Gateboxを開発したのは、LINE連結子会社のGatebox(旧社名:ウィンクル)。製品のGateboxは2016年2月に限定生産モデルとして約30万円で発売され、目標台数となる300台を1カ月で完売させた実績がある。
大きな反響を受けて、2018年には量産型モデルが一般販売スタートしたものの、「品質向上に取り組む」として出荷時期を延期。約1年を経て、ついに正式発売となった。既存の限定生産モデルのユーザーに対しては、ハードウェアを量産型モデルに無償で交換する「おとりかえプログラム」を提供する。
Gateboxの武地実氏は、新たにGateboxを活用し、「あらゆるシーンに、キャラクターを」をコンセプトとした「キャラクタープラットフォーム構想」を発表。逢妻ヒカリ以外にも、人気VTuberなどのクリエイターが創作した様々なキャラクターをGateboxに召喚できる動画配信サービス「Gatebox Video」(基本無料、一部有料)をスタートした。
Gatebox Videoを通じて、クリエイターが自身で作ったキャラクターをGatebox内に“召喚”し、一緒に生活を楽しめる。具体的には、Gatebox上部のカメラに特定のQRコードを読み込ませて、逢妻ヒカリ以外のキャラクターをGateboxに呼び込むかたちとなる。
Gatebox Videoにアップロードできるキャラクターは基本的に一次創作であったり、開発者のためのオープンソース系キャラクター「ユニティちゃん」など、著作権の諸問題に絡まないことが想定されているようだ。
Gatebox Videoにはチャンネル機能も備わっている。公式に認定された企業やクリエイターがチャンネルを開設し、視聴者がそのチャンネルを登録することで、限定コンテンツが楽しめる。初期の公式チャンネルは「ヨメミ」「東雲めぐ」「インサイドちゃん」の3名が開設。これらのチャンネル登録には、月額料金が必要となる。
Gatebox Videoのチャンネルを通じて、著名なクリエイターやVTuberが、他の動画配信ではできなかったようなコミュニケーションが実現できるという。また、配信者とファンのエンゲージメントの強化や、マネタイズできる仕組みも整えていく。
実在のキャラクターを呼べる「Gatebox App Market」
さらに、サードパーティーのデベロッパー企業によるGatebox専用アプリを提供する「Gatebox App Market」を今冬にリリースする。
まず、iOSデバイス向けのARデジタルフィギュア「HoloModels」を手がけるシーエスレポーターズ Gugenkaと提携して、Gateboxで版権キャラクターのデジタルフィギュアを飾れるようにする。今冬より配信を予定しており、『Re:ゼロから始める異世界生活』のエミリアとレム、『この素晴らしい世界に祝福を!』のめぐみん、『世話やきキツネの仙狐さん』の仙狐などが登場する予定。
今回の体験会では、配信予定のデジタルフィギュアが一堂に会する展示が行われ、Gateboxの中でポーズを決めたキャラクターたちが時計回りにゆっくり360度回転する様子が楽しめた。Gateboxへの召喚は、厨二病キャラクターのめぐみんにとっては願ったり叶ったり、といったところかもしれない(?)。
美少女サッカー育成ゲーム『ビーナスイレブンびびっど!』と、美少女アクションゲーム『アリス・ギア・アイギス』との提携も。これらは2020年のリリースを予定しており、『アリス・ギア・アイギス』では先行してゲーム画面上にGateboxが登場するミニコラボが実施されている。
このほかGateboxは、VR/ARコンテンツやデジタルサイネージのインタラクティブコンテンツ、スマートフォンアプリなどを手がけるハニカムラボと提携。Gateboxの機能を、個人利用のエンターテイメントだけでなく、ビジネス利用にも展開していく。
ハニカムラボがGateboxに対して、キャラクターなどのビジュアルや音声会話エンジンなどをカスタマイズできるAIソリューション「aicontainer」を提供。これにより、Gateboxに表示したキャラクターを会社受付や商業施設、展示会などで利用できるようになるという。
会場では、ハニカムラボの女性社員やGateboxの武地実氏を全身フルスキャンした3Dデータに、ボーンモデルを組み合わせて動くようにしたキャラクターをGatebox内に召喚。スキャンされた本人とGatebox内で動くキャラを並べてみると、再現度の高さに驚いた。Gatebox内のキャラの動きが本人と同期したりするわけではないが、Gateboxを使った今後の展開に期待が高まる展示となっていた。