ハードル走

スタート時にトラッキングのフレームを選手の顔に合わせ、あとはシャッターを押しっぱなしにして連写しながら追いかけました。仕上がりを確認したところ、基本的にすべてのカットでピントがバッチリ合っており、α9と新レンズのAF性能の高さに驚かされました。

  • 選手の顔をトラッキングしている様子

作例は2点とも最後のハードルの上ということで、カメラに近い位置になりますがしっかりとトラッキングしていて最後まで合焦していました。

  • 【FE 600mm F4 GM OSS】トラッキングAFおかげで、ピントがハードルなどに引っぱられることもなく、選手の顔に合っています

  • 【FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS】こちらはズームのワイド端の200mmにし、周りの状況も含めたカットにしてみました。カメラに対して斜めの移動になりますが、ピントを外すことなく顔に合焦しています

走り幅跳び

ジャンプから着地にかけてのタイミングは特に動きが大きくなりますが、しっかりと顔にピントが合っていました。走り幅跳びの定番ショットはジャンプの一番高い点なので、そこをしっかり押さえられることはプロ向けのシステムとして重要な部分です。

  • 【FE 600mm F4 GM OSS】まさにジャンプが決まった瞬間。体の動きに合わせてレンズも上に動かしますが、AFはしっかり食らいついてくれました

  • 【FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS】ズームの200mmにして広めの画角で撮りました。ハードルと同様に斜めの動きも外すことなく、ジャンプの瞬間もきちんと撮ることができました。どちらのレンズも、着地後まで顔にピントが来ていました

走り高跳び

助走時は弧を描くように移動するのに加えて、ジャンプして体をひねる動作があることから、きちんとAFが追従するか不安もありました。しかし、助走のスタートから撮り始めたところ、最初から最後まできっちりピントが来ていました。

  • 【FE 600mm F4 GM OSS】走り幅跳びの定番ショットである、バーの真上に来た瞬間を捉えました。助走のカットからピントは合っていましたが、この瞬間もしっかり合焦していました

  • 【FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS】こちらは295mmの中間域で広めに切り取りました。もちろんピントは外していません

腕がなくても狙い通りにズバズバ撮影できた

これまでの一眼レフカメラでは、測距点の少なさや狭さなどから、こうした本格的なスポーツ撮影はそれなりの腕を必要としてきました。しかし、今回のα9と超望遠レンズを用いた撮影の感想を率直に言えば「思いのほか簡単に撮れた!」でした。

筆者は、超望遠レンズを使ったスポーツの撮影経験はなかったので、的確な構図やレンズの振り方などはスポーツフォトグラファーにはかないません。しかし、高速連写と高性能なAFがあることで、初めての陸上撮影でここまでの作例を残すことができたのは驚きです。

  • 野鳥や野生動物、ブルーインパルスなどの航空機の撮影を趣味にしている人にとっても気になるレンズになりそうです

α9の高速連写に対応した超望遠レンズが充実したことは、プロフォトグラファーにとっても大きな武器になることは間違いなさそう。来年に迫った東京オリンピックでαがどれくらい活躍するのかが楽しみです。もちろん、アマチュアフォトグラファーにとっても、こうした技術の進歩は福音でしょう。ますますαシステムから目が離せなくなりそうです。

|