スマホじゃダメなの? Kindleリーダーを選ぶメリット
ところで、スマートフォンやタブレットにKindleアプリをインストールすれば、書籍の購入や閲覧が可能です。電子書籍リーダーを使っていない人からは、「タブレットじゃダメなの?」「スマホで十分では?」、そもそも「本はやっぱり紙で読みたい」という意見も多いでしょう。普段はスマートフォンで電子書籍を読んでいる筆者も、専用リーダーの必要性をあまり感じていませんでした。しかし今、回最新型のKindle Oasisを使用したところ、「専用機」ならではの使いやすさを実感しました。
最初に感じたメリットは、なんといっても目に優しいこと。Kindle OasisはCarta電子ペーパーと呼ばれる画面表示技術を採用しています。電子ペーパーは黒いインクを電子の力で表示したり消したりする方式のこと。このため、液晶や有機ELのスマートフォン画面と比べて、紙の印刷物に近い表現になります。また、スマートフォンやタブレットの液晶は構造上、常に画面後ろからバックライトを点灯しており、明るい場所では視認性が悪くなることがあります。
一方、インクを使った電子ペーパーは紙の印刷物と同じように明るい場所のほうが視認性がよいのが特徴。さらにKindle Oasisはライトを搭載しており、暗い場所でも読書ができるのですが、このライトにはフロントライトを採用しています。光が直接目に向かって照らされないので、長時間読書をしてもスマートフォンやタブレットほど疲れません。
もうひとつのメリットは、文字の大きさを簡単に変えられること。こちらはスマートフォンやタブレットのアプリでも可能ですが、Kindle Oasisでは文字の大きさやフォントを簡単に変更できます。アラフォーになり、夕方になると老眼が気になるようになった筆者にとって、これはかなりありがたい機能です。また、文字をハイライトすると自動的に辞書が起動して、単語の意味などを表示する便利な機能なども電子書籍ならではです。
電子ペーパーならではの特徴として、バッテリーの持ちがよいのも魅力です。スペック上は「明るさ設定10、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合、1回の充電で数週間利用可能」とのことですが、今回1泊2日(明るさ自動)で10時間ほど利用したところ、バッテリー残量は30%ほどでした。スマートフォンやタブレットでは、ここまでの長時間利用は難しいでしょう。
Kindle Oasisは7インチディスプレイと小型のタブレットサイズですが、電子書籍リーダー専用機ということで、本体の重さは188gと軽量。長時間読書するのに、この軽さは魅力的です。
もちろんデメリットもあります。電子ペーパーということで、モノクロでしか表示できないこと。Kindleでは雑誌なども購入できますが、基本的にフルカラーで写真を魅せるタイプの雑誌は、Kindleリーダーでの閲覧に向いていません(Amazonのラインナップには、IPS液晶でカラー表示が可能なFireタブレットシリーズもあります)。