• 金丸慎太郎(左)と都丸紗也華

――不便な生活で、帰りたい…と思ったことはありましたか?

都丸:私は最初からずっとそうでした(笑)。キャンプもしたことないから、外で生活するなんて考えられないですよ! 獲ったものを食べて、外で寝て、虫もいっぱいいるし。白い大きなクモが出てきて、ヤバかったです。

金丸:もちろん一生そこでは暮らせないですけど、生活自体で無理だなというのはなかったですね。ただ、飯が調味料もないし、あんまり調理もされないんで、いつも同じようなものを食べてる感じで味気ないんですよ。それに、腹いっぱいまで食べるという概念もなければ、狩猟するにもお腹が空いては小鳥を獲るみたいな感じなんです。日本に帰る前のホテルでしょうもないパンプキンスープみたいなの、おいしすぎて4杯くらいおかわりしましたもん(笑)。料理ってすごい文化なんだなと思いました。

――スマホは完全に遮断しての生活ですか?

金丸:持っていてはいたんですけど、電波が全然通じないので、誰とも連絡を取ることなく過ごしていました。でも、全然我慢できちゃいましたね。ロケ自体が楽しかったんで、単純に忘れられて、気にせず生活できました。

都丸:私はもう…つらかったです(笑)。毎日LINEとYouTube見てるんで、つながらすぎて悲しくなって涙が出てきました。電波入ってないんで、誰とも連絡取れないんだと思って…。だからスマホの画面を見る癖も、そのときはなくなりました。

――たまには情報を遮断されるのもいいなという気持ちにはなりましたか?

金丸:俺はなりましたね。今って、めっちゃシームレスになんでも情報が入ってきちゃうじゃないですか。心理学の話で、良い情報と悪い情報が並んでたら、人間は悪いほうを見ちゃうらしいんですよ。だから、知らない間に心がクサクサしてたんだろうなと思って。そういう情報に触れなかったので、気楽に過ごせたと思いますね。

都丸:日課だったLINEやYouTubeが見れないのは結構ヤバかったけど、Twitterとかインスタとか、コメントや自分の名前を検索して見ちゃうこともなかったので、ストレスが1個減ったからいいなあとも思いました(笑)

  • ハッザと交流する金丸(C)NTV

――ハッザの人たちから興味を持たれたものはありますか?

金丸:スタッフさんが持ってた本とかに「これ何!?」って聞いてましたね。『地球の歩き方』の冊子の写真に、すごい興味津々でした。

都丸:アプリの「SNOW」にはビックリしてました。パンダになったり目が大きくなるやつとか、「僕の顔が変わっちゃうよ!」って笑ってたし、心配もしてましたね(笑)。でも、鏡もないので、あんなに自分の顔を鮮明に見たことがなかったみたいです。驚いてるのがかわいかったです。

バオバブの木でハチミツを採取 (C)NTV

――逆に、人間ってどの時代もどこにいても同じなんだなと思った瞬間はありますか?

金丸:笑顔ですね。言語による意思疎通ができないので、ボディーランゲージで何か一生懸命伝えようとすると笑ってくれるし。大きなリアクションすると、めっちゃ笑うんですよ(笑)。サソリとか見てびっくりするとゲラゲラ笑ったり、温泉にダイブしたら喜んでくれたりしましたね。

都丸:ハチの巣のときのリアクションは、すごいウケてましたよね(笑)

金丸:ハチの巣に手を突っ込んでハチミツを取ったんですけど、それをやるのにすごいビビってたら笑ってました(笑)。コミュニケーション取れるんだなって思いましたね。

■お別れの朝は「あれ?」

夜の集い (C)NTV

――短い期間の滞在でしたが、別れのときは寂しかったですか?

都丸:涙が出るほどではなかったです(笑)。収録でも所さんにツッコまれました。でも、ちょっとだけ寂しかったんですよ! せっかく出会えて、なんとなくコミュニケーションとれるようになってきた頃に「バイバイ」だったから。

金丸:僕は、また会いたければ会えると思うので、あんまり別れ際に寂しさを感じるタイプじゃないんですけど、めっちゃいい人たちで、普通に仲良くなれたなって実感がありました。ただ、前の日の夜に踊ってくれたんですけど、翌朝僕たちが出発するときに、誰も手を振らないし、岩場に腰掛けてそこから誰も動かない(笑)。こっちはみんなで見送ってくれるんだろうなって勝手にイメージしてたら、「あれ?淡白だな」と思って(笑)。もちろん、泣く人なんていませんでした。

都丸:でも、ブレスレットをもらいました。「バイバイ」って言うときに、自分がつけてるやつを渡してくれたんですよ。

――今回の生活で学んだことや、持ち帰ってやってみようと思ったことはありますか?

金丸:ハッザの人たちは、長い間新しいものを過度に取り入れないという生活をやってきたと思います。縄文時代から弥生時代になって農耕が始まって、それによって蓄えができるようになって、所有の概念が生まれて、他人と比較ができるようになって競争が生まれた。ハッザの人たちのように食べ物をみんなで分け合って、家を建てる時もみんなで協力して、厳しい競争もなく平和に過ごせるのってすごくいいなと思いました。

都丸:私はやっぱり今の暮らしのほうがいいなと思っちゃいますね。寝る時はふかふかの布団で寝たいって思います(笑)

――貴重な体験をお話しいただき、ありがとうございました。最後に、見どころをお願いします。

金丸:ホンマにこういう生活をしてる人がおるんや!って感じると思います。今の時代だからこそ豊かに感じる部分もきっとあると思うので、そこを見てほしいですね。

都丸:私はハッザの集落に泊まった後、動物との2ショット自撮りもしてきたんです。ライオンもすぐそばにいて、日本では見られない光景だから、結構ビックリすると思います。

  • 動物との2ショットに挑戦する都丸 (C)NTV