”匠の技”を伝承するロボットが部品を検査
では、実際の神戸工場の様子を紹介しよう。
まずはじめに、基板実装ラインだ。こちらはすでに全行程の8割以上が自動化されている。こちらの基板実装ラインでは、IoT技術を活用した自動化技術を導入。以前は、はんだ印刷やパーツ実装位置のズレなどが確認されたら、作業員が装置を操作して修正を行っていたそうだが、現在はそれら問題を装置自体が検出し、その結果を別の装置にフィードバックして自動的に修正する、M2M(Machine to Machine)自動修正機能を取り入れている。
製造する機種を切り替える場合でも、装置が自動的に変更を設定できる仕組みも実現した。
また、人の手が介在する組み立て工程においては、カメラを利用したモニタリングによって、ミスを低減する仕組みを取り入れているという。このような各種技術の導入によって人の介在を最小限にしたり、ミスを低減することによって、不良率を改善している。
基板の検査工程には双腕ロボットを導入。基板実装ラインから流れてきた基板を検査装置に取り付けて検査し、検査が終了したら次のラインに流す、という一連の作業を双腕ロボットが行うことで自動化している。また、この双腕ロボットは移動できるようになっているため、トラブル発生時など必要な時にはロボットを移動させて人間の手による検査も可能にしているという。
この他、固定型の短腕ロボットと双腕ロボットを組み合わせた自動化工程も用意。こういった各種の自動化の取り組みによって、基板実装から検査までの工程を24時間運用可能にしている。
こういった自動化の導入によって、オペレーターの人員は自動化導入前と比べて半減できているという。