さて、これまでライターの芹澤正芳氏が孤軍奮闘していたPS VR紹介シリーズを、今回から筆者である『風のイオナ』も担当することになったので、さっそく1回目の記事を書かせていただいた。まずは今の季節である「夏」に合わせてホラーゲームを紹介していきたいと思う。
ちなみにホラージャンルに最も必要な存在は美少女だと断言したい。美少女が魑魅魍魎どもに襲われながら間一髪で命びろいし、その脇でストーリー前半を盛り上げた軽いノリの兄ちゃんが無残な死を遂げ、それを見た美少女が泣き叫ぶ、というシーンはホラーモノの定番中の定番である。
ということで、今回は筆者がプロデュースしているアイドルグループ『あまりりす』の2人にホラーゲームをプレイしていただき、悲鳴を上げて怯える映像とともに、VRホラーゲームの恐怖感を読者にも感じてもらいたいと思う。
思わず顔を背ける強烈な恐怖が襲い掛かる『キッチン』
まずは『KITCHEN』(キッチン)をご紹介。このゲームは2016年にPS VRのローンチタイトルとしてリリースされたものであり、後にリリースされた『バイオハザード7』の前日譚として作られたショートショート的な作品である。ゲームと言うよりは主にVRで恐怖体験をすることに特化した作りになっており、プレイヤーの意思介入はほぼできない。つまり普段ゲームを全くプレイしない層であっても、手軽にVRホラー体験を味わうことができるというわけだ。
プレイヤーは廃屋の台所、つまりキッチンで手錠を掛けられ椅子に座らされた状態で始まる。座ったままながら360度視界を見渡すことができ、荒れ果てたキッチン内の惨状や、床や壁に飛び散った血痕などがリアルに目に飛び込んでくる。
ゲーム開始直後、視界の左側に寝転がっている男性の存在に気付く。彼はほどなくして起き上がり、プレイヤーの元に歩みよってくるのだが、この時点でこの男性が敵か味方なのかは判断がつかず、プレイヤーは「一体何をされてしまうのだろうか……」という恐怖感を味わうことになる。
そしてその後、突如キッチン内に現れたクリーチャーに男性が襲われ、更に主人公にも凶器が振り下ろされる……。この瞬間、プレイヤーはまともに正面を見ることができないほどの恐怖感を味わうことになるだろう。筆者もここまでリアルに「死」を感じたことは初めてであった。
プレイ時間は約3分程度で価格は100円。ゲーセンに登場した新作アーケードゲームを初プレイし、ゲームオーバーになってしまうまでの時間とほぼ同等と考えれば安いものである。PS VRで真っ先にホラー体験をしたいと思ったら、この『KITCHEN』がオススメだ。