スタイラスのSペンは、ジャイロセンサーと加速度センサーを搭載したことで、ペンの動きを検知できるようになりました。振り返ると、Note9からBluetoothで本体と接続して、ボタンを押すとカメラのシャッターを切る、といった操作が可能でした。
Note10からは、さらに上下左右に振ったり、円を描いたりすることで、カメラのモード切替やズームといった操作に対応。YouTubeアプリでは音量変更や早送りなどの操作も可能です。SDKが公開されているため、サードパーティーがこの機能をアプリに取り込むこともできます。
ペン全体ではなく、手首を使ってペン先だけを動かす感じにすると操作でき、アプリによっては便利に使えそうです。
ただ、ペン自体の性能強化がなかったのは残念なところです。Note9のSペン仕様だった4096段階の筆圧検知や傾きを検出しない点などは共通で、書き味もあまり変わらない印象でした。書きやすいのは確かなのですが、Apple Pencilの書き心地まで見据えると、もう一段の進化を期待したいところです。
ソフトウェア的な面では、Samsung Notes(日本名はGalaxy Notes)アプリに搭載された手書き文字のテキスト化機能は便利です。今までも、手書き文字を範囲指定してテキスト化できましたが、今回は手書き文字を指でタッチするだけでテキスト化し、コピーしたりできるようになり、よりスピーディに使えるようになりました。
この機能はGalaxy Tab S6にもあり、アプリのアップデートで従来機種も対応できるのかもしれません。軽く使った限りは日本語も含めて精度も高く、メモ作成の用途で役立ちそうです。
Galaxy Note10シリーズの発売日と価格
そんなNote10とNote10+ですが、米国での発売は8月23日から。8月8日からは予約が始まっています。価格は、Note10が949ドルから、韓国版のみのNote10 5Gモデルが1049ドルから。Note10+は1,099ドルで、Note10+ 5Gモデルは1,299ドルからとなっています。
残念ながら、発表時点では日本での発売は公表されていません。例年通りならば、国内キャリアの秋冬モデルとして提供されますが……。Note10とNote10+のどちらが発売されるか、どのカラーが発売されるかも注目です。また、日本では5Gの商用化が来年(2020年)ということもあり、まずはLTEモデルになるでしょう。その辺りも残念。
Galaxy Noteシリーズは、特に海外ではペンだけでなく大画面スマートフォンとしての利用が多かったとされていますが、最近は大画面スマートフォンが多く、その点でのGalaxy Noteの優位性は薄れています。逆に大画面はいらないけどペンがほしいという声に応えたNote10の登場で、新たなユーザー層の獲得を狙っている一面もあります。
日本市場での売れ行きも決して大きいものではないのですが、ペンという存在を10年近くにわたって継続していることもあり、一定のファンがいる製品です。筆者もGalaxy Note8を使い、次はNote10と考えていたところなので、日本での製品の登場を期待して待ちたいところです。