働く時間も内容も、自分のライフスタイルに合わせて自由に決められるフリーランスに憧れる……。だけど、「独立して稼げるような専門スキルは持ち合わせていないし難しいだろうなぁ」と考える人は多いのではないでしょうか。
そんな人にぜひ知ってもらいたいのが、フリーランスがチームを組んで仕事を請け負うという働き方。1人では仕事量・スキル共に難しい業務でも、さまざまなスキルを持ったメンバーが協力し合えば、企業の要望に応えることができ、フリーランスとして一人ひとりが活躍できる、というわけです。
企業から委託されたプロジェクトを、チームとして請け負うフリーランスのコミュニティ「ナラティブベース」に参画している我妻あかねさんに、そんな働き方の魅力について語ってもらいました。
フリーランスになりたいと思った理由
――もともと人材系企業の総合職だったそうですが、フリーランスになりたいと思ったきっかけは何ですか?
私には中学2年生と小学4年生の子どもがいるのですが、今から5年ほど前、当時上の子が小学3年生だった頃に、保育園時代とは違う子どものケアの必要性を感じたのがきっかけです。
保育園では子どもの様子や友達との関係などについて、全て先生から教えてもらえました。しかし小学校に上がると、子どもがどんな生活をしているのかは実際に見てあげないと分からないことが増えたんです。
当時は会社員として朝から晩まで時間を拘束されていたので、子どものことを十分に見てあげられていないな、という思いがあって。在宅勤務制度を使って家にいることもできたのですが、家にいても勤務時間であることには変わりないので、子どもの相手ができず、もどかしく感じることもありました。
それから、会社での仕事自体はとても楽しかったのですが、在職年数が増えるにつれ役割も固定化してきてしまっていて、将来のキャリアについて悩んでいたことも理由の1つです。
――そこで、なぜフリーランスという選択肢が浮かんだんですか?
自分がどうあったら幸せなんだろうって考えたときに「早朝や深夜に働いて、昼間は家事・育児ができる」とか「好きな時間に銀行や役所、時にはバーゲンにも行くことができ、その合間に仕事ができる」といった生活が理想だなと思ったんです。
こういう生活が会社員では難しくても、フリーランスだったらできるのかなって思って。でも、1人で営業して何か仕事をとってくるというのは現実的ではなかったんですよね。
前職では、主にミドル・バックオフィスの業務改善や社内の調整業務などをやっていたので、一般的にフリーランスとして独立して戦えるような専門性は持ち合わせていませんでしたから。
――そんなときに、ナラティブベースに出会われた?
もともと代表と知り合いで、「会社を辞めたら仕事ありますか?」ってお聞きしたら、いろいろな働き方を提案していただけて、それ以来参画しています。
我妻さんが参画する「ナラティブベース」とは
――本日は代表の江頭春可さんにも同席していただいているのですが、ナラティブベースとはどういったコミュニティなんですか?
江頭さん: ナラティブベースは、説明しやすい専門性がなくても、社会人生活の中で培った得意ごとを持ったメンバーでチームを作れば、変幻自在に企業からの要望に応えることができる、そんなことを実現しているフリーランスのコミュニティです。現在、30~50代のさまざまなスキルを持ったフリーランスの方たちが関わっています。
今はどこの企業でも、時代の変化に合わせて事業を小さくしたり大きくしたりしています。人を雇うまでもないけれど、こんな業務が必要、となったときに、そこにアジャストしていく人材を企業側が一人ひとり寄せ集めていくのは大変です。
ナラティブベースでは、フリーランスの個人を紹介するのではなく、フリーランスで作るチームごとコーディネートして提供しているので、企業側の負担も小さくできます。時代のニーズに合っているのか、営業活動をせずとも、フリーランスの方々それぞれが依頼を持ち込んできたり、一つの取引先から複数のプロジェクトをいただいたり、紹介していただいたりという中で、仕事が生まれています。
――今の社会にとって需要のある取り組みでもあるんですね。参画しているフリーランスの方たちからすると、会社員として働くことと、どんな違いがあるのでしょうか?
江頭さん: ナラティブベースとしてフリーランスを雇用しているわけではなく、企業から業務委託されたプロジェクトをさらにフリーランスに業務委託するという仕組みなので、個人がプロジェクトへの関わり方を自由に選べるようになっています。
一般的な会社では、「この仕事には興味がないのでやりたくありません」とか「来月は子どもの用事がたくさんあるので、仕事量を8割くらいにします」というようなことは言えないと思うのですが、それを言えてしまうのがこのコミュニティの魅力です。
チームとしてのアウトプットさえ保証していれば、例えば通常2人でできる業務を4人で担うというやり方もできます。仕事の切り分け方が自在なので、個人の希望する業務内容や業務量に応じて調整することができるんです。