Windows 7/8世代のノートPCを使っているが、さすがに動作が重くてそろそろ買い替え、なんて考えている人もいるだろう。しかし、ちょっと待ってほしい。そのノートPCがHDDならSSDに換装することで延命が可能だ。SSDの価格が下落している今、HDDをSSDに換装して超高速化に挑戦してみよう。
ようこそ! ここが芹澤再生工場だ
古いPCを使っていたイライラするのは、Windowsやアプリの起動、フォルダを開いたり、ファイルをコピーしたりとごくごく一般的な処理が遅いことだろう。CPUなど基本スペックが低いこともあるが、搭載されているストレージがHDDの場合、それが『遅さ』の一番の原因となる。HDDはデータ転送速度が遅く、特に細かなデータをやりとりするランダムアクセスが苦手で、それが処理のもたつきにつながっているのだ。
その遅さのボトルネックを解消する最もカンタンな手段が、HDDをSSDに換装すること。SSDはHDDよりもはるかに高速なので、PCの環境はそのままに生まれ変わったかのように高速化できる(その効果は下段で紹介)。ノートPCに搭載されているHDDが2.5インチタイプなら、多くの場合、同じ2.5インチのSSDに換装が可能だ。手持ちのノートPCの処理に不満があるなら、挑戦してみる価値は十分ある。
ただし、ノートPCによってはHDDのパーティション構造が特殊でデータの移行が難しかったり、別のハードウェアを認識しないといったケースもある。また、特殊なネジを使っているなど、分解が困難なモデルも存在しているので、HDDからSSDへ換装可能なのか、事前にインターネットなどでリサーチしておくことをオススメする。
なお、パーツ交換すると保証がどうなるのか気になるところだが、ほとんどのメーカーは保証対象外だ。ただし、古いノートPCなら、多くの場合は保証切れとなっているはず。SSD換装はPCの延命策と考えてほしい。
HDDからSSDに換装可能なノートPC
・2.5インチのHDDを搭載してる
・HDDを取り出しが可能
・特殊なパーティション構造やハードウェア制限がない
必要なものは三つ、換装用SSDと外付けケースとバックアップ
さて、ここからは実践に移ろう。今回は2012年発売の富士通「LIFEBOOK AH78/HA」を用意した(OSはWindows 10にアップグレード済み)。CPUは4コア8スレッドのCore i7-3610QM、メモリは8GB搭載と現在でも十分使えるスペック。しかし、ストレージが5,400rpmの2.5インチHDD(容量1TB)と、これが遅さを感じる原因となっている。
HDDからSSDに移行するのに必要なのは三つある。一つは2.5インチでSerial ATA接続のSSD。これはノートPC内の総データ量よりも大容量のものを選ぶ必要がある。元のHDDと同容量かそれ以上のものを選ぶといいだろう。
二つ目は2.5インチSSDを内蔵できるUSB接続の外付けドライブケースだ。これは元のノートPC内蔵HDDのデータを丸ごとSSDにコピー(クローニング)するのに必要となる。USB接続だけで動作するバスパワータイプを選ぶと便利だ。USB 3.0対応なら1,000円程度で購入できる。動作実績が多くなる人気モデルを選ぶのが無難だ。
三つ目はクローニング機能を持ったバックアップアプリ。フリーソフトでもいくつか存在しているが、今回使用するMicronのCrucial MX500なら、高機能な「Acronis True Image for Crucial」を無料でダウンロードできて便利だ。
SSD換装に必要なもの
・2.5インチでSerial ATA接続のSSD
・2.5インチSSDを搭載可能な外付けドライブケース
・クローニング機能を備えたアプリ
ここからは実際の作業手順を紹介する。外付けドライブケースにSSDをセットする、クローニングを実行する、ノートPCからHDDを取り出す、SSDをノートPCに搭載する、と大きく分けて四つの手順が必要となる。
次はPCの電源を完全にオフにしてACアダプタも抜く。バッテリーがはずせるノートPCなら、安全のためにバッテリーも抜いておこう。そして底面にあるHDD部分のネジをはずす