■リリース直後の新曲衣装で、ピクみんと一緒に大盛り上がり!
そんなこんなで、イベントも最後のエリア“ライブエリア”へ。準備のためにふたりが一旦降壇すると、Pyxis演じる、見覚えのあるクセの強いタクシードライバーのコントが上映。そこに向が全力でツッコんでいると、続いて “向さんに聞いてみよう!”とのVTR越しの質問コーナーがスタート。事前収録のVTRにもかかわらず、なぜかツッコミが内容にどんどん噛み合い出し、ファンを飽きさせない時間が過ぎていった。
その間にふたりは新曲の衣装にお色直し完了。いよいよお待ちかねのライブがスタートする。その新曲「恋せよみんな、ハイ!」の披露を前に、ふたりからはサビの振付講座が。「くるりん くるりん くるりんぱ」の部分は伊藤が、サビ中盤の「ハイ!」の部分は豊田がそれぞれレクチャーを行なうと、楽曲へ。
2月の神田明神ホールのワンマンライブもそうだったが、やはりこの曲、和の衣装が非常によく似合う。早口部分も生で楽しそうに、かつとびきりキュートに歌っていき、サビでのピクみんの手フリも完璧! 2サビ後半では、そのピクみんのコールもマイクを向けて拾っていく。間奏部分のダンスはバックステップなども交えたフォーメーションチェンジの実になめらかなものだったし、落ちサビに入るタイミングもふたりともバッチリ。
歌・パフォーマンスの両面で、駆け抜けきった3分半となった。さらに、Anniversary Party恒例の“対決”が盛り込まれたかのような楽曲「ダイスキ×じゃない」では、頭サビから豊田がピクみんを煽ると、対称気味の振付を見事にみせていく。特にDメロで、ふたりの腕を時計の針のようにカチカチと動かしていく部分は、角度もタイミングもぴったりで、終始一本の針のような見事なもの。ライブエリア最初の2曲で、揃えない部分での個々のテクニックも、揃えたり対称になる部分での息の合い方との両方をみせてくれたのだった。
続く「恋でした」は昨年2月のディファ有明でのワンマンライブ以来、久しぶりの披露ということで、「振付を思い出すのが化石(豊田)」「昔のリハVが化石(伊藤)」と口々に語り、リハーサル時の思い出話に花を咲かせてからのスタート。頭サビから手の振付に合わせて、ピクみんからは大合唱が起きる。ちょっぴり切ないナンバーを、爽やかなかわいらしさを持ちながら、歌声でもダンスでもふたりで掛け合いつつパフォーマンス。2サビ明けの間奏が始まった瞬間にカチッとふたりのコンビネーションダンスが入るのも、非常にいい。
加えてDメロラストや落ちサビのファルセットから感じられる、伊藤の歌声の切なさもまた、胸に来るものだ。そしてこのイベントに合わせて製作された、最新シングルのカップリング曲「Pyxisランド」を、ライブ終盤に閉園ソングのような形で披露。冒頭での、ふたりそれぞれが親指と人差し指で作ったL字を組み合わせて長方形のチケットを作るような楽曲コンセプトを取り入れた振付も楽曲に華を添え、顔を突き合わせてのサビのダンスにも強いペア感が存在。2-Bメロでは歌詞通りに伊藤がちょっと観覧車を揺らすような振付も交えられ、そのBメロで怖いアトラクションにちょっと怯えるような豊田の歌声も、生ならではの表情をもった非常に良好なものだった。
■「はじまりの曲で、記念イベントを締めたい」想いは、会場全体の“あたりまえ”に
歌唱後には、今回配布のしおりがエリアごとに担当を決めて作られたことなど、ライブ制作の裏側が語られ、続いて結成4周年を迎えての想いをそれぞれコメント。「出会ったときと比べて、いい方向にしか進んでない。それが不思議だけど、萌絵さんはもちろんスタッフ、ピクみんのおかげだと思っています。
新曲も増えたので、バスツアーって言いましたけどライブツアーもやりたい!」と意欲も語った伊藤に、「年々、一緒にいるときに作り上げる雰囲気がすごく温かくなってるのを感じます。今回は4周年記念の“Party”なので、記念になるものをたくさん作りたい! ということでチーム一緒に取り組んだ学祭みたいでした。
これからも、みんなと一緒に楽しいものを作っていけたら」と豊田が締め、Anniversary Partyの最後には欠かせないはじまりの曲「Jewel」をラストナンバーとして披露。歌唱前、「記念Partyでは歌い継いでいきたい」と紹介されたこの曲だったが、タイトルコールされても驚くようなどよめきは、もう起こらない。それは、この曲で記念すべき日を締めくくりたいという想いを、Pyxisとピクみんとで共有していたからだろう。
ステージ上では曲の合間に客席に向かって手を振ったりもしつつ、最後までエネルギッシュでフレッシュなダンスと歌声を届けながら、2番の冒頭では豊田が伊藤にじゃれついて、改めてふたりの関係性もみせてくれる。そのうえでの落ちサビの「一瞬だけど 偶然なんかじゃない」のフレーズなんて、年を重ねるほどに心に沁みるものじゃないかあそんな感情を観る側にもたせたまま、大サビではピクみんと一緒にワイパーをしつつ、キラキラに5年目の幕開けを飾ったのだった。
この1年も声優としての活動をはじめ、個々でもさまざまなフィールドに活躍の場を広げたふたり。それはきっと、Pyxisというホームがあるからではないだろうか――肩の力が適度に抜けたイベントを展開し、締めるべきライブパートではきっちり決める姿が、そう感じさせてくれたのだ。リリースも重ねて持ち歌も徐々に増えてきた5年目は、どんなステージを私たちにみせてくれるのか。これからのふたりの成長と活躍にも、目が離せない!
“Pyxis 4th Anniversary Party 2019 ~らんらんの乱♪~”2nd
2019.06.08@よみうりランド 日テレらんらんホール
【SET LIST】
M1.トキメキセンセーション!
M2.恋せよみんな、ハイ!
M3.ダイスキ×じゃない
M4.恋でした
M5.Pyxisランド
M6.Jewel