初心者におすすめの高倍率ズームデジカメ3選

それでは、現在おすすめのミラーレスカメラを3機種紹介しましょう。それぞれ特徴的な機能を持つモデルですので、これらの製品を柱に検討していくとよいでしょう。なお、これらの3機種はズーム倍率や価格を重視して選んでいるため、センサーサイズはいずれも1/2.3型となっています。

ニコン「COOLPIX P1000」 月も写せる3000mm!

  • クラス最高の125倍ズーム、3000mm相当までカバー
  • ずばり「月モード」「鳥モード」を搭載
  • オプションでドットサイトを用意
  • 実売価格は税込み10万5000円前後
  • 高倍率ズームデジカメのなかで最高となる3000mm相当の超望遠撮影に対応したニコン「COOLPIX P1000」。実売価格は税込み10万5000円前後

クラス最高となる125倍ズームを搭載した機種で、望遠端の焦点距離はなんと3000mm相当! メーカーは「月を画面いっぱいに写せる」とうたっています。電子ズームを併用すれば、驚きの約12000mm相当という天体望遠鏡並みの撮影が可能です。

高いズーム倍率を活かすべく、「月モード」と「鳥モード」を搭載しているのも特徴。この2つのモードは、モードダイヤルを選ぶだけですぐ使え、シャッタースピードや絞り値をカメラが自動的に決めてくれるので、カメラ初心者でも失敗を抑えて撮影できます。

レンズの鏡筒にはコントロールリングを備えており、マニュアルフォーカスや露出補正、ISO感度の変更などを割り当てて素早く操作できるのも高級機らしい装備といえます。動画は4K画質の撮影に対応し、超望遠の世界を精細な動画で残すことができます。動画はマニュアル撮影もできますから、作品指向の映像にも対応できるでしょう。

  • 望遠端までズームしたところ。かなり長くなります

  • 背面モニターはフリーアングル式。横位置でも縦位置でも、ローポジションとハイポジションで構えやすくなっています

  • レンズの側面には「クイックバックズームボタン」を装備。被写体を見失ったときにこのボタンを押すと、一時的に広角になって被写体を改めて捕捉できます

  • コマンドダイヤルは上面と背面の2ダイヤル式。マニュアル撮影もしやすくなっています

  • 一眼レフカメラに近い、かなりしっかりしたグリップを装備。レンズが伸びる超望遠撮影でも安定してホールドできました

  • 超望遠撮影を補助するオプションとして、ドットサイト「DF-M1」(実売価格は税込み1万8000円前後)を用意しています。カメラの上部に取り付ければ、肉眼と同じ倍率で見ながら被写体を導入できるため、超望遠撮影時に便利なアイテムです

  • 動物園の猿山で撮影。猿までの距離は数十mありましたが、望遠端にすると顔を画面一杯に写すことができました。3000mmの威力を見せつけられました

パナソニック「LUMIX DMC-FZ300」 速写性能に優れる1台

  • ズーム全域でF2.8の明るいズームレンズ
  • AF追従で約12コマ/秒の高速連写
  • 屋外の撮影でも安心できる防塵防滴ボディ
  • 実売価格は税込み5万円前後
  • ズーム全域でF2.8の明るいズームレンズを搭載するパナソニックの「LUMIX DMC-FZ300」。実売価格は税込み5万円前後

35mm判換算で24-600mm相当の光学24倍ズームレンズを搭載したモデル。望遠端は600mm相当と控えめに感じるかもしれませんが、それでも超望遠の世界を十分に堪能できます。本機は、ズーム倍率を抑える代わりに、ズーム全域でレンズの明るさが変わらない「F値固定」の高性能レンズを搭載しているのが特徴となっています。それもF2.8ですから、かなり明るいといえます。

レンズが明るいと、暗い場所でも感度をあまり上げずに撮影でき、結果としてノイズの少ない写真が撮れるのです。また、F値が小さいということは、背景をより大きくボカして撮れる効果もあります。プロの世界では、F値固定の高性能ズームレンズが好まれますが、その使い勝手を取り入れたカメラといえます。

連写速度はAF追従時で約12コマ/秒と高速なほか、30コマ/秒で高速連写できる「4Kフォト」も搭載しています。もちろん、動画も4K画質に対応。高倍率ズームデジカメには珍しい防塵防滴ボディなので、突然の雨や雪に降られても安心です。

  • 望遠端にズームしたところ。「F2.8」の文字が誇らしげです

  • 背面液晶はフリーアングル式です

  • レンズの側面にサイドダイヤルを装備。おもにマニュアルフォーカスに使いますが、ISO感度やホワイトバランスなどの設定を割り当てることもできます

  • コマンドダイヤルは上面の1つだけとなっています

  • グリップは十分深く、握りやすくなっていました

  • 600mm相当となる望遠端で撮影。このジャンルのカメラは望遠側でF値が暗くなる機種が多いなか、本機はF2.8と明るいので、画質に有利な低感度(ISO100)で撮影できました

キヤノン「PowerShot SX70 HS」 21mmの超広角も魅力

  • 広角が21mm相当とワイドで、風景も広々撮れる
  • トリミングにも余裕で対応の2000万画素センサー
  • 機能に対してお買い得な価格設定
  • 実売価格は税込み6万円前後
  • 光学65倍ズームレンズを搭載するキヤノンの「PowerShot SX70 HS」。実売価格は税込み6万円前後

35mm判換算で21-1365mm相当をカバーする65倍ズーム機です。多くの高倍率ズームデジカメは広角端が24mm前後ですが、本機はひとまわりワイドな21mm相当と広くなっています。数字では数ミリの差ですが、広角ではわずかな違いで写る範囲がかなり広くなります。風景を広々収めたい人や、超広角ならではの遠近感や迫力のある撮影を楽しみたい人に向くでしょう。

センサーは2000万画素と、このクラスでは高画素となっているのもポイント。あとから写真の一部を切り抜くトリミングの処理をしても、画素が多ければ画質の劣化が抑えられます。4K動画の撮影にも対応しており、65倍ズームの2000万画素機と考えると6万円台はお買い得でしょう。

メニューの構成やコマンドダイヤルが、同社のレンズ交換式カメラ「EOS」シリーズとほぼ共通なので、EOSユーザーのサブ機としても使いやすいと感じました。

  • 望遠端にズームしたところ

  • この機種もフリーアングル式の背面モニターとなっています

  • レンズの側面には、一時的に広角側にズームして見失った被写体を再発見するためのボタンが備わっています

  • コマンドダイヤルは上面の1つのみですが、多くのEOSシリーズと同じ形で配置されています

  • こちらもグリップはしっかりした構造となっています

  • 望遠端の1365mm相当で撮影。動物園なのでオリ越しでしたが、超望遠撮影によって檻を目立たなくできました。これも、高倍率ズームデジカメのテクニックの1つです