――あらためまして、ご出産後初の連ドラにこ今回の作品を選んだのには、どのような理由があったのでしょうか?
子育てもあり、今までみたいに朝から朝まで撮影みたいなことはなかなか難しいので、時間のこともご協力してくださるということで、加藤(正俊プロデューサー)さんからのせっかくのお話ということもあってお受けしました。それに、やっぱり復帰後は「意外だね」って思ってもらえる役をやってみたいなと思っていましたので、そういう意味で今回は不倫の恋に落ちる妻という役柄ですし、ストレートに自分の気持ちが変化していく女性の役というのも初めてでしたので、ぜひ演じてみたいと思ったんです。
――加藤プロデューサーは、仲間さんとお仕事をすることに「感慨深い」とコメントされていました。
『ごくせん』で20歳くらいの頃からのお付き合いですからね。ジャージを着ていた人が、こんな衣装を着て…なんて思うと、感慨深いですよね(笑)
――日本テレビのドラマ出演は6年ぶりになりますね。
そうなんですよ! 「久しぶりに日テレの生田(スタジオ)かあ」なんて思いながら行きました(笑)。『ごくせん』の後にもいろいろ作品をやらせていただきましたけど、やはり私の中でも『ごくせん』のイメージが強くて、「日テレさんと久しぶりなんだなあ」と楽しみにしながら撮影に入れました。個人的には出産して、ちょっとお休みをいただいてから初めての連ドラなので、そういう機会に皆さんが楽しんでもらえるような役柄と、笑って見てもらえるようなドラマに出演できることがすごく光栄です。
――メガネを外して気持ちが変わるという今回の役柄は、『ごくせん』のヤンクミを通じる部分がありますね(笑)
そうですね! たしかにたしかに(笑)。日テレさんに来るとメガネをかけさせられるっていうのはありますね。『ゴーストママ捜査線』(12年)もそうでしたし、加藤さんと仕事をするとメガネをかける率が高いです(笑)
■本当の幸せは近くにある
――コメディ作品も久しぶりになると思いますが、このジャンルを演じる楽しさはどんな部分で感じますか?
日常でできないようなことが言えたりできたりすることかなと思います。杏ちゃんとの姉妹ゲンカでも、普段なら壁に向かってドーンってぶつけたり、首根っこを持ってグイーってなんてできないので、作品の世界の力を借りて思い切りいろんなことをさせてもらえるのは、コメディだからこそですよね。
――特に見てほしいシーンなどはありますか?
杏ちゃんとのシーンは、私がギャーギャー言って、それにおどおどと対応する妹との掛け合いを見てほしいですね。杏ちゃんは本当によく鐘子のことを捉えていらっしゃると思います。恋愛がうまくいかない不器用な感じだったりとか、ごまかそうとするのにごまかしきれてないみたいなかわいらしさがすごく出ていて、思わず姉としてイジメたくなっちゃいますね(笑)
――今回の作品は「本当の幸せ」というのが1つのテーマですが、仲間さんにとって「本当の幸せ」とは何でしょうか?
「本当の幸せ」って、なかなか気づけないものと思われながら、実は近くにあるというのが真理なんじゃないかなと私は思います。それは今という時かもしれないですし、目の前にあるものかもしれないですし、「なんか幸せだなあ」って思う、ふとした瞬間なんじゃないかなと思うんです。
――今、子育てをされているときにも感じますか?
はい、幸せだなと思いますね。みんな「大変だね」って言ってくれて、たしかに夕方になると疲れちゃうというのはあるんですけど(笑)、全然大変ではないんです。子育てとお仕事、両方とも本当に楽しくやらせてもらっています。
●仲間由紀恵
1979年生まれ、沖縄県出身。『TRICK』(テレビ朝日)、『ごくせん』(日本テレビ)、『功名が辻』(NHK)などのドラマ、『リング0 バースデイ』『大奥』などの映画に主演するほか、『NHK紅白歌合戦』(NHK)、『輝く!日本レコード大賞』(TBS)、『MUSIC FAIR』(フジテレビ)で司会も務める。