるTodd LeMoine氏がステージに登壇し、長い時間を割いてSoCのパフォーマンスを紹介していました。

なお、Snapdragon 865に「G」を冠するゲーミング仕様の特別バージョンがない理由は、ベース性能で既に高度なゲーミングコンテンツの処理をこなせるからに他なりません。Snapdragon 865を搭載するスマホは最高で4K/60Hz、QHD+/144HzのHDR表示が可能になることも明らかにされました。

  • Snapdragon 865を搭載するスマホは、ゲーミングコンテンツの高度な処理能力も期待できそう。QHD+/144HzのHDR表示に対応するディスプレイや、GPUのOTAアップデートなどが、新たな使い勝手として加わります

最新世代のSnapdragonからは、Google Playストア経由でAdreno GPUのドライバーをアップデートできるようになるそうです。快適なモバイルゲーミングを楽しめるように、GPUを最新のコンディションに保てる機能として、端末の発売後にどのような形で運用されるのか気になるところです。

■ワイヤレスオーディオは音質・低遅延性能がさらに改善

最後に、新しいSnapdragonがワイヤレスオーディオ関連で実現した新機能を紹介しましょう。セルラー通信以外のWi-FiとBluetoothによる無線機能は、Qualcomm FastConnectとしてサブシステムに位置づけて、それぞれの機能強化を図っています。

Snapdragon 8および7シリーズとも、2019年の秋から商用化が始まったWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)をサポート。オンラインゲームは遅延を最大限まで抑えて、快適にプレイできるようになりそうです。

Bluetooth周りでは、新しいSnapdragonシリーズのオプションとして、可変ビットレート方式を採用したオーディオコーデック「aptX Adaptive」が標準提供されます。上位のSnapdragon 865では、最大転送ビットレートが48kHz/24bitから96kHz/24bitへと強化され、Bluetoothで楽しめるハイレゾ相当のサウンドがさらに高品位になります。

  • セルラー通信以外の無線接続はWi-Fi/Bluetoothともに徹底強化。aptX Adaptiveのコーデックは96/24対応になります

ハンズフリー通話の利便性を高める機能として、Bluetoothの音声コーデックに「aptX Voice」が新しく加わります。VoLTE音声通話にも用いられるSWB(超広帯域 )音声コーデックとBluetooth技術を使い、デコーダー搭載のヘッドホン・イヤホンなどへスマホからデータを飛ばすことによって、最高32kHzのクリアな音声通話を可能にするというものです。ハンズフリー通話の音質がイヤホン経由でも改善されるスマホは、完全ワイヤレスイヤホンのユーザーからも歓迎されそうです。

最新のSnapdragonを搭載する5Gスマホは、2020年2月24日から27日までスペイン・バルセロナで開催が予定されているモバイルの展示会「MWC Barcelona 2020」において、出展する各社から続々と発表されるはず。今から楽しみに待つことにしましょう。