毎朝毎朝、起きるのがつらい。眠い目をこすりながら満員電車に乗って、「今日こそは帰ったら早めにベッドに入ってグッスリ眠るぞ!」と誓ったものの、結局また同じ朝を迎えてしまう。ちゃんと寝たと思ったのに疲れが取れない。そんな毎日を繰り返しているサラリーマン諸君、わかるわかる。わかっちゃいるけど、どうしてもスッキリ起きられないんだよね。でも、毎日シャキッと目覚められたら、さぞかし仕事もはかどるはず。そこで今回は、「目覚め方改革プロジェクト」をご紹介しよう。睡眠の悩みが解消されること間違いなし!

  • 毎日スッキリ起きれるようになれば仕事もはかどり毎日が楽しくなるはず!

「目覚め方改革プロジェクト」とは何か?

「目覚め方改革プロジェクト」とは、睡眠に関する悩みや生活リズム(体内リズム)の乱れによる不調を感じる人が増えている昨今、スッキリ目覚めることの大切さに注目し、健康で豊かな生活を送るため、専門家を中心として2018年8月に設立されたプロジェクト。人々の「目覚め方改革」を促すような情報を発信し、より多くの人々にイキイキとした毎日を送ってもらうことを目指しているという。

  • スッキリ目覚めることの大切さに注目し、健康で豊かな生活を送るために専門家を中心に設立された「目覚め方改革プロジェクト」

今回、「目覚め方改革プロジェクト」のプロジェクトメンバーである北村真吾先生(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 臨床病態生理研究室 室長)に、サラリーマンが感じている睡眠の悩みについてメールインタビューを行い、サラリーマンの睡眠の悩みについて相談にのっていただいた。まず、「目覚め方改革プロジェクト」を語る上で重要な「体内リズム」と「ソーシャル・ジェットラグ」について訊いてみた。

――睡眠には、「体内リズム」がとても大切だと聞いたことがあります。体内リズムとはどのようなものを指すのでしょうか。

私たちの体の中には、約24時間で1周するリズムを生み出す体内時計というものが脳に備わっています。そのため、太陽や時計がないような環境でも、私たちは自然に目が覚めたり眠くなったりします。睡眠以外にも認知機能や気分、運動、免疫など様々な体の機能がリズムを示します。この体内時計によって生み出されるリズムを体内リズムと呼びます。私たちの体内時計は平均的に24時間よりも長いため、そのままでは後ろにずれていって夜型化してしまいます。そうならないよう、毎朝、目から入る光によって時刻合わせ(朝型化)を行っています。逆に夜に光を浴びてしまうと体内時計は夜型化が進んでしまいます。朝にできるだけ光を浴びることがリズムの維持には重要です。

――「ソーシャル・ジェットラグ」とはなんですか?

一般に私たちが時差のある海外に旅行にいくと時差ボケを経験します。時差ボケは外の明暗サイクルや時刻が急激に変わり、からだの内外の時計がずれてしまうことで起こります。一方、ソーシャル・ジェットラグは旅行ではなく、社会生活によって引き起こされる時差ボケです。一般に私たちは平日に仕事や学校のため寝不足を抱え込み、週末に朝寝坊して寝不足を解消します。週末に朝寝坊してしまうと、体内時計を時刻合わせする光を浴びることができず、週末のうちに体内時計が夜型化してしまいます。しかし、翌週の月曜日にはまた元の生活スケジュールに急速に戻らないといけないため、体内時計と一致しないタイミングで寝起きすることになります。これがソーシャル・ジェットラグが起きる仕組みです。ソーシャル・ジェットラグは生活習慣病やうつ病と関連することが報告されています。週末の朝寝坊を避けることでソーシャル・ジェットラグを抑えることができます。