Ryzen 7 PRO Mobileを中心に充実したスペック
つづいてRyzenを中心とした内部スペックを見ていこう。
ThinkPad X395が採用するCPUはRyzen PRO Mobile 3000シリーズ。評価機はRyzen 7 PRO Mobile 3700Uを搭載している。型番的にデスクトップCPUならAMD第3世代のZen 2アーキテクチャをイメージするが、3000番台でもモバイル版は第2世代のZen+を採用している。第2世代のRyzen PRO Mobileは、前世代の14nmプロセス製造から12nmプロセスに微細化が進み、最上位モデルで比較すると、Ryzen 7 Mobile 3700Uはベース2.3GHz、ターボ時最大4GHz、グラフィックス1400MHzとなり、前世代のRyzen 7 Mobile 2700Uの2.2GHz/3.GHz/1300MHzから引き上げられている。
コア数は4、スレッド数は8。ひと昔前の2コア4スレッドのモバイル向けCPUと比べるとマルチスレッド性能が向上しており、先に述べたようにブーストクロックも引き上げられていることから、比較的シングルスレッドアプリの多いビジネスでも高いパフォーマンスを発揮する。
グラフィックス機能はRadeon Vega 10 Graphics。AMDはライバルよりも高い内蔵GPU性能が魅力とされるが、先のとおり3000番台でクロックも引き上げられている。また、ビジネスでもGPUが活躍するシーンは増えており、GPUが強力であることは多くのメリットをもたらす。よく知られる静止画・動画のほかにも、表計算・文書作成などでもGPUによる高速化に対応したアプリが登場している。
メインメモリは評価機で16GB(最大)、最小構成ではオンボードの8GBとなる。動作モードはDDR4-2400だ。そして16GBの場合はよりパフォーマンスの高いデュアルチャネル動作になる。
ストレージは1ドライブで、評価機に搭載されていたのはM.2 NVMe対応SSDのSAMSUNG「MZVLB512HBJQ-000L7」512GBモデル。内部接続はPCI Express Gen3 x4のようだ。転送速度はシーケンシャルリードが3543.5MB/s、同ライトが2992.9MB/sとシーケンシャルはかなり速い。4KQ1T1リードが44.9MB/sと4Kアクセス全般に関しては一般的だが、現在のモバイルPCとしてスペックに見劣りするところはない。カスタマイズではNVMeと比べると低速だが安価なSerial ATA SSDや、256GBや1TBといった容量の選択ができる。
ACアダプタは定格出力65Wのものが付属する。注文時の構成によっては45Wの場合もあるようだ。ただ、よくよく見ていくと、ThinkPad X390でCPU以外を同じような構成とした場合は45Wとなるところ、ThinkPad X395では65Wとなる。その点から、ベースの消費電力はThinkPad X390よりもThinkPadX395のほうが大きいのかもしれない。実際、公称のバッテリー駆動時間はThinkPad X390よりもThinkPad X395のほうが短い。とはいえ、実機でPCMark 10のBatteryテストのModern Officeシナリオを実行してみたところ、駆動時間は8時間37分(輝度最大、電源設定はLenovo インテリジェント電源)だったので、特に不足というわけではないだろう。
■ThinkPad X395の主な仕様 (今回の評価機の構成) | |
CPU | AMD Ryzen 7 PRO Mobile 3700U(4C8T、2.3~4GHz) |
---|---|
メモリ | DDR4-2400(デュアルチャネル) 16GB |
グラフィックス機能 | Radeon Vega 10 Graphics(Ryzen 7 PRO Mobile 3700U内蔵) |
ストレージ | M.2 NVMe SSD(PCI Express 3.0 x4)512GB |
ディスプレイ | 13.3型IPS(1920×1080ドット) |
インターフェース | USB 3.1 Gen2 Type-C×2、USB 3.1 Gen2×1、USB 3.1 Gen1×1、HDMI×1、オーディオ入出力×1、イーサネット拡張コネクター2×1 |
無線LAN | IEEE802.11ac |
Bluetooth | 搭載 |
内蔵カメラ | 720p(ThinkShutter付き) |
カードスロット | microSD(SIMトレイ内) |
バッテリー駆動時間 | 最大14.4時間(公称) |
サイズ(W×D×H) | 311.9×217.2×16.9mm |
重量 | 1.28kg |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |