2019春ドラマ17作をガチ採点! 『腐女子～』『何食べ』他作圧倒のワケ

寸評と目安の採点(3点満点)

■『ラジエーションハウス～放射線科の診断レポート～』　月曜21時～　フジ系

出演者：窪田正孝、本田翼、広瀬アリスほか
寸評：放射線科というテーマの新鮮味と技師チームのキャラクター劇で、視聴者の興味関心は終始高かった。『HERO』風の狙いすぎな演出、恋愛要素は不要という声もあったが、あえて組み込むことも差別化の1つ。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆☆☆　総合☆☆】

■『スパイラル～町工場の奇跡～』　月曜22時～　テレ東系

出演者：玉木宏、貫地谷しほり、國村隼ほか
寸評：豪華かつ人気者をそろえ、『ハゲタカ』という人気作の派生だったが、最後まで主人公の辣腕ぶりが伝わるシーンはなし。最終回に大半を詰め込んで解決し、カタルシスを集中させた昭和のドラマという印象も。
採点：【脚本☆　演出☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『パーフェクトワールド』　火曜21時～　フジ系

出演者：松坂桃李、山本美月、瀬戸康史ほか
寸評：車椅子の主人公と彼を愛するヒロインよりも、周囲の人物に肩入れしたくなったのは、「なぜお互いを好きなのか?」が伝わらなかったから。松村北斗のフラットな演技が主人公との対比になり、作品の救いに。
採点：【脚本☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『わたし、定時で帰ります。』　火曜22時～　TBS系

出演者：吉高由里子、向井理、中丸雄一ほか
寸評：仕事ができる上に、定時帰りを徹底、同僚にも恋人にも優しい…主人公の設定に出来すぎ感。ワーキングマザー、今どきの新人、派遣などさまざまな立場をフィーチャーしたが、浅堀りでメッセージ性は浅い。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『白衣の戦士!』　水曜22時～　日テレ系

出演者：中条あやみ、水川あさみ、沢村一樹ほか
寸評：事実上の『ナースのお仕事』リメイクだが、一同ズッコケ、ヤンキーと変顔、心の声や静止画などの演出がことごとく古かったのはなぜなのか。中条を抜てきした思い切りが、作品の中にもほしかった。
採点：【脚本☆　演出☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『緊急取調室』　木曜21時～　テレ朝系

出演者：天海祐希、田中哲司、小日向文世ほか
寸評：シリーズ作ゆえに、メンバーの安定感とゲストの個性をかけ合わせたプロデュースは鉄板。天海をはじめキャストのセリフに力みが感じられたのは、取調室という設定だからか。塚地武雅は無難にフィット。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆☆☆　総合☆☆】

■『ストロベリーナイト・サーガ』　木曜22時～　フジ系

出演者：二階堂ふみ、亀梨和也、江口洋介ほか
寸評：大半のキャストを若返らせたことで、物語や映像の重さとアンバランスな印象に。新たなエピソードに見応えはあった一方、それ以外は7年前の作品と比較されて当然であり、上回っていたとは思えなかった。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『向かいのバズる家族』　木曜23時59分～　日テレ系

出演者：内田理央、白洲迅、高岡早紀ほか
寸評：「バズる」という新たなテーマに、昔ながらの家族モノのかけ合わせは新鮮で、キャストも奮闘。藤井道人監督による映像のこだわりや、放送中に内田がインスタ生配信などの意欲的な仕掛けも好印象。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『執事西園寺の名推理2』　金曜20時～ テレ東系

出演者：上川隆也、吉行和子、佐藤二朗ほか
寸評：「奥さま」が八千草薫から吉行和子に変わった影響はやはり大きかったか。このコンセプトで、シリーズ作、そこに代役は誰でも難しい。最後まで「有能かつすぎる西園寺を愛でるドラマ」の域を出なかった。
採点：【脚本☆　演出☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『ミストレス～女たちの秘密～』　金曜22時～ NHK

出演者：長谷川京子、大政絢、水野美紀ほか
寸評：画面から漂う過度なムーディーさと、女子会でのから騒ぎ感は、「イギリスのドラマを日本でリメイクするとこうなります」ということか。「4人中3人が不倫、1人は同性愛」はさすがに偏りすぎだろう。
採点：【脚本☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『インハンド』　金曜22時～　TBS系

出演者：山下智久、濱田岳、菜々緒ほか
寸評：「偏屈で無礼な主人公のキャラをジャニーズが演じる」という何度も見てきた形だったが、感染症や謎の生物にスポットを当てた物語は鮮度あり。人気者トリオへの支持は厚く、視聴率以上に満足度は高そう。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『家政夫のミタゾノ』　金曜23時15分～　テレ朝系

出演者：松岡昌宏、伊野尾慧、川栄李奈ほか
寸評：第3弾も主な設定と構成は変わらず。伊野尾と川栄がアクセントとなるべく、多くの出番を与えられた。今期はゲイの主人公が4人いたが、他作が普通の人として描く中、“超人”として描ける強みがはっきり。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『きのう何食べた?』　金曜24時12分～ テレ東系

出演者：西島秀俊、内野聖陽ほか
寸評：視聴者が作りやすいよう手元に寄った料理シーン、スキンシップを控えたゲイカップルの描き方など繊細な制作姿勢が印象的。ゲイカップル同士のマウントマッチなど、クスっと笑えるシーンも深夜の癒しに。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆☆　キャスト☆☆☆　視聴率☆　総合☆☆☆】

■『俺のスカート、どこ行った?』　土曜22時～　日テレ系

出演者：古田新太、松下奈緒、白石麻衣ほか
寸評：「ゲイ教師の破天荒な言動で生徒たちの問題を解決」という強引さを成立させてしまう古田はさすが。次代を担う若手俳優も、脚本を担当した25歳の劇作家・加藤拓也も、さらなる飛躍の布石となりそう。
採点：【脚本☆☆　演出☆☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆☆】

■『東京独身男子』　土曜23時15分～　テレ朝系

出演者：高橋一生、斎藤工、滝藤賢一ほか
寸評：“AK男子”というフレーズと、浮ついた独身男たちのキャラ…ともにリアリティにも、エンタメにも着地せず。女性スタッフが手がけた割に、3人の俳優が醸し出す色気がふだんより失われていたのは残念。
採点：【脚本☆　演出☆　キャスト☆☆　視聴率☆　総合☆】

■『腐女子、うっかりゲイに告る。』　土曜23時30分～　NHK

出演者：金子大地、藤野涼子、谷原章介ほか
寸評：ゲイの生きづらさに真っ向から向き合い、性別を超えた感情をシビアでありながらも優しく、ドラマティックかつハートフルに描いた。QUEENの楽曲を生かした演出、若手の抜てきなど、好トピック多数。
採点：【脚本☆☆☆　演出☆☆☆　キャスト☆☆☆　視聴率☆　総合☆☆☆】

■『集団左遷!!』　日曜21時～　TBS系

出演者：福山雅治、香川照之、三上博史ほか
寸評：変顔を連発し、土手を疾走、「頑張ろう」を連呼する主人公と、「だまされるけど、運よく解決する」という展開への拒絶反応は大。本部編の7話以降はそれなりの注目を集めたが、銀行モノの重厚感に欠けた。
採点：【脚本☆　演出☆　キャスト☆☆　視聴率☆☆　総合☆】