――新木さんは小学生の頃にスカウトされて芸能界入りし、モデル・女優として活躍されてきました。最初にお芝居の楽しさを実感したのはいつのことでしたか?
中学生の頃に、事務所の演技レッスンに通わせていただいていたんです。あの頃はすべてが新鮮で、その時の先生がすごく厳しかったんですけど、一人の役者・女性として扱ってくださる先生だったんです。その時は「怖い」と思っていたけど(笑)、自分の中で「先生がどうやったら楽しんでくれるかな?」「どうやったら先生を驚かせられるかな?」と、頭の中で方向転換していけた時期がありました。レッスンに行く電車の中とかで「今日の演技レッスンでどういう風に先生を面白く思わせよう?」と考えていたときは、すごく楽しかったです。演じる楽しさは、その先生から教えていただけていたかなと思いますね。
――その後、様々な作品に出演してきたわけですが、これまでのキャリアを振り返って、ご自身の転機になった出来事や作品は?
より一層自分に自信がついたのは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』ですかね。本当に全く経験がない中で、大御所の先輩の方々とご一緒する機会がありました。その後、すぐに『コード・ブルー』に出させていただいて。『コード・ブルー』でも大先輩の方々とご一緒させていただく機会がありました。それまでも気を抜いていたわけではなかったですけど、より一層気を張って、脇を締めて、しっかり自分の役と向き合わなきゃいけない!という状況に、作品を通して置いていただいていたのが、私の中ではすごく大きかったかなと思います。
――ピクサー作品は世界的なコンテンツです。世界的と言えば、先日にはDiorのショーを鑑賞するために、フランスのパリを訪れていましたよね。そういった国際的なお仕事は、どんな面で刺激的なのでしょうか?
本当にすごく貴重な経験だなと思います。海外に行くと不思議なことに「なんで自分ってこんなに小さいんだろう」と感じますし、自分の存在がまだまだどれだけ小さいかに気づいて「もっともっと大きくなりたい、ならないといけない!」と、自分が今まで想像もできなかったような自信が漲るんです。それが海外のパワーですね。悩んでいたり、仕事で不安だったり、そういうことも「なんでこんなに不安に思っていたんだろう?」と、海外に行くことによって思考が全く変わるんです。
世界のフィルターを通して見ると、自分が思っているよりも自分が悩んでいることはちっぽけで、どれだけ狭い視野の中で不安になったり、落ち込んだりしているんだろうと思えますね。落ち込んでいるときに行くと、すごく元気になるし、元気な時に行くと、より一層「もっと頑張りたい!」「もっと色々なことをしたい!」というポジティブな気持ちになります。もともとそんなに悲観的ではないんですけど、そういう気持ちにさせてくれるので、定期的に行かせていただく機会があることは、すごくありがたいなと思います。
とは言っても、お仕事で自信がない時期もあったりするんですよね。そういう時に、どれだけ忙しくても海外のお仕事があると、自分の気持ちをリフレッシュできるし「頑張ろう!」と思えるので、すごく大切ですし、これからもご縁があれば、どんどん海外のお仕事も挑戦させていただきたいですし、頑張りたいなと思っています。
新木優子
1993年12月15日生まれ。東京都出身。小学生の時にスカウトされたことがきっかけで芸能界入り。2014年から女性ファッション誌『non-no』の専属モデルとして活動中。Diorのコレクションなどにも出席している。『錨を投げろ』(08)で映画初主演、ドラマ『ラブラブエイリアン』(16)で連ドラ初主演。映画では『あのコの、トリコ。』(18)、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2018)、『悪と仮面のルール』(18)などにも出演。ドラマでは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(2017)、『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(17)、『SUITS/スーツ』(18)、『トレース~科捜研の男~』(19)などに出演してきた。