――『ジオウ』は歴代の仮面ライダーシリーズで活躍されていた「レジェンドライダー」の方々など、ゲスト出演される俳優さんの多い作品でしたが、その中でも特に強く印象に残っているのはどなたですか?

門矢士/仮面ライダーディケイドの井上正大さんです。ツクヨミと士が過去へ行き、バスの事件に遭遇(EP28)したときとか、いっしょにお芝居をするシーンが後半で増えてきたんです。初めの印象は「クールな方だな」と思っていたんですが、いっしょにお芝居するシーンが増えて、現場で顔を合わせることが多くなってくると、お芝居についてのお話とか、『ジオウ』のストーリー展開のお話とかをすごくするようになり、とても楽しい方だとわかりました。

――EP41「2019:セカイ、リセット」からも、歴史が変わった世界で孤立するソウゴを門矢士が救いに現れていますね。他のレジェンドライダーの方と違って、複数回姿を見せている門矢士=ディケイドはなかなか『ジオウ』にとっても重要な人物です。

井上さんから「士は出てくるたびに服装が変わっていく」ってお話を聞いて、面白いなって思いました(笑)。『ディケイド』のころからそうだったらしいですね。『ジオウ』でもバスの運転手さんの格好だったり、ミリタリー姿だったり……。私、撮影前に「どうして門矢士はこんな格好なんですか?」って、本気で監督に尋ねたりしました。どんなに突飛な服装や髪形に変えられても、キャラは基本的に変わらない。すごく魅力的です。

――奥野さんや押田さんが強烈なインパクトを受けたという、EP35、36の"キバ編"に登場された釈由美子さんの印象はいかがでしたか?

お芝居で直接関わるシーンに私が出ることがほとんどなくて、EP36で釈さん演じる祐子にソウゴたちがひざまずくところでご一緒したくらいなんですけれど、撮影終わりに「ありがとう」って、優しく声をかけてくださったのが印象的でした。あと、現場に「ジオウふりかけ」をたくさん差し入れしてくださって、それ以来私はお弁当にジオウふりかけをかけて食べています(笑)。

――男性レギュラーの割合が多い『ジオウ』ですが、大幡さんと同じく女性レギュラーであるタイムジャッカー・オーラ役の紺野彩夏さんと、撮影の合間などにお話をされる機会がありますか。

"アギト編"のEP31、32などで、オーラとツクヨミが絡むシーンがいろいろ出てきましたし、タイムジャッカーの3人と一緒に芝居をする機会は多いです。オーラってEP36ではとても"凶悪"なところを見せて、そこが印象に残っている方もたくさんいると思うんです。でも撮影を離れた彩夏ちゃんは常に笑顔で、ニコッとほほえむ姿が可愛くて、とても素直で、いつもツンツンしているオーラとはぜんぜん表情が違うんですよ。それが役に入ると、とたんにクールな女の子になる、あのギャップがすごいです。

――それでは、7月26日から公開の映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』での、ツクヨミの見どころを教えてください。

ソウゴやゲイツ、ウォズと一緒に、ツクヨミもタイムマジーンで戦国時代へ行くんですけれど、そこでツクヨミの"着物姿"が見られます。ここ見どころです! ツクヨミは白いマントをずっと着けていて、高校に潜入していたときもマントは外さなかったんですが、今回はマントなしで、まったく違った色味の服が着られるというのがうれしすぎて、衣装合わせのときからテンション上がっていました。

――ツクヨミのトレードマークというべき、長く美しい黒髪は、戦国の世ですといっそうあでやかというか、綺麗に映りそうですね。

髪も後ろで縛るかたちになりますので、今までのツクヨミとは印象がかなり変わるんじゃないかと思います。とても新鮮な感覚で、楽しい撮影でした。

――劇場版ゲストの仮面ライダーマッハ/詩島剛を演じる稲葉友さんとご一緒されたシーンはいかがですか?

稲葉さんはとても優しい方でした。剛とツクヨミがいっしょにアクションする場面もあるんですけれど、稲葉さんは私が動くときの"動線"を気にしてくださって……。とても細かな気遣いがうれしかったです。昨年の暮にJ-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』という番組にゲストで呼んでいただいたとき、ナビゲーターを務められていたのが稲葉さんとLiLiCoさんだったんです。それで稲葉さんとは映画の現場で久しぶりの再会となり、それもあってか、楽しくお話することができました。ただ、稲葉さんがクランクアップを迎えるとき私は別の現場に行っていたので、ご挨拶できなかったことだけが残念でした。

――映画ではツクヨミのアクションにもご注目、ということですね。他に、お気に入りのシーンなどはありますか?

物語に関わる見どころを語ってしまいますとネタバレになるので言えませんが、テレビとは違う別の"ラスト"として、ツクヨミとソウゴ、ゲイツ、ウォズがどんな関係になっていくのかを見守ってほしいです。最後のシーンで、ソウゴとツクヨミが言葉をかけあうところがあるんですけれど、その短いやりとりが、私にとってはすごく大切なものになりました。ぜひラストでのツクヨミを観ていただきたいです。

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映