親指エリアが拡大、ホイールやボタンは独立
親指エリアは大きく変更。親指ボタン(デフォルトでは進む/戻るボタン)は、MX MASTER 2Sでは隣り合っていたところ、前後に分離して配置し、親指で触っただけでわかる押しやすいデザインになりました。改善の理由として、従来モデルのユーザーから「押しにくい」「見えにくい」などの声が上がっていたといいます。
また、サムホイールは親指ボタンから独立し、同ボタンの上に配置。かつ大型化し、より回しやすくなりました。電源ボタンは、MX MASTER 2Sでは親指エリアの先についていましたが、MX MASTER 3ではサムホイール右側、親指で隠れない位置に変更されました。ちなみに親指ホイールの素材はアルミニウムです。
親指下に広がったジェスチャーボタンもMX MASTER 2Sから引き継いでいます。ボタン部分に小さな突起を設け、これまでわかりにくかったボタンの存在を、視覚的・触覚的にアピールするデザインになりました。
アプリ固有のプリセットを自動で割り当て
親指ホイールと親指ボタンはこれまでも、水平スクロール/アプリケーション切り替え/ズームイン・アウト/Webページの進む・戻るなどの機能割り当てができましたが、MX MASTER 3はこの部分も進化。使っているアプリによって、最適な機能が自動で割り当てられるようになりました。
例えば、親指ボタンは、Webサイト閲覧時は戻る/進むボタンですが、Adobe Photoshop CCではUNDO/REDOになります。また、親指ホイールはデフォルトでは水平スクロールですが、Word使用時はズーム機能になり、Photoshop使用時はブラシサイズの変更になります。割り当てられる機能は、同社が「このアプリではこの割り当てが使いやすいだろう」と判断したいわばプリセットで、より効率的な仕事をする目的で搭載されました。
同様の機能は、同社が2017年8月に発表したダイヤル付きキーボード「CRAFT」で実現されていました。CRAFTには、使用アプリに応じてダイヤル操作の内容が自動的に変わる機能があり(例えばPhotoshop CCでは輝度調節やブラシサイズの変更、Officeでは文字サイズの拡大縮小など)、これをMX MASTER 3にも応用した形になります。
同社は対応アプリを今後増やしていきたいとしていますが、もちろん、ユーザーが任意の機能を割り当てることもできます。
このほか、1台のMX MASTER 3で同じLAN内の3台までのPCをシームレスに操作できる「FLOW」や、接続先デバイスを簡単に切り替えられる「Easy-Switch」なども引き続き搭載しています。
充電インタフェースはUSB Type-Cに
本体のインタフェースは、従来のmicroUSBからUSB Type-Cになりました(これはうれしい!)。「ほかの機器との接続性を考慮し、現在主流になってきたType-Cを採用した」とのこと。バッテリ駆動時間は最大70時間で、フル充電までの時間は約2時間。同時発表の新キーボード「MX KEYS」もType-C接続を採用しています。
センサーは同社独自のDarkfieldセンサー。解像度は4,000dpi。ボタン数は7で、チルト機能は非搭載(親指スクロールに水平スクロールを割り当て可能)。
接続はBluetoothとUnifying USBドングルの2つ。OSはWindows、Mac、Linuxに対応します。本体サイズはH51×W84.3×L124.9mm、重さは141g。同梱のUSBレシーバーはH18.4×W14.4×L6.6mm、重さは2g。
MX MASTER 3は順当な進化を遂げたフラッグシップマウスとなりました。特にボタンが押しにくかった親指周りのエリア改善は、MX MASTER 2Sユーザーからすると特にうれしいポイント。また、注目のホイール部分は劇的に変更されており、より軽い力でスクロールできるようになっています。本体デザインも、MX MASTER 2Sよりも手に馴染む印象でした。