――それでは映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』のお話をうかがいたいと思います。映画の撮影では、一般の子どもたちがエキストラ出演されたとうかがっていますが、おそらくテレビで『リュウソウジャー』を熱心に観ている子どもたちと、映画の撮影という形で直接触れ合ったご感想がいかがですか?

子どもたちは、福井の「恐竜博物館」ロケのとき、一般のお客さんとして出ていただいたんです。撮影終わりに、記念として僕たちがみんなと握手をする時間があったのですが、『リュウソウジャー』のテレビ放送が始まって、僕たちがちゃんとリュウソウジャーなんだと認識された状態で子どもたちと接したのは初めてだったので、とてもうれしかったです。

子どもたちを見て思ったのは、みんな本当に素直だなあってこと。僕たちは撮影が終わっていたので、ある程度"素"の状態で握手をするんです。そうすると、キャラクターの印象と違う?と思った子どもたちの反応が微妙だったりするときもありますので、ちょっとコウのキャラクターを残しつつ、握手するときに一言かけるようにしていますね。

――パイロット(第1、2話)で『リュウソウジャー』の骨子を築き上げた上堀内佳寿也監督が劇場版を演出されています。発表会見の席では「厳しく鍛えられた」とみなさんおっしゃっていましたが、具体的に上堀内監督の厳しかったところを教えてください。

映画の中でも最後のほう、ものすごく壮大なスケールのことを経験したコウ……というシーンで、何度も何度も撮り直しを行いました。そのとき、コウがどんな表情を作るのか、なかなか想像ができなくて表現しづらかったんです。監督からは「もう一回」としか言われず、自分の演技がどうなっているのか、どこを変えたらOKがもらえるのか、変えた演技が良い方向にいくのか、わからなかったというのが正直なところです。しかも、何度もやり直しをする中で、だんだんと表情も固まってきてしまって……。そのときはとても悔しい思いをしましたが、こういった監督の要求を瞬時に理解し、できれば1発でOKを出してもらえるようになるのが、今後の課題だなと思いました。

――6500万年前の恐竜時代に行く、という展開で特に意識されたこととは、どんなことでしょう?

台本を読んだときに、ある程度「こうだろうな」という映像を頭に浮かべるんですけれど、現場では上堀内監督が台本にない部分もスケールを広げて演出をしてくださいました。僕も幼いころの「恐竜が今ほんとうにいたら、どんな感じなんだろう?」という想像力をふたたび膨らませて、できるだけ世界に入り込む形で芝居をしていこうと心がけました。

――ゲストの佐野史郎さん、北原里英さんの印象はいかがでしたか。

佐野さんとは近くに寄って芝居をさせていただくよりも、離れた場所で声を張りながらやりとりをするシーンが多かったんです。遠いとお互いの表情が見えづらかったり、大きな声を出すと単調に聞こえたりしがちだと思いますが、佐野さんはそんなことをまったく感じさせず、常に凄みのある芝居をされるんです。声だけの芝居でも、キャラクターの心が伝わるような表現をされるので、僕自身の演技も引っ張っていただきました。

北原さんとは、他のどのキャストよりも近くでお芝居をしたのですが、自分の感情をあらわにするシーンの表現力のすごさをひしひしと感じていました。僕がふつうに北原さんの芝居を受けるだけで、自分の演技をも良くしてもらえたと思います。北原さんの演技を近くで観ることができて、とても良かったです。

――『リュソウジャー』のテレビ放映開始前の特番『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』でも暗躍していた「ガイソーグ」が今回の映画でも出現していて、リュウソウレッドと対決するというお話ですが、なかなかの強敵なんだそうですね。

そうです。リュウソウジャーがもてあそばれるという感覚です。最初に戦ったときは、こんなのに勝てるのか、と絶望的な気持ちになりました(笑)。相手はとても強いのですが、映画をご覧になるみなさんには、コウのあきらめない姿をぜひご覧になっていただきたいです。

――最後に、一ノ瀬さんから映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』の見どころをひとこと、お願いします。

6500万年前の恐竜時代を描く、壮大なスケールの物語というのが、いつものテレビシリーズと大きく違う部分です。そのスケール感に見合うだけの戦闘シーンがすごい迫力で描かれます。リュウソウジャーの5人が今までにない追いつめられ方をするので、みんなの苦難に立ち向かう姿や、熱い戦いぶりにご注目ください。絶体絶命にまで追いつめられたからこそ、今までテレビで親しんできたリュウソウジャーの各キャラクターに"何か"が加わって、新しい一面も引き出されています。とても面白く熱い作品となっているので、みなさんぜひ劇場へお越しください!

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映 AG・東映