最初に白状すると、筆者はこれまで、スマホで動画を撮ることがほとんどありませんでした。小さな子どもがいたり、ペットを飼っていたりすれば、日常的に動画を撮る機会も増えると思いますが、子どもやペットがいない筆者のスマホのライブラリーは、圧倒的な数の写真に対して、動画は数えられるほど。動画専用カメラを搭載するなど、動画撮影に注力するシャープのスマートフォン「AQUOS R」シリーズの魅力を、いまひとつ測りかねているところがありました。
今回、長期にわたって「AQUOS R3 SH-04L(以下、AQUOS R3)」を使用する機会を得て、その印象は大きく変わりました。1カ月ほど使い込んでわかったのは、AQUOS R3の魅力はなによりも、使いやすさにあるということ。肌身離さず持ち歩くからこそ大切な使い心地のよさや、かゆいところに手が届く細やかな機能がたくさんありました。
筆者も思わず開眼したと誤解するくらい、本格的な動画をカンタンに撮れます。「AIが撮影シーンを認識」というのは、今やハイエンドモデルのカメラでは当たり前になりつつありますが、AQUOS R3は動画をきれいに撮るだけでなく、“撮ったあと”がとにかくラク。筆者が使い込んで、感動したポイントをまとめます。
「液晶のシャープ」は伊達じゃない
使ってみてまず感じたのは、6.2インチ(3,120×1,440ピクセル)のディスプレイが大きくて見やすいうえ、めちゃくちゃきれいだということ。最近のスマホはハイエンドモデルに有機ELを採用する機種が多いのですが、さすがは液晶のシャープが誇るIGZOディスプレイ。10億色を表示できるという新開発「Pro IGZO」を搭載しているだけあり、高精細さ、コントラスト、色の鮮やかさ、視野角のいずれも、有機ELに劣りません。
有機ELを搭載する他社製ハイエンドスマホに同じ画像を表示し、AQUOS R3と見比べましたが、ディスプレイの明るさや色鮮やかさはもちろん、有機ELの強味とされる「黒のしまり」も、AQUOS R3が勝っているように見えました。高精細でコントラストがはっきりしていることに加え、ディスプレイのリフレッシュレートが120Hzと高いこともあって、写真や動画がきれい。もちろんWebやSNSの文字もくっきり見え、非常に読みやすく感じます。筆者の場合、スマホでチェックする情報の大半は文字なので、文字の見やすさは使い勝手に大きく貢献するポイントです。
屋外でもディスプレイが見やすいよう、「アウトドアビュー」モードが標準でオンになっています。一般的に、有機ELよりバックライトのある液晶のほうが、日光の下では画面を見やすいのですが、「Pro IGZO」は特にアウトドアで強みを発揮しそうです。
実際に使ってみて、梅雨の晴れ間、真夏のような日差しが降り注ぐ日中でも、手でひさしを作らずともしっかり画面が見えました。くもりの日などは逆に、画面がちょっと明るすぎるかな、と思えるほどです。暗い場所だと、画面が明るすぎて目立ってしまいそうなので、周囲の明るさに合わせ輝度を自動調節する機能は、常にオンにしておいたほうがよさそうです。
このほかAQUOS R3は、薄暗い場所でも目に優しい「リラックスビュー」や、老眼に心強い「はっきりビュー」、視野角を意図的に狭める「のぞき見ブロック」といった機能も備え、TPOにあわせて使い分けられるようになっています。「のぞき見ブロック」は、電車など公共の場で個人情報などを守るために、あるとうれしい機能。画面上部をスワイプして引き出せる「クイック設定パネル」から、のぞき見ブロックへすぐ切り替えられるようになっているのも使いやすいポイントです。
ディスプレイの見やすさと合わせて、使いやすさを大きく左右するのが操作性です。AQUOS R3は、CPUにQualcommのSnapdragon 855を搭載するほか、メモリもたっぷり6GBと余裕があるため、タッチ操作がサックサク(ストレージは120GBで、microSDにも対応)。
ディスプレイ下の指紋センサーを使ったナビゲーションはカスタマイズできます。たとえば指紋センサーをホームボタンとして使えるほか、ナビゲーションバーを非表示にして、代わりにセンサーを左になぞると前画面へ戻る、右になぞると履歴を表示できる、といった具合にカスタマイズが可能。履歴を表示した状態で、さらに右になぞるとアプリを順に切り替えるといった設定もあります。指紋センサー上から、親指をすべらせるだけでスマホを操作できるのがとても便利です。
濡れた手でタッチ操作できるのも、かゆいところに手が届くポイントです。IP65/IP68の防塵防水対応で、水場でも使えるAQUOS R3。濡れた手で操作できると、料理中も安心して使えます。
ちなみにAQUOS R3には、本体側面に音量キーや電源ボタンと並び、Googleアシスタントを呼び出せる専用ボタンも用意されていて、Googleアシスタントをワンプッシュで立ち上げ、音声からレシピなどを検索できます。Webサイトの画面を自動でスクロールする独自機能「スクロールオート」も、レシピを閲覧しながら料理するのに役立ちました。AQUOS R3は、キッチンでも使いやすいスマホといえそうです。