飛び出すフロントカメラはFind Xから変化

もう1つ、カメラ機能に関する大きな特徴となるのが、フロントカメラです。

先にも触れた通り、Reno 10x Zoomのフロントカメラは、自分撮りや顔認証による画面ロック解除など、使用する時だけ自動的にポップアップする仕組みなのですが、その機構はFind Xから大きく変化し、カメラが扇状に開いて現れる「ピボットライジング構造」を採用しています。Find Xではカメラ部分がせり上がる構造でしたが、構造が変わり露出する面積が減ったことで、カメラの飛び出しが目立ちにくくなっています。

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    新たな構造を採用したフロントカメラは扇状に開いて飛び出す仕組み。露出する面積がより小さく、目立ちにくくなっている

顔認証のためフロントカメラを使ってみたところ。カメラがポップアップするまでにかかる時間は1秒未満で、音も静かだ(動画)

物理的にカメラが動くとなると、そのスピードやモーター音などが気になるところですが、実際に使ってみた限り、カメラが現れるまでの速度は0.8秒と速く、モーター音も小さいためあまり気になることはありませんでした。落下時などの耐久性に関しては、OPPO側の発表によるとジャイロセンサーで落下を検出し、カメラを自動的に収納するとのこと。20万回以上の耐久テストを実施し、毎日100回の使用で5年間使える耐久性を実現するとされています。

ちなみにフロントカメラは1,600万画素と、非常に高い画素数を備えているという点は、従来のOPPOのフラッグシップモデルと共通しています。OPPOが得意とする「A.I.ビューティー」もしっかり搭載されているので、自分撮りにこだわる人も安心です。

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    OPPOが力を入れている「A.I.ビューティー」はもちろん健在。自動で美顔効果を適用できるだけでなく、細かなカスタマイズも可能だ

一方で、Find Xから構造が変化し、露出する面積が減った影響からか赤外線センサーなどは搭載されておらず、3Dによる顔認証には対応していません。それゆえ顔認証は、指紋認証と比べセキュリティの面では落ちるということは覚えておくべきでしょう。

厚みのあるボディがゲームプレイにマッチ

性能面に目を移すと、チップセットにはクアルコムのハイエンド向けの最新チップセット「Snapdragon 855」を搭載するほか、RAMは8GB、ストレージは256GBと、こちらもハイエンドモデルに相応しい内容となっています。ちなみにmicroSDスロットも備わっていますが、こちらは2つのSIMスロットのうち1つと排他使用となっています。

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    SIMスロットはトレイの前後に2枚のSIMを挿入するスタイル。うち一方はmicroSDとの排他使用になる

性能面で注目すべきは、ゲームの動作を快適にするための仕組みを多く備えていることです。新たに水冷式の冷却システムを備えて放熱を強化し、ゲームプレイ中に本体が熱くなるのを防ぐほか、ゲームの動作を快適にする「ゲームスペース」もアップデート。GPUのパフォーマンスを向上させる「フレームブースト」と、ディスプレイのタッチ性能を高速化する「タッチブースト」を備え、シビアな操作が要求される対戦ゲームなどでも的確な操作ができるようになっています。

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    新しくなった「ゲームスペース」。GPUのパフォーマンス向上やディスプレイのタッチ性能向上などを実現し、シビアな操作を要求する対戦ゲームも快適にプレイしやすくなる

実際にゲームスペースを用いて、負荷の高い3Dによる対戦ゲームをいくつかプレイしてみましたが、動作がカクつくことがないのはもちろんのこと、操作もスムーズで、本体がストレスを感じるほど熱くなることもありませんでした。本体に厚みがある分ホールド感も良く、ゲームを楽しむ上ではよいパフォーマンスを発揮してくれそうです。

カメラに強くこだわる人に魅力的な1台

そしてもう1つ、OPPOといえば忘れてはいけないのが、独自の急速充電システム「VOOC 」です。Reno 10x Zoomは4,065mAhという大容量のバッテリーを搭載していますが、専用のACアダプターを用いた「VOOC 3.0」で、30分で約50%、80分でフル充電ができるという驚異的な急速充電を実現するとのこと。実際に使ってみてもバッテリーがなかなか減らず長時間ハードに利用しても安心感がありますし、充電スピードの速さにも驚きがあります。

ただ一方で、急速充電重視のためかワイヤレス充電に対応していないのは残念なところ。最近はワイヤレス充電に対応する機種が増え、対応する充電器も増えているだけに、急速充電だけでなく充電手段の幅の広さにも力を入れて欲しいところです。

Reno 10x Zoomは非常に高いパフォーマンスを備えており、特にカメラに強いこだわりを持つ人には魅力的な端末だといえます。7月3日から予約を開始し、7月12日に発売。価格は税別99,880円となっています。

日常使いのスマートフォンとしては厚さと重さがやや気になるところですが、逆にゲームを楽しみたい人にとっては、それがバランスのよい仕上がりになっているとも感じました。カメラやゲームなどに高いパフォーマンスを求める人なら、ぜひ手にしたいスマートフォンだといえるでしょう。