――リュウソウレッド/コウ役の一ノ瀬颯さんが、リュウソウジャーの6人はみんな役と性格が少しずつ違うと話していましたが、尾碕さんもアスナとは違うという感じですか?

わりと違います……けど、最近はそうでもなくなってきたかもしれません。みんなの中だと、私とアスナがいちばん性格が近いのかも。私ってふだん、とてもおしゃべりで元気なほうなので、そういう部分はアスナとして、そのまま出している感じです。よく食べるのも一緒ですね。あえて違うところを挙げると、ほっぺをふくらませて怒るとか、ああいう仕草はしません。あんなぶりっ子ではないです(笑)。それでも、演じにくいなんてことがなくて、とても自然にアスナになることができています。

――毎回、元気で明るく、なんでも美味しそうに食べているアスナは、メンバーの中でもムードメーカー的存在で、とても重要なキャラクターですね。

毎回、アスナがどんな表情をするのか、どんな行動を取るのかをすごく楽しみにしてくださる方がいてくださるので、私もそれに応えられるように、意識して表情を豊かにしていこうと頑張っています。

――Twitterなどに上げられている、メンバーそれぞれのオフショットも楽しい雰囲気が伝わってきていいですね。ああいったプライベートな写真でいちばん面白いのはどなたですか。

それはもうメルト役の綱(啓永)くんですね。最近の彼はみんなからイジられることが多くなりました。マジメだから面白いんですよね。綱くんのマジメさを私がイジってからかうみたいなことがけっこうあるんです(笑)。第13話でアスナがメルトに"本音"を言って関係がこじれ、後で仲直りするなんてわりとリアルで、あのままではないですけれど実際の幼なじみチーム3人はあんな感じです。コウ、メルト、アスナの3人で同じ場所にいることが多くて、私としてもいちばんリラックスできますね。

――『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』では、常に一緒にいるコウ、メルト、アスナのうち、コウが別行動を取っています。これはメルトとアスナにとっては新鮮な感覚なのでしょうか?

確かに今までなかった経験で、コウがいないというのは自分たちにとって大きいものでしたね。でも、コウの代わりにみんなをまとめようとメルトが頑張ってくれたので、コウ不在をうまくカバーできたんじゃないでしょうか。

――劇場版ならではの見どころをいくつかお尋ねしたいと思います。映画ゲストの佐野史郎さんとご一緒したときの感想はいかがでしたか。

共演シーンでは、佐野さんのまとっているオーラに圧倒された感じです。"怖い"ということではないのですが、やはりお芝居をされている様子を近くで観ていると、鳥肌が立つような迫力を感じました。ふだんの佐野さんはとても優しくて、現場でも気軽に私たちに話しかけてくださいましたね。

――映画における、アスナの見どころを教えてください。

テレビでのアスナはいつも笑っていたり、ご飯を食べていたりして、明るい場面が多いんです。でも映画では、お話自体がシリアスだということもあり、アスナがいつもと違った"喜怒哀楽"を超えた感情の爆発を見せる場面が見られます。"怒り"でも"悲しみ"でもない、私にもわからなくなるほど感情が高ぶってしまって……。あるシーンで、アスナのセリフを(上堀内)監督が「このセリフ、泣きながら笑って言える?」と聞いてきたので、「どうしよう」と一瞬悩んで、自分なりに消化して演じたんです。そのときはもう勢いのまま、監督や現場のスタッフさんが作ってくださっている"空気"に任せる感じで、そのとき思ったままの感情をむきだしにしていたので、今となってはあのときの記憶がはっきり残っていないんですよね。ものすごくハイになって演技をした後なので、酸欠みたいな感じになりました。テレビではなかなか出せなかった激しい一面を出すことができたので、アスナがどんな感情を表しているのか、ぜひ映画館で確かめてみてほしいですね。

――映画でぜひ注目してほしい、細かいシーンについてはいかがでしょう。

アスナは明るいだけじゃなくて、ときどきキレたりするんですけれど、映画でもバンバに向かって独特な表情を見せるシーンがあるので、そこはぜひ注目してほしいです。まだ完成した映画を確認していないので、もしかしたらそのくだりがカットされていたらすみません(笑)。映画でもアスナは表情豊かで、喜怒哀楽をコロコロと表すアスナをぜひ応援していただければと思います。

――これから映画のキャンペーンなどで、ファンの子どもたちと直接お会いする機会もあるのではないかと思います。これまでにも子どもたちとの交流があったりしましたか?

最近特に、外を歩いていて子ども連れのお母さんから声をかけられることが増えてきました。アスナが好きって言ってくれるのは、女の子が多いんですけれど、男の子もけっこういるんですよ。映画ではエキストラでたくさんの子どもたちが出演してくれましたが、私の出番は午後からだったので、子どもたちと絡むことができなかったんです。朝から撮影していた女の子の1人が「アスナに会わなきゃ、帰らない!」って泣いていたらしくて、それを聞いてすぐにその子に会いにいきました。とてもありがたいことですし、子どもたちの応援はすごく力になります。これからもいろいろな場所で直接子どもたちと交流することのできる環境を作っていきたいですので、これからもリュウソウジャーとアスナの応援をよろしくお願いします!

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映 AG・東映