折りたたみディスプレイはヒンジ付近の段差もほとんど気にならない

Galaxy Foldの最大の特徴となる、折りたたみディスプレイ部分を見ていきましょう。折りたたみディスプレイは、HDR 10+に対応する高画質の有機ELパネル「Dynamic AMOLED」を採用しています。表示解像度は2,152×1,536ドットです。

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    折りたためるメインディスプレイは、2,152×1,536ドット表示に対応する有機ELパネル「Dynamic AMOLED」

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    写真なども鮮やかに表示し、HDR 10+に対応

今回は短時間の試用だったので、細かいところまで発色性能をチェックできませんでしたが、保存されている写真を表示してみると、鮮やかな発色と高いコントラスト比を実感しました。ディスプレイの表示画質は優れると考えてよさそうです。

気になる「折り目の部分」ですが、完全に開いた状態でも、ヒンジ付近にはかすかに折れ線が浮き出て見えます。ただ、その付近を指で触ってみても、ごくわずかな段差こそ感じますが、ぼこぼこしているという感触は皆無。通常のフラットなディスプレイとほとんど遜色ないといっていいでしょう。

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    よく見るとディスプレイ中央のヒンジ部分に折り目が浮き出て見えます。ただその付近を触ってみても、わずかな凹凸しか感じません

ヒンジ付近の有機ELパネルは、折りたたむ関係で背面側のベースに固定されていません。実際に、本体を折った状態でその付近を見ると、有機ELパネルのフィルムが浮いていることが確認できます。しかし本体を完全に開くと、左右から引っ張る力に加えて、内側からディスプレイ面をしっかり支える構造によって、段差や浮きをほぼ完全に解消しています。

折りたたみ構造ながら、開くとまったくいっていいほど段差を感じさせない点には、やはり驚かされます。先ほど紹介した開閉のスムーズさと気持ちよさも合わせて、個人的にはかなり物欲を刺激されました。

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    本体を折ると、ヒンジ付近の有機ELパネルが浮いていることが確認できます

ちなみに、本体外側のディスプレイは、4.6型で表示解像度が1,680×720ドットの有機EL「Super AMOLED」となります。Samsungとしては、外側のディスプレイは通知確認などの用途を想定しているとのことです。

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    こちらは、本体を閉じたときに利用するディスプレイ。1,680×720ドット表示対応の4.6型有機ELパネル「Super AMOLED」です

カメラは全部で6眼!

Galaxy Foldは、カメラも非常に贅沢な仕様です。まず折りたたんだ状態での背面側には、超広角レンズ、広角レンズ、望遠レンズのトリプルレンズカメラを搭載しています。こちらは、レンズや撮像素子の仕様はGalaxy S10/S10+のリアカメラと同じです。閉じた状態での外側ディスプレイ上部には、1,000万画素のセルフィーカメラを搭載します。

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    いわゆるメインカメラ。Galaxy Note 10/10+と同じ仕様のトリプルレンズカメラを搭載しています

ディスプレイを開いたメインディスプレイの右上には、1,000万画素と800万画素深度カメラのデュアルレンズカメラを搭載しています。つまり、Galaxy Foldには全部で6つのレンズが搭載されているわけです。

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    閉じた状態のディスプレイ上部にもセルフィー用カメラを搭載

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    本体を開いたメインディスプレイの右上には、1,000万画素のセルフィーカメラと800万画素の深度カメラ。合わせて全部で6眼という贅沢なカメラ仕様です

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    本体を開いて横位置でメインカメラを使っている様子

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    こちらはメインディスプレイ上部のセルフィーカメラを使っている様子

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    閉じた状態でもメインカメラでの撮影が可能

価格や用途などの課題も、ガジェット好きなら絶対に触るべき端末だ

今回は触れる時間が短かったので、ほぼハードウェアまわりのチェックしかできませんでしたが、それだけでもGalaxy Foldの魅力は十分に感じ取れました。なにより、スマートフォン同様に持ち歩けて、使うときにはタブレット相当の大画面というのは、これまでにない可能性を秘めています。

やはり気になるのは価格です。9月6日に韓国で発売となりましたが、価格は239万8,000ウォンと非常に高価。日本円にすると21万円強です。最近のフラッグシップスマートフォンは10万円オーバーも珍しくありませんが、やはり20万円を超えるとなると、簡単には手が出せない価格です。

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    Galaxy Foldでは、開いた状態で左半分に1つ、右半分は上下を分割して2つ、合計3つのアプリを同時に表示して利用できます

また、Galaxy Foldにしかできない用途も不可欠でしょう。確かに閉じてスマートフォン、開いてタブレットとはいっても、現状ではそこから先の新しい用途が提案できていません。現時点では、開いた状態で左側に1つ、右側に2つ、合計3つのアプリを同時に開いて使える機能や、アプリを最大5つまでフロート表示できる機能が搭載されていますが、そういったものはタブレットやパソコンの域を出るものではありません。

Galaxy Foldを含め、今後は折りたたみスマートフォンが各社から登場すると思いますが、折りたたみスマートフォンでしか体験できない新しい用途を訴求できなければ、未来も開けていかないと思います。もちろん、まずはハードウェアが出てきたことで、今後は用途の開拓も進んでいくはずなので、今後に期待でしょう。

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    アプリをフロート表示で最大5つ同時に開けますが、もっと折りたたみスマートフォンらしい機能を実現してほしい!

このGalaxy Foldは、これまでにない、エポックメイキングな製品であることは間違いありません。ガジェット好きなら絶対に触ってほしい製品なのですが、現時点ではGalaxy Foldの日本発売は未定ですから、いつになったら触れるのかもわかりません。サムスン電子ジャパンは東京の原宿に世界最大級のショーケース施設「Galaxy Harajuku」を構えているのですから、日本での販売は別として、Galaxy Harajukuで実際に手に取って触れるGalaxy Foldを展示してもらいたいところです。

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    SIMカードスロットは表裏にnano SIMを搭載可能

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    今回試用した機材は、5G対応モデルでした