お笑いコンビ・ナイツ(塙宣之、土屋伸之)が10月からスタートさせる「ナイツ独演会」は今回で10回目の節目を迎える。
独演会に加え、現在も多くの舞台に立ち続けるナイツの2人は、漫才においてどんなことを意識しているのだろうか。また、最近話題になった、時事ネタ漫才の反響については「なんであんなに反響があったのか、いまいち分からない」と率直な感想も明かした。
■漫才は「新鮮な感じでやりたい」
――2010年から始まった「ナイツ独演会」は今年で10回目を迎えます。これまでを振り返ってみていかがですか。
塙:毎年やっていますが、去年の方が良かったなと思わないようにやっている感じですね。
土屋:初日の新鮮な手ごたえが、公演を重ねるにつれて変わったりするんですけど、その新鮮さをキープしながらどう全国を周っていくかが段々分かってきましたね。その辺も経験、積み重ねだなと思います。
――塙さんが先日発売された本(『言い訳』)には、「新鮮味がなくなるため、ネタ合わせをしない」という旨が書かれていました。独演会用のネタでも、そこまで練習することはないんですか。
塙:練習をしなきゃいけないものはするんですけど、やっぱり新鮮な感じでやりたいですね。言ってしまえば、15公演のうち7公演ぐらいから飽きてくるので、全部違うネタを途中からやりたいぐらいの気持ちではあるんですよ(笑)。新鮮じゃなくなってくるのが1番嫌なので、そこは工夫して、その日だけしかできないことをやるのもいいのかなと思います。
土屋:時事ネタやお芝居っぽいものなど、毎年色んなタイプのネタがあります。ものによってはすごい練習しなければいけないものもあるし、そういう意味ではバリエーションがあるから楽しみです。でも見ている人は、全部新鮮で面白く笑えるのが一番いいので、そうなるようにやりたいですね。
■ナイツの信頼関係「コンビを19年やってますから」
――ネタ合わせをしなくても、土屋さんがしっかりとツッコミを入れられるのはすごいですよね。
土屋:まったく新しいものだと、ちゃんと漫才っぽくはツッコめないと思いますが、ずっとやってきた傾向があるので、その中で遊んでいる分には全然できますね。コンビを19年やってますから。
――ところで近年、塙さんは『M-1』の審査員を務めたり、漫才に関する本を出されたりと、審査や論評をする機会も増えました。そういったことがプレッシャーになることはありますか。
塙:全然ないですね。別にいつ死ぬか分からないし、気にしてないです。そんなの気にしていたら、オファーを受けないですよ(笑)。
――土屋さんはそういった塙さんの活動について、どう感じていますか。
土屋:すごい活き活きしていますよね。やっぱり漫才のことを語るときは心から楽しんでいるなと思います。
――お2人で「あのコンビが良かったね」といった漫才の話はするんですか。
土屋:しないです。でも、「こういうことを考えているんだろうな」とは、大体分かりますね。
――そこも長年の経験で、言わずとも分かるんですね。塙さんはお忙しい中ですが、多くの新作ネタを作っていますよね。
塙:そちらが本業で、別に働いているのと一緒なので、たいしたことないですよ。忙しいとか大変とかはあまり思ったことはないですね。むしろドラマを26本もよく見ているなと自分でも思いますよ。仕事でもなんでもないのに見ているだけですから。