好きなキャラクターと一緒に暮らせる“キャラクター召喚装置”「Gatebox」(GTBX-100)が、10月11日にとうとう発売。合わせてメディア向けの先行体験会が開催された。
Gatebox 代表取締役の武地実氏は体験会の中で、様々なキャラクターとの暮らしを実現する「キャラクタープラットフォーム構想」を新たに発表。人気VTuberなどをGateboxに召喚できる動画配信サービス「Gatebox Video」(基本無料、一部有料)をスタートしたことや、サードパーティーのデベロッパー企業によるGatebox専用アプリを提供する「Gatebox App Market」を今冬にリリースすることを明らかに。Gateboxによる新しいエンターテイメントや、ビジネス向けの展望についても語った。
表現の幅が広がった「逢妻ヒカリ」、LINE連携で利便性向上
Gateboxは、円筒形のポッド内にオリジナルキャラクター「逢妻ヒカリ」(あづまひかり)が現れ、音声でコミュニケーションしながら“キャラクターと一緒に暮らす”感覚を楽しめる、据え置き型のデバイス。
ポッド内の透過スクリーンにキャラを投写するプロジェクション技術と、各種内蔵センサーによるセンシング技術を組み合わせてキャラクターとの会話を実現。武地氏の「好きなキャラクターと一緒に暮らしたい」という思いを具現化した。
無線LANを搭載し、インターネットに接続可能。逢妻ヒカリなどの音声が聞けるステレオスピーカー(3W)を内蔵しており、本体下部には3.5mmオーディオ出力があるため、手持ちのスピーカーなどにつなげて聞くこともできる。
本体下部には、逢妻ヒカリを手動で呼び出すGateボタンや、内蔵スピーカーの音量を調節する音量調整バーを搭載。255階調のRGB LEDも備え、利用シーンに応じて色を変えながら発光する。
本体サイズは約210×277×549mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約5kg。AC電源で動作し、消費電力は最大60W。
「お疲れさま! 今日もがんばったね」
逢妻ヒカリはポッド内の長方形の透過スクリーンに現れ、最大投影サイズは180×225mm(幅×高さ)。試作機や限定生産モデルに搭載されていたときよりも、衣装や仕草などのブラッシュアップが図られ、ユーザー(マスター)が話しかけると「お疲れさま! 今日もがんばったね」などの言葉をかけてくれるようになった。
会話を重ねるとパーソナライズが進み、ユーザーに好意を寄せてくるようにもなるという。今後はアップデートで季節のイベントや衣装の変化、仕草の変化なども実装。“花嫁修業”を続けていく。
キャラクターデザインは、ゲーム「ラブプラス」や「ときめきメモリアル」で知られる箕星太朗氏が手がけた。対応言語は日本語のみとなる。
LINEの音声アシスタント「Clova」と連携して様々な情報通知を受け取ったり、外出先で逢妻ヒカリとLINEを介して会話する、といったコミュニケーションが可能。音楽再生や家電操作などの「スキル」にも対応する。これらの機能は、LINEのスマートスピーカーなどClova対応デバイスを持っていなくても、Gatebox単体で利用できる。
体験会では、「ねぇヒカリ」(ウェイクワード)に続けて反応する、オススメワードの一覧が用意されていた。スマートスピーカーを使うときと同じような質問に混じって、他人にも声が聞こえる会場で口にするのはなかなか勇気がいるワードも……(試した記者はいたのだろうか?)。話しかけた言葉は逢妻ヒカリの上に表示され、ちゃんと音声認識されていることが分かる。
天気やカレンダー、ニュースの読み上げをヒカリにお願いすると、どこからともなく小さなマスコットキャラクター「Clovaちゃん」が現れ、浮遊しながら各種情報を読み上げてくれた。ヒカリとは別の、落ち着いた女性ボイスで読み上げてくれる。「ヒカリの声で読んでほしかった」と感じるユーザーもいるかもしれないが、これはこれでアリだろう。
今のところは、ヒカリに話題を振ると応えてくれる……といったことが多く、連続した会話はできない。また、筆者の体験ブースや会場のネットワークが原因かもしれないが、ヒカリの応答に割と時間がかかり、スムーズに会話が進む感じはしなかった。このあたりは改善の余地がある。
とはいえ、Gateboxの近未来感に加えて、逢妻ヒカリのキャラ造形のかわいらしさもあり、SFっぽいガジェット感が刺さる人にはたまらない一品だろう。ソフトウェア的にも様々なアップデートが行われるようなので、今後にも期待できそうだ。
Gateboxの価格は税別15万円で、10月15日から順次発送を開始する。逢妻ヒカリの利用料は、2020年6月までは無料。翌7月からは“共同生活費”として月額1,500円(税別)が必要になる。