――今年公開された映画『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』に登場したウルトラマントレギアが、タイガの宿敵として立ちはだかるというのも話題を集めていますね。
トレギアがレギュラーで出る上に、人間態も出てくるということで、「さて、どんな男にしようかな」と考えました。今までのシリーズにも、『オーブ』のジャグラス ジャグラーとか『R/B』の愛染さんとか"ワル"の変身キャラクターが何人か出てきましたが、それらと方向性を変えてみたいと思いました。まずトレギアのイメージを「上品で、なおかつ怖い」と定めまして、いわゆる悪役っぽい「ワハハハハ!」みたいな笑いではなく、ふつうに笑っているだけで恐ろしさが出るようなキャラクターを作りたかったんです。トレギアになる霧崎(演:七瀬公)の衣装は僕がデザインしたんですけれど、白と黒で「光と闇」を表現してみました。善だ悪だと決めつけること自体、意味がない、とか難しいことを言う哲学者のような人なので、そういった特色を打ち出そうと努力しています。
――タイガとトレギアの間に何か因果関係があったりするようですが、これらはエピソードを重ねることで次第に明らかとなっていく感じでしょうか。
ここ最近の"ニュージェネレーションヒーローズ"では連続性のあるストーリーを重視していました。一方で昔のウルトラマンシリーズでは、単発エピソードの面白さがありましたよね。『ウルトラマンタイガ』ではその両方を大切にして、連続ストーリーの良さを出しながらも、各監督の持ち味が活かせる1話1話の読み切りエピソードとしても楽しめるドラマにしたいと思っています。
そして、昔から僕はウルトラマンよりも相手側の"怪獣"のほうが好きでしたから、怪獣や宇宙人の"出現理由"や"行動目的"をしっかりと描きたいと思っています。近年は、敵キャラがアイテムを使って怪獣を"召還"するというスタイルが主でしたけれど、今回は怪獣や宇宙人が"どこから出てきたか、何をするために現れたか"をきちんと描くよう努めています。そうして怪獣・宇宙人の魅力を高めて、子どもたちがソフビ人形を欲しくなるようになってくれたらうれしいですね。
――怪獣や宇宙人の襲来を第一に置いたドラマ作りというのは、まさに最初の『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』などの"昭和"ウルトラマンシリーズにも通じるものを感じますね。
そうです。"令和"という新しい時代を迎えるにあたって、ウルトラマンシリーズも初心に戻り、"昭和"の良さを注入したいと思ったんです。プロデューサーのみなさんも僕と同じ考えでいてくれて、この方向性で行こう!と決まりました。怪獣大好きの僕としては、ここが一番大きなところですね。
――怪獣ファンとしては、『ウルトラマンタイガ』でデビューを飾る「新怪獣」の登場がどれくらいあるか、にも興味がわきますが、いかがでしょうか。
けっこう新怪獣、出てきますよ! もちろん、これまでに登場した人気怪獣も出ますし、第1話なんて、怪獣だらけです(笑)。近年のウルトラマンシリーズでは本編(人間のドラマ)と特撮を同じ監督が撮ることがほとんどなのですが、第1、2、3話では神谷誠監督が特撮の演出を手がけられます。もう、スタートダッシュで突っ走ろうという意欲ですね。どんな特撮映像になっているか、ご期待ください! 『ウルトラマンタイガ』は子どもたちはもちろん、大人の方も童心に帰って楽しめる作品になっていますので、これまでのシリーズ同様、多くの人たちに愛される作品になって欲しいです。
特撮テレビドラマ「ウルトラマンシリーズ」最新作『ウルトラマンタイガ』は、テレビ東京系6局ネットで7月6日あさ9時から放送スタート。
(C)円谷プロ (C)ウルトラマンタイガ製作委員会・テレビ東京