プロパイロット 2.0は、「セレナ」や「リーフ」などの日産車が搭載する従来の運転支援技術「プロパイロット」の次世代型だ。既存のプロパイロットに3D高精度地図データ、360度の周囲センシング、インテリジェントインターフェースなどの技術を追加したものである。ナビで目的地を入れて高速道路に乗ると、ハンズオフ状態での自動走行および前車追従が可能となる。

  • 日産の新型「スカイライン」

    プロパイロット2.0を搭載する新型「スカイライン」では、ナビで目的地を設定して高速道路に乗ると、3D高精度地図データがあり、制限速度内で中央分離帯がある場合に限り、同一車線内でのハンズオフ走行が可能になる

プロパイロット 2.0では、ゼンリンおよびダイナミックマップ基盤(DMP)から3D高精度地図データの提供を受けることで、クルマ自体が走行車線のどこを走行しているかを正確に把握することができるようになった。これにより、高速道路上の同一車線内における車線維持機能は、より的確になる。

もちろん、周囲360度のセンシングを行うカメラ、レーダー、センサーの機能も高性能化している。しかし、進路を先読みするという点では、精密な地図情報を使っているという点が重要になる。

ドライバーは、眼からの情報をもとに先読みしながら運転することで、より安全で安定した走行を実現している。プロパイロット 2.0を搭載する新型スカイラインは、目の前で起きていることをカメラやレーダーなどで確認しているだけでなく、その先の見通せない進路がどうなっているかについて、地図と照らし合わせながら事前に認識しているのだ。

ハンズオフでも安心の新型「スカイライン」

新型スカイラインに試乗してみて最も驚かされたのは、ほかのクルマの運転支援技術と比べ、いい意味で、安心感が全く違うことである。

  • 日産の新型「スカイライン」

    ハンズオフ機能が使用可能になると、メーターパネルの表示が青色に変わる

プロパイロット 2.0は、運転者が走行の全責任を負う「レベル2」の運転支援機能ではあるけれども、ハンドルから手を放した状態で走行している間の挙動は、まさに自動運転そのものだ。そして、将来的な「レベル4」以上の自動運転は、きっとこのように実現されるのだろうという未来をうかがわせてくれる点が新しい。よそ見をしていても構わないという「レベル3」の自動運転ではないものの、走行技術の高さにおいて、プロパイロット 2.0は群を抜いている。

日産はなぜ、ハンズオフ機能をいち早く商品化したのだろうか。それは、同社が見据える未来のクルマの姿が具体的であるからだろう。