■カスミのギャップは演じ手としての見せどころ
――続いて、アフレコについておうかがいします。雰囲気はいかがでしたか?
私以外の方はゲームでも演じられたことがあるので、最初はうまく溶け込めるか不安でした。ですが、皆さんあたたかく迎えてくださって、不安を解消しながらアフレコを進めていくことができました。総時間としては12時間くらいだったかな。
――半日がかりの収録だったんですね。
そうですね。気が付いたら夜。夕日をみないでその日を過ごすことになりました。収録が終わって外に出たときは「今日、いい天気だったの……かな」と思っちゃいました(笑)。
――なるほど(笑)。アフレコではキャストのみなさんとどのようなお話をされましたか?
ゲームが配信されてから3年経っているということもあって、ユーザーの皆さんに人気のキャラクターは誰なのかという話をしていました。あと休憩時間には生天目(仁美)さんがイチゴを買ってきてくださってみんなで食べたんですよ! 私、イチゴの食べ方って知らなかったんですけど、ヘタが付いているほうから先端にかけて食べたほうが美味しいらしいんです。ご存知でしたか?
――知らないです! 食べ方で美味しさが変わるんですね。
先端の部分の方が甘いので、酸味の強いヘタのほうから食べるとより甘さを感じられるみたいなんです。現場でも実践したらみんな目を輝かせながら「甘い!」って感動していました。平和な時間が続きましたね。
――そうなんですね! それならショートケーキのイチゴも逆にのせていたほうがいいのかも。
そうなんですよ! でも見栄えの可愛さを考えるとどうしてもあの置き方になってくるのかな。ただ、果敢にひっくり返して先端のほうから食べてみてください(笑)。
――挑戦してみます(笑)。これまではキャストの方々のお話が中心でしたが、ディレクションではどのようなことを言われましたか?
本作ではアフレコに入る前に監督を含めたスタッフの皆さんと打ち合わせをする機会があったんです。そこでキャラクターに関しての説明を受けていたので、アフレコ当日はその説明を踏襲して演じるという形でした。大きな変更点や演技指導も特にはなく、スムーズに進んだという印象が残っています。ただ、物語の後半にカスミが抱える闇みたいなものが解き離れたれる場面があるのですが、そのシーンでどこまでトリガーを外していいのかは監督さんを含めて相談しました。あのシーンと冒頭でありんこをみながら「生きている、すごい頑張っている」と言っていたカスミのギャップは演じ手として気合を入れた部分であり、また物語のキーとなる部分ですので、注目していただけると嬉しいです。
――本日は作品の魅力についてお話いただきありがとうございました。最後にこんなことを聞くのもなんですが……“異世界”を題材としたいくつかの作品でキャラクターの声をあてられる水瀬さんがもし異世界に召喚されたとしたら、生き残れると思いますか?
いやー、私はどうなんでしょう。自分で言うのもなんですが、運がわりといいほうなので、生き抜けちゃう気もします。ただ、それ以前にホームシックで死んでしまいそう。家族が大好きすぎるので連絡もつかないとなったら精神面での死が訪れそうです。早々に負の感情に飲まれていいエサになっちゃうかも(笑)。『タガタメ』だとリズは可愛いからいいですけど、エドガーみたいに突然「はぁ?」みたいな態度でこられたら、私は参ってしまいます。
――メンタル大事ですよね。
大事です!!