Snapdragon 855 Plusによる驚異の高性能

ROG Phone IIはSoCにSnapdragon 855 Plusを採用。ベースはSnapdragon 855だが、CPUの動作クロックは2.84GHzから2.96GHzに、GPU(Adreno 640)は585MHzから675MHzに強化とAndroidスマホとして最高クラスのスペックを誇る。メインメモリはLPDDR4Xの4GB、ストレージは1TBと512GBモデル用意(今回試用したのは512GBモデル版)。microSDには対応しないが、容量不足に困ることはあまりないだろう。

また、ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzとぬるぬるとした滑らかな表示が可能。ブラウザのスクロールだけでも体感できるレベルだ。最近では60Hz以上の高リフレッシュレートに対応するゲームが増えている点も見逃せない。また、画面タッチの感度と言えるタッチサンプリングレートも240Hzと高速だ(60Hzが一般的)。FPSにおけるショットの速さにも影響が出るとしている。

ここからはベンチマークテストを実行するが、その前に一つ紹介しておきたい機能がある。ROG Phone IIにはゲーム専用の「Xモード」が用意されている。ベンチマークは、このXモードをオンとオフ両方で測定した。Xモードがどの程度性能に影響が出るのかも合わせてチェックしてもらいたい。

  • Xモードは後述するシステム統合アプリ「Armoury Crate」のほか、ステータスパネルからもオン、オフが行える

  • Xモードを有効にすると壁紙が赤みかかったモノに変わる(右)。アイコンの周囲も赤く変化する

まずは、「AnTuTu Benchmark v8.0.3」の結果だ。Xモード有効時は49万台後半という驚異的なスコアを叩き出した。このスコアを出せるのは一部のハイエンドモデルだけ。ROG Phone IIは現在Androidスマホとして最速クラスと言って問題ないだろう。ちなみに、Xモードを無効だと48万台後半と約1.3%程度スコアが落ちた。これでも十分高速だ。

  • AnTuTu Benchmark v8.0.3の結果(Xモード有効時)

  • AnTuTu Benchmark v8.0.3の結果(Xモード無効時)

「3DMark」のSling Shot ExtremeテストにおけるOpenGL ES 3.1とVulkanの結果も見ていこう。こちらも高いスコアを記録した。Xモードの有効、無効を見るとCPUの計算力を見るPhysicsで大きな差が出ている。どうやら、XモードはCPU動作に大きく影響すると思われる。

  • 3DMark-Sling Shot Extremeテストの結果(Xモード有効時)

  • 3DMark-Sling Shot Extremeテストの結果(Xモード無効時)

ちなみに、ROG Phone IIの優れているのはこれら負荷の高いベンチマークを複数回実行してもスコアにほとんどブレがでないことだ。これは冷却力が高い証拠であり、長時間でも安心してゲームをプレイできることを示している。

ゲームプレイに便利なAir Trigger II

ゲームをプレイする上で非常に便利なのが「Air Trigger II」だ。これは右側面の左右に搭載された、ゲーム機のコントローラにおけるLボタン、Rボタンに相当する機能のこと。画面内のタップ箇所をこのAir Trigger IIに割り当てられる。PUBG Mobileであれば、銃の発射やしゃがみ、といった動作を割り当てることでプレイの効率がグッとアップする。フォートナイトであれば、建築関係の作業をAir Trigger IIに割り当てれば、かなり快適度は向上するはずだ。

  • 右側面の左右にあるAir Trigger II。凹凸部分を押し込むと動作する

  • 画面内のタップする箇所をAir Trigger IIに割り当てられる

ちなみにAir Triggerは前モデルから用意されているが、ROG Phone IIでは原稿執筆時点ではβ版だったが、スライド動作を割り当てられるようになった。また、レスポインス速度も向上しているという。

  • Air Trigger IIではスライド動作も割り当て可能となった。スライドは縦、横どちらにも指定できる

なお、ゲームをプレイする上で外せないのは「GAME GENIE」だろう。ゲーム中画面の左端から右へとスワイプすると表示される機能。これも前モデルから引き継がれるものだが、ゲームに集中できるように通知や着信を無効にしたり、ゲームの録画や配信も行える。Air Trigger IIの設定もここから呼び出す形だ。

  • ゲーム関連の機能を集約したGAME GENIE

また、ゲーム関連の設定や情報はArmoury Crateと呼ばれるアプリに集約されている。ここからゲームごとにスライドやタッチ感度、Xモードの有無など細かな設定を行えるほか、CPUの動作クロックや温度、メモリ使用量などの確認、GAME GENIEやAir Trigger IIの動作設定、Aero Active Cooler IIの回転数調整、背面にあるROGマークの点灯設定なども用意されている。

  • システム統合アプリのArmoury Crate

  • システム状態の表示やファンの回転数制御などが行える

  • 背面のROGマークの発光色やパターンの設定も可能