テレビ朝日系で放送されているバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(毎週月曜 24:20~24:50)。 2017年秋にレギュラー放送が終了となったが、後に特番が3回放送され、4月からレギュラー復活に至った。
前回のレギュラー放送から出演している、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭は「なにかの間違いなんじゃないかと思った」と復活を聞いたときの心境を振り返る。
そして、多くの“しくじり”についての授業を受けてきた若林が、印象に残った授業や『しくじり先生』で得た学びなどを語った。
■5年前との変化は「ベタに涙もろくなった」
――レギュラーとして復活することを聞いたときの感想をお聞かせください。
番組が終わるときに「またこのスタッフと出演者で番組やりましょう」と言っても、そのままやらない、ということがほとんどです。レギュラーで復活するのは、僕も初めての経験でした。驚きの方が大きかったですもん。番組のお墓までつくったぐらいですから(笑)。なにかの間違いなんじゃないかと思って、「え、特番でしょ?」って聞きましたね。
――やはり喜びも大きかったんではないでしょうか。
そうですね。番組の雰囲気がずっと良かったので、またあのメンバーでできるという喜びがありました。改めて思うと、前回のレギュラー放送が始まったのが5年前だったんですが、あの時期の僕と吉村(崇)くんをよく使ってくれたなと、時間が経った今でもうれしいですね。
――5年前と現在では、先生として登場するゲストの"しくじり"に対する感じ方に変化はありますか。
ありますね。吉村くんとも話したんですけど、おじさんになって、ベタに涙もろくなったという(笑)。若い時はツッコミの立場で、年上の先生に対して、「そんなしくじりします?」ってかなりツッコんでいたんですけど、この年になると「わかるな~、そういうミスするよな」って。そこは5年での変化でしょうね。
――レギュラー復活後の収録を振り返ってみて、いかがですか。
まずすごく驚いたのが、昔によく共演していた方が、先生として出てくるんですよ。今井華さんとか、水沢アリーちゃんとか、はるかぜちゃんとか。「前に共演したのはもう8年前か」みたいな。生徒役の若いアイドルが「懐かしい」「小学校のときによく見ていた」って言うから、マジで自分は年を取ったなって感じます(笑)。
■紺野ぶるまの授業に共感「自分も似たような部分があった」
――かつてはゴールデン帯で放送されていたこともあります。ゴールデンと深夜での違いは、どこにあると感じますか。
ゴールデンのときは、なにか1つ、教訓がなければいけないという感じだったんですが、深夜だと、教訓がなにもなくてもいいという(笑)。ただただ、「あの人ヤバい人だね」で終わっても、許されるというのがあります。でも、実はそっちの方が向いている番組だと思うんですよね。ゴールデンのときは、無理に教訓を作っていた部分もあったと思うので、そこは深夜の良さだと感じます。
――4月のレギュラー復活後は、インターネットテレビ局「AbemaTV」と連動し、放送の完全版などが配信されています。
「あそこ見てほしいけど、地上波の尺だと入らないだろうな」という部分や、「余談や脱線に見えるけど、実は芯に近いことを言っているな」という部分が配信されるので、AbemaTVがあって良かったと思います。実際に、AbemaTVで見たという方の反響も多いです。ただ、自分的にはツッコミ切れなかったところとか、すべったところも、AbemaTVだと使われちゃう恥ずかしさはありますけど(笑)。そこも含めて「しくじり」として見ていただけたらなと思います。
――これまでの授業で、特に印象的だったものはなんですか。
強いて挙げるなら紺野ぶるまさんかな。自己顕示欲に絡め取られて部屋にこもるところから、利他的な笑いに自分を持っていったというのは、聞いていて気持ち良かったですね。自分も僭越ながら、似たような部分があったなというのもあったし。
あとははるかぜちゃんですね。昔に共演したときはまだ小学生で、「この子、大人になってこれ続けるのかな」と思っていた部分があったんですが、18歳という若さでそこを通過して「自分」というオリジナリティを掴んでいるのに驚きました。あのスタジオのなかで一番大人に見えましたもんね。