A100シリーズのバッテリーを長持ちさせるコツ
A100シリーズはAndroid OSを採用したことで、従来の「NW-A50」シリーズ(2018年発売)と比べて、同一条件下でのバッテリーの持続時間が短くなっています。例えば、一般的なハイレゾ音源のフォーマットであるリニアPCMの96kHz/24bit音源を連続して聴ける時間は、デジタルNC機能オフ時はA100シリーズが公称約21時間(A50シリーズは約39時間)、NCオン時は約16時間(同約32時間)です。
実際にA100シリーズのバッテリーがどれくらい持つか、Spotifyから本体にダウンロードした「最高音質(320kbps)」の音楽を中心に、1日ウォークマンを外に持ち出して聴いてみました。NW-A105HNに付属するハイレゾ対応のイヤホンを装着して、NC機能はオン、DSEE HXもオンにしました。途中、音楽を聴いていない時間も本体の電源をオンにしたままで午前9時から午後11時まで使ったところ、バッテリー残量は10%を切っていました。おそらくこのまま音楽再生を続ければ、13〜14時間前後でバッテリー切れになったでしょう。
同様のバッテリーの持続テストを何度も行ったわけではないので、あくまで肌感覚ですが、もしA100シリーズの電源をオンにしたまま、音楽や動画再生でヘビーに使った場合は、1日の終わりに充電して翌日に臨んだ方が良さそうです。
スマホであれば電源を切らずに、毎日繰り返し充電して使うスタイルがほとんどのユーザーに定着していると思います。しかし、ポータブルオーディオプレーヤーのユーザーは、音楽を聴かないときは電源をシャットダウンして数日間充電せずに使える方が有り難く感じられるだろう、と筆者は考えます。
A100シリーズの場合、電源をオンにして立ち上がるまでの時間が最新のAndroidスマホよりも少し長くかかるように感じるので、毎度電源をオン/オフする使い方は戸惑うかもしれませんが、こまめな電源管理がA100シリーズを快適に使うためのコツかもしれません。
A105で「バッテリーセーバー」機能をオンにすると、バッテリーが減る速度を少し抑えられます。バッテリーセーバーがオンになっていると、メールやニュースの更新、画面オフ時の位置情報サービスなど、バックグラウンドの通信系タスクが停止され、音声操作の「OK、Google」も認識しなくなります。ただ、これらの制約は音楽プレーヤーとしてのウォークマンを快適に使うためなら影響はなさそうです。ほかにも、ディスプレイのダークテーマをオンにしたり、Wi-FiやBluetoothを使わないときはオフにすると、バッテリーを持たせるのに少し効果があると思います。
PCからウォークマンに楽曲を転送する方法
A100シリーズにパソコンから音楽ファイルを転送する方法についてもまとめておきましょう。WindowsとmacOSでは、転送の仕方が異なります。
Windowsの場合は、ソニー純正の音楽管理・転送用アプリケーション「Music Center for PC」を使います。また、A100シリーズをUSB接続の外部ストレージとして認識させ、「Music」フォルダに音楽ファイルを直接ドラッグ&ドロップするやり方もあります。
macOSの場合は、ファイル転送の手順が変わりました。従来のA50シリーズやZX300シリーズは外部ストレージとしてウォークマンを認識させられたのですが、A100シリーズや上位のZX500シリーズはAndroid OSを搭載しているため、USB Type-CケーブルでMacに接続しても外部ストレージとして認識されません。iTunesに代わるmacOSの「ミュージック」アプリや、Finderからウォークマンを認識させることもできませんでした。
ソニーは楽曲ファイル転送用の検証済みアプリとして、Googleの「Android File Transfer」を紹介しています。このアプリが最新の「macOS Catalina 10.15」(64bit OS)でも使えるのか、気になる方もいるかもしれません。
筆者がmacOS 10.15.1をインストールしたMacBook Air(Retina 13inch 2019)で試したところ、Android File TransferでA105のストレージに音楽ファイルを転送できました。ただし、A105が一発でうまくmacOSに認識されず、動作が若干不安定になることもありました。