――すごく素敵なお話ですね。今後もっと歌ってみたいという曲はありますか?

まだまだミュージカルにはたくさん名曲がありますし、例えば『サンセット大通り』のナンバーは変拍子ですごく情熱的な曲で、今回のアルバムの候補にもなっていました。ロックミュージカルもあるし、日本でまだ上演されていない作品でも名曲が埋もれてます。あとは、先日藤岡(正明)くんがライブで『アニー』の「トゥモロー」を歌っていて、「なんて明るい曲なんだ!」と思い、歌ってみたくなりました。

――明るい役を演じられているイメージ、あまりないですね。

出演のお話を頂くとなぜか、苦悩や悲しい役が多いんですよ! 借金まみれや振られるか死ぬか……自殺も多いし、殺されることも多いし、トラブルに巻き込まれたり、なんなんでしょうね(笑)。ただ僕自身も、ずっと明るい役だと、疲れて裏であまり人と話さなくなってしまうところもあります。きっと、バランスを保とうとするんでしょうね。

――では、『レミゼ』出演中の今は明るいんですか?

すごく明るいです。10分前くらいに舞台袖に行って、みんなとおしゃべりしちゃう。そこからの最後は「自殺」ですが。

――さらに、カーテンコールで投げキッスも。

投げキッスは普通ですよ、僕からしたら! 「愛を持って帰ってくださいね」という、感謝の気持ちです。そういえば、『レミゼ』ではのジャン・バルジャンとジャベール以外のメインキャストがアンサンブルも演じているのですがるのは、演出のジョン・ケアードによる「役者の精神バランスを保つために」という意図があるらしいです。暗い役で終わると気持ちが保てなくなってしまうので、明るい役も演じさせるというのは、面白いメソッドだなと思いました。それがなんでジャベールにはないんだ、という(笑)。

でもバルジャンとジャベールは、2人で一つ(光と影)というところがあるので、よく考えられた作品だと思いますね。ちなみに、楽屋では、バルジャン役の佐藤(隆紀)くんと夫婦漫才みたいにわちゃわちゃ仲良くさせてもらっています。

――それでは、最後にぜひメッセージをいただけたら。

ミュージカルって敷居が高い……って思われがちなところもありますが、触れてみるとにはたくさん良い曲がありますし、気軽に楽しんでもらいたいです。そういう思いもあって、藤井隆さんのお力を借りて、今までミュージカルと疎遠だった方にも知って頂きたい!伊礼彼方や、藤井隆プロデュースという言葉が引っかかったら、気軽にリリースイベントも見に来ていただけたらと思います。

なかなか、ミュージカル俳優が各地の有名レコード店でインストアイベントをできるということはないんですよ。藤井さんのおかげで、レミゼ公演地の東京・名古屋・大阪・博多・札幌まで、各地でやらせていただけるので、生で聴いてみたいと思ったらぜひ! 観覧だけならフリーですし、聴いたら絶対CDも買いたくなると思いますので。なんでもつけますよ! ウィンクでも投げキスでも!(笑)

■伊礼彼方
1982年2月3日生まれ、神奈川県出身。幼少期はアルゼンチンで過ごし、横浜へ。中学生の頃より音楽活動を始め、2006年にミュージカル「テニスの王子様」佐伯虎次郎役で舞台デビュー。その後『エリザベート』(08、10)、『アンナ・カレーニナ』(10、13)、『スリル・ミー』(14)、『グランドホテル』(16)、『ピアフ』(16)、『王家の紋章』(16、17)、『ビューティフル』(17)、『ジャージー・ボーイズ』(18)。現在『レ・ミゼラブル』(7月大阪、8月博多、9月札幌)に出演中。2020年には『ミス・サイゴン』エンジニア役が決定。

『Elegante』

・価格:税抜 2,500円
・仕様:CD+DVD / 20ページブックレット
・収録曲
1.Field Of Angels ~天使の園~(『GOLD~カミーユとロダン~』より)
2.We Were Dancing(『アンナ・カレーニナ』より)
3.Love Can't Happen(『グランドホテル』より)
4.Sister(『ハムレット』より)Duet With 昆夏美
5. 最後のダンス(『エリザベート』より)
6.This Is The Moment(『ジキル&ハイド』より)
7.Estrellas(『レ・ミゼラブル』より)※日本語タイトル「スターズ」

伊礼彼方『Elegante』リリースイベントツアー

・イベント内容 ミニライブ+CD購入者対象特典会(握手+サイン会)

2019/7/13(土) 19:00~ 大阪:タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスぺース
2019/8/17(土) 18:30~ 福岡:HMV&BOOKS HAKATA イベントスぺース
2019/9/14(土) 18:00~ 北海道:HMV札幌ステラプレイス イベントスぺース