――あらためて、太郎くんはどのように選んだのですか?
まずパグが、動物プロダクションの所属で少ないんですよ。だから、一般の方が飼ってモデル登録してる犬を片っ端から探して30匹くらい写真を見て、そこからできそうな子に10匹ちょいお会いして、3回くらいオーディションしましたね。
――オーディションではどんな部分を見るんですか?
基本的に飼い主さんの言うことを聞くか、うちのスタッフの指示をどれくらい聞くか。あと、撮影には飼い主さんも常にいていただくので、スケジュールが変更になることなどを説明して了解してもらうんですけど、その時に犬が何をしているかとか。だから、「待て」とか「お座り」とか、ある程度しつけができている犬であれば、あとはこっちが何とかするのが基本なので。
――その中でも、太郎くんが選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
まず最初に会ったとき、オーディションの部屋を駆けずり回って、片っ端からそこにいる人に愛想を振りまく、元気が良くて人嫌いじゃないというのがありましたね。やっぱり撮影になると、大勢の人がいて犬にとって普段と環境が大きく異なるので。あと、最終選考で3匹に絞ったんですけど、そのうち2匹がメスだったんですよ。タツオはオスの設定で、どうにもならなかったらメスに設定を変えるかとも思ったんですけど、桑野と分かり合ったり、ライバルでもあったりするので、やっぱり男同士がいいということで彼に決めました。
■空き時間もずっと一緒にいる深川麻衣
――それにしても、太郎くんは犬とは思えない豊かな表情がありますよね。
そうなんです。顔で選んだ部分もあります(笑)。変な音を出すと「ん?」って顔になったり、首を傾げたり、いろんなことをやってそのリアクションで一瞬表情が変わった映像をいっぱい撮っておいて、それをうまく編集ではめていくんです。舌をペロっと出すシーンは、エサをあげるふりして鼻に1回付けて引っ込ませたりしてましたね。
――やはり現場では出演者の皆さんに愛されていますか?
特に深川さんはかわいがってますね。本人も動物好きで実家でも犬を飼ってるそうで、撮影の中盤くらいからだいぶ慣れてきて、彼女の言うことは従順に聞くようになってました。空き時間があると太郎を連れて、ずっと一緒に歩き回ってましたね。阿部さんも犬を飼っていらして、現場で積極的にコミュニケーションしてくれました。でも、あんまり近づきすぎると、桑野とタツオの芝居の距離感と違ってしまうので、本心ではめちゃくちゃ一緒に遊びたいんだけど、そのあたりの距離のとり方はコントロールされていましたね。太郎は僕のことも好きになりすぎちゃって、会うと顔をペロペロ延々と舐めるんですよ(笑)
――すでに撮影は終了しているとのことですが、これから売れっ子パグになるんでしょうね。
前作のこつぶも終わった後に相当仕事が来たみたいですからね。DVDもかなり売れたそうですし、太郎もオファーがいっぱい来るでしょうね。深川さんと柔軟剤のインフォマーシャルに一緒に出て、CMデビューも果たしましたから(笑)
――では、今後のタツオの見どころをお願いします。
先ほども少し話しましたが、5話(11月5日放送)でタツオの運命の出会いがあります。ここから彼の恋が発展していくのか。桑野の恋愛が先なのか、タツオの恋愛が先なのか、競い合っていくみたいな感じになっていくと思いますよ(笑)