●考え方が真反対で、結成当初はぶつかることも
――寺西さんとますださんは小5からの幼馴染みだそうで。
ますだ 小学校の仲良しグループに(寺西が)いて、いつの間にか一緒に遊ぶようになっていました。
寺西 別の高校に進んでも一緒に遊んでいたもん。毎週日曜日は大阪の日本橋に行って、決まったルートでアニメショップなんかを回っていました。
幹葉 ふたりでバンドをやり始めたのはいつなん?
寺西 中3の文化祭かな。マキシマム ザ ホルモンをコピーしようとしたんですけど、ベースがいなかったので、ますだに声かけて。
ますだ うん。そこからですね。ベースもそのタイミングで始めました。
――幹葉さんが初ライブ直後に留学したり、オーディションでショックを受けて地元に帰ってしまったり、わりとバンドを引っ掻き回しているじゃないですか(笑)。
幹葉 そう。私、めちゃくちゃなやつなんです(笑)。
――ますださんと寺西さんには、そういう時期ってなかったんですか?
幹葉 でもめっちゃ喧嘩したことあるよね、1回。
ますだ あー!
寺西 すごい喧嘩したの覚えている。
幹葉 LINEで長文送ってきたことは覚えとんやけどなぁ。内容はもう忘れちゃった。
ますだ そう。どんな内容やったっけなぁ。
幹葉 今となってはそれがむしろプラスになっているんですけど、私とてらくんの考え方が真反対で。だから、仲良くはあったけど、「音楽のことでちゃんと話そう」っていうときにぶつかることはありました。
――今年6月にはスピラ・スピカを盛り上げるためのテラマスYouTube動画企画が始まり、おふたりで企画も編集もやられているということで毎回楽しく拝見しているんですが、一つ気になっているのが「音楽関係の企画はやらないんだろうか」という。
寺西 あー、それはあんまり考えてなかったです。よく友達から「ここちょっとアーティストっぽくないからやめたほうがいいよ」っていう斜め上からのアドバイスが飛んでくるんですけど(笑)、アーティストっぽさも意識してないし。でも何かやってみたいですね。
ますだ 何をしよう。
寺西 「今からギター買いに行きまーす」とか、作曲風景動画とか、まずそういうのからしてみよかなぁ(笑)。
幹葉 あ、それに幹葉がオーディオコメンタリつけよか!
ますだ 逆に?(笑)。
――幹葉さんもたまに登場していますが、何かやってみたいことはありますか?
幹葉 本当はこの夏に、麦わら帽子をかぶって虫かごとか持って渋谷に行って、「栄えた街に虫はいるんだろうか」っていう企画をやってみたかったんです。なので来年の夏、合間を縫って生き物探しがしたいです(笑)。
●この曲が聴いてくれるみんなの勇気になれば
――ここからはニューシングル『Re:RISE -e.p.-』についてお伺いしていこうと思います。リード曲、幹葉さん作詞の『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』オープニングテーマ「リライズ」は、どういった思いを込めて制作されましたか?
幹葉 今回は『ガンダムビルドダイバーズ』に続くストーリーではなく、かけがえのない大切なものを失ってしまった少年が主人公の、ちょっと物悲しいストーリーなんです。その中で自分たちとリンクする部分を歌詞にしたい、<空>というワードで「スタートダッシュ」とつなげたい、と思いました。それでサビに<きっとこの空の下で 僕ら一人一人が弱さを抱えているのは 一人で生きていかないため>という言葉を入れたんですけど、そこはすごく私たちとアニメがリンクしていますね。
今回の登場人物は目的も性格もばらばらなところから仲間になっていくんですけど、自分たちも最初、二人はプロ志向、私はただ歌うことが好きやけんっていう気持ちで(活動を)始めて、ばらばらだったんです。あとは、聴いてくれるみんなに「私たちがおるけん大丈夫だよ」って、この曲が勇気になればいいなという思いで詞を書いていきました。
――ギター・ベースも、アニメでの人間ドラマが表れているような複雑さがありました。
寺西 歌自体は優しさ、儚さの色が強いんですけど、ギターとベースのフレーズにはその登場人物の関係性とか、ちょっと一筋縄にはいかない心がぎゅっとなる感情をプラスしたくて。
ますだ より感情の動きとリンクするようにグリスを多くするなど、『Re:RISE』のキャラクターやストーリーをうまく表現できたらいいなと思ってフレーズをつけていきました。
寺西 全体を通してギターもベースも忙しいんですけど喧嘩はしていなくて、「コンビネーション決めてるぜ!」と感じられるプレイヤー的に気持ちのいい瞬間もたくさんあります。アレンジ面では、「歌も楽器も全部ひっくるめて聴いてほしい」という思いで、今までと比べるとリードプレイを強く出しています。