Android搭載で使いやすく、ストリーミングも高音質に
標準プレーヤーアプリ「W.ミュージック」は、従来のウォークマンAのユーザーインタフェースとほぼ同じで、再生画面などは一見すると見分けがつきません。再生画面を上下左右にフリックして画面を切り替える操作方法も同じで、フリックする方向は楽曲ライブラリートップ画面が上、音質設定画面が下、お気に入り/ブックマーク登録画面が右、再生リスト画面が左になります。
音楽再生の機能面では、フルデジタルアンプの「S-Master HX」を搭載。MP3やAACなどの圧縮音源に加えて、最高384kHz/24bitまでのPCMや、11.2MHzまでのDSD(PCM 192kHz/24bitへの変換再生)をサポートします。
連続再生時間は、FLAC 192kHz/24bit再生時が最大約16時間、MP3再生時は最大約26時間で、同じ条件のA50シリーズの連続再生時間(約30時間/約45時間)と比べて短くなっています。
標準プレーヤーのW.ミュージックには、再生中のアルバムや楽曲のジャケットなどの代わりに、カセットテープが回っているかのようなビジュアルを表示するユニークな機能「カセットテープスクリーンセーバー」を備えています。これはウォークマン登場から40周年を迎えた、2019年モデルのウォークマンを象徴する機能で、再生画面で一定時間操作をしないでいると、カセットテープUIが現れてハブとともにテープが回転。早送りや巻き戻しも、それに準じた回転となります。
再生している音楽ファイルの種類(MP3、AAC、FLACなど)によって表示されるテープの色と種類が変わる仕組みで、詳細はニュース記事で紹介しています。
A105には、ほぼ「素のAndroid OS」が入っています。初めて起動した際は、Androidスマートフォンとほぼ同じようなセットアップが必要です。単体でインターネット接続する機能は備えておらず、無線LAN環境が必要です。無線LANやGoogleアカウントを登録したあとは、Google Play ストアからSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスのアプリを入れられます。
Androidスマートフォンに標準で入っている、ChromeブラウザやGmailアプリなども使えます。Google Play ストアからは様々なアプリを追加できますが、A100シリーズはカメラは備えていないので、QRコードの読み込みなどカメラ機能を必要とするアプリは使えません。また、本体スピーカーも非搭載で、音楽を聴くにはイヤホンやヘッドホンが必要です。
A100シリーズは、買いやすい値頃感のあるスタンダードモデルですが、音楽専用機として音にもしっかりこだわっています。たとえば、音量は通常のAndroid端末よりも細かく、120段階で調整できる「マスターボリューム」を搭載しています。
また、従来のウォークマンの高音質機能の設定(DSEE HX、CleraAudio+、バイナルプロセッサーなど)をまとめて単独アプリ化し、新たに「音質設定アプリ」として搭載しました。従来はDSEE HXなどの高音質化技術はウォークマンの中の楽曲ファイル再生時しか設定できませんでしたが、単独アプリになったことで、音楽ストリーミングなどのあらゆるサービス・アプリの音を高音質化できるようになりました。初期設定時は、ホーム画面のW.ミュージックアイコンの右隣に置かれています。
音質設定アプリには、DSEE HXやイコライザーなどすべての音質設定をオフにし、楽曲を生の状態で楽しめる「ソースダイレクト」機能も備えています。音の良いイヤホンやヘッドホンを持っていると、ウォークマンの素の音が楽しめます。
Bluetoothによるワイヤレス再生にも対応し、コーデックはSBC / AAC / aptX / aptX HD / LDACをサポート。LDAC対応機器では、ハイレゾ相当のワイヤレス再生が楽しめます。
別売のイヤホン「IER-NW510N」(税別12,000円前後、A105HNには同梱)とA100シリーズを組み合わせると、アクティブノイズキャンセリング(NC)機能や外音取り込み機能が利用できます。画面を上からスワイプしてクイック設定を引き出すと各機能のボタンがあり、IER-NW510NとA100シリーズが連携してNCや外音取り込みが行えます。
A100シリーズをじっくり使い込んだレポートは、ライター・山本敦氏の次回のレビュー記事でお伝えします。お楽しみに。