アプリで時計をカスタマイズ!?
GG-B100は、スマートフォン用アプリ「G-SHOCK Connected」を介したモバイルリンク機能で自動時刻修正ができること、位置を記録して現在地からの方向と距離を計測できる「ロケーションインジケーター」という新機能を搭載したことはすでに述べた。実はもうひとつ、取材陣がそろって感心した新機能がある。これについて、牛山氏からご説明願おう。
牛山氏「この手の高機能時計って、モードボタンを押すと、ずらーっとモードが並んで、逆に不便に感じることさえありますよね。いくらボタンを押しても求めているモードが出てこないとか、何番目がどのモードなのかわからないとか、押している間に通り過ぎてしまったとか。これ、結構なストレスだと思うんです。
そこで、GG-B100では『モードカスタマイズ機能』を新搭載しました。高度計測と気圧計測は使うけど温度計測は不要、日の出・日の入りは必要、アラームセットはよく使うので一番前に持ってこようとか、こういったことがアプリ(G-SHOCK Connected)で簡単にできます」
順番まで入れ替えられるんですか!? これ、めっっっっちゃくちゃ便利じゃないですか!(取材時のリアクションママ)
牛山氏「そうなんですよ。カスタマイズの内容を指定したら、この設定を時計に送ります。すると、これが時計に反映されて……、ほら、モードボタンを1回押すだけでアラーム画面になったでしょ。
(取材陣から「おおっ!」と驚きの声)
さらにもうひとつ。モードカスタマイズで『表示』を選ぶと、時計状態で表示する要素を選べるようになります。たとえば歩数と、気圧のグラフと、時分を表示したいなとか、歩数と時分秒が表示されていれば十分だな、とか」
海外なんてめったに行かないから、普段はワールドタイムをオフにしておきたい、などの需要は確実にありそうだ。機能のオンオフをカスタマイズすることで、時計を自分のライフスタイルに近付ける、いや、むしろ時計が近付いてくるようにさえ感じる。牛山氏によれば、現時点でこの機能を搭載しているG-SHOCKはGG-B100だけだが、ほかのG-SHOCKにも順次搭載していきたいとのこと。
牛山氏「この機能は、レスキュー隊員から聞いた話がヒントになったんです。彼らは本番でも訓練でもストップウォッチをよく使いますが、時計モードからストップウォッチモードまでたどり着くために、ボタンを何回も押さなければならない。これをなんとかできないか、と」
Bluetoothによるモバイルリンク機能をいち早く時計に採用したカシオ。それから6年の月日を経て、得意のセンサー技術も連携させながら、ユニークかつ実用的なモバイルリンクの利用ノウハウが蓄積されているようだ。
牛山氏「このほかにも、気圧グラフ表示が『2時間の間隔で1hPa単位』か『2分間の間隔で0.1hPa単位』かを選択することができたりと、細かな部分も進化しています」
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以上、かつてない機能と構造をふんだんに採り入れたGG-B100のバックストーリーを、これまたかつてないボリュームでお送りしてきたが、いかがだったろうか。
ユーザーの満足度向上のため、G-SHOCKの進化のために次々と壁を超える姿は、単なるインタビューの枠を超え、我々自身の仕事や生き方のヒントにも通じる内容だったと思う。
真にタフな男たちの、知恵と技術と挑戦の結晶ともいえるGG-B100。どんなに過酷な環境でも時を刻み続ける絶対の信頼をぜひ、あなたの腕にも。