この夏、うっかり手を滑らせて、新しい高級イヤフォンを買ってしまいました。手に入れたのは、米Campfire Audio(キャンプファイヤー オーディオ)から6月下旬に登場した「POLARIS II」。鮮やかなブルーが目にも涼しい新製品ですが、その見た目とは裏腹に重厚なサウンドが持ち味の個性派イヤフォンです。

  • Polaris II

    Campfire Audio「POLARIS II」

7月に東京・秋葉原で開かれた「ポタフェス」のイベント特設会場で、筆者はPOLARIS IIを64,000円(税込)で購入しました。決して安い製品ではありませんが、迫力かつキレがあってビックリするほど深く沈みこむ低域と、きらびやかな中高域が特徴的なサウンドが気に入ったのです。

ポータブルオーディオマニアに人気のケーブルメーカーが手がけている製品とあって、付属のケーブルの取り回しも良く、「これでしばらく新しいイヤフォンは買わなくていいや」と思えるくらい満足して使っています。

  • Polaris II

    POLARIS IIは個人的に満足度の高い逸品となった

Campfire Audioってどんなメーカー?

Campfire Audioは、イヤフォン向けの高品質ケーブルやポータブルアンプなどでマニアに人気の米ALO audioが、“理想のイヤフォン/ヘッドフォン”を作るために2015年に設立。Campfire Audioの製品は、独特なデザインの金属筐体とサウンドが注目を集めており、国内ではミックスウェーブが販売を手がけています。

  • Polaris II

    POLARIS II

「JUPITER」(木星)や「ORION」(オリオン座)など、星や星座の名前を製品名に採用しているのもCampfire Audio製品の面白い特徴。有名な大星雲の名を冠したフラッグシップイヤフォン「ANDROMEDA」(税別129,300円)は、製品名はそのままで何度かモデルチェンジを繰り返し、現在も人気機種のひとつとして販売されています。

都会の喧噪を離れ、静かな湖畔で満天の星空の下、ゆらめくキャンプファイヤーの炎を眺めながらゆったり音楽に浸る……。メーカー名や製品名のこだわりからは、そんなイメージが沸いてきて、「いったいどんな音がするんだろう?」と期待感が高まります。宇宙好きの筆者としても、星や天体の名が付けられた製品と知ると「おっ」と惹かれるものがあります。

  • Polaris II

    POLARIS IIのパッケージ。国内では製品名の末尾に「II」が付くが、本国では「POLARIS」と表記する

そんなCampfire Audioから新たに発売されたPOLARIS IIは、北極星(=ポラリス)の名を冠する初代「POLARIS」(2017年発売)を大幅にブラッシュアップした、第2世代モデル。外装の一部のカラーや付属ケーブルに大きな違いがあり、同社は「アイコニックな造形やブルーカラーの筐体、そしてハイブリッド型のイヤフォン設計を採用したことを除けば、すべてが新しく生まれ変わった」と説明しています。

ポタフェスで最初にPOLARIS IIの音を聞いた時は、やたらと主張する低域の強さが印象に残り、「なんだドンシャリイヤフォンか」と感じてしまったのですが、それでもロックやジャズ、クラシックにアニソンとジャンルを変えて色々聴いていくうち、時折ハッとするほどいい音が流れるのが面白くて次第に心が惹かれ、気がつけば青いパッケージを手に特設販売会場のレジに向かっていました……。