2019年5月3日から5月5日まで、大規模eSportsイベント「Intel Extreme Masters Sydney 2019」(IEM Sydney 2019)が開催された。海外ではeSportsが盛り上がっているといわれるが、日本にいるとなかなか感覚が分かりにくい。実際の現場はどのようなものか、写真や動画で紹介しよう。

  • Intel Extreme Masters Sydney 2019

    Intel Extreme Masters Sydney 2019

IEM Sydney 2019はTeam Liquidが優勝

Intel Extreme Mastersは、Intelがメインスポンサーとして開催するeSportsイベント。主催と運営はeSports運営大手のESLが手掛ける。2007年にスタートし、2019年で14シーズン目。eSportsイベントとしてはかなりの老舗だ。シドニーでの開催は今回で3年連続となる。

競技種目となるタイトルは「Counter-Strike: Global Offensive」(CS:GO)で、賞金総額は25万米ドル(約2,700万円)。各リージョン予選を勝ち抜いたチームと招待チームを合わせて、計16チームが世界1の座を争う。

  • 参加チーム。上の段が招待チームだ

世界ランキング1位のAstralisが不在の中、決勝に勝ち上がったのは世界ランク2のTeam Liquidと、5位のFnaticだ。BO5の5ゲーム目までもつれた接戦を制したのはTeam Liquidで、見事世界の頂点に立った。

  • 優勝したのは強豪Team Liquid

IEMの各試合に関しては、TwitchやYouTubeにアーカイブされている。世界最高峰のプレイを見たいという人はぜひチェックしてみてほしい。ちなみに決勝戦は休憩を含めて試合時間は6時間と長丁場なので、ゲームごとに見るといいだろう。

ひろーいスタジアムを歩く

会場である「Qudos Bank Arena」は、シドニーオリンピックに合わせて造られたシドニーオリンピックパーク内にある屋内スタジアムで、収容可能な観客数は2万人を超える。まずは会場内をぐるっと歩いてみた。

メインステージだけでなく、ほかのフロアを使った大会も可能だ。IEM Sydney 2019ではOverwatchの大会「Overwatch Contenders」も同時開催されていた。

  • 「Overwatch Contenders」も同時開催

入り口はIntelテクノロジーショーケースとして、Intel Coreプロセッサを搭載したゲーミングPCを体験できるコーナーとなっていた。参加者を対象としたオープントーナメントや、プロチームのメンバーがブース訪れるなど、ここでもイベントが行われることもあって、試合観戦そっちのけで楽しんでいるという人もいる。

  • Intelショーケース

  • Intelに告ぐスポンサーであるAcerを大きくブースを構える

1年前と違うのは、ノートPCが増えた点。もちろんIEMの開催前にノートPC向けの第9世代Coreプロセッサが発表されたことも関係しているだろう。

  • ノートPCに存在感

  • ノートPCでVR体験

  • もちろんデスクトップPCも展示

ただ、メーカー関係者に話を聞くと「ゲーミングラップトップは伸びている」とのこと。ひと昔前はゲームやコンテンツ制作といった重い作業はやっぱりデスクトップPC……といった意識が強かったが、CPUやGPUの進化によって、デスクトップPCとノートPCの格差もずいぶんと小さくなった。いまはユーザーの用途に合わせて柔軟に選べるようになっている。

Kaby lake-Gを搭載したNUC「HADES CANYON」の展示も多く、IntelやPCメーカーが、ノートPCや小型PCをゲーミングPCの入り口として、ユーザにもっと訴求したいという姿勢が見えた。

  • Kaby lake-Gを搭載したNUC「HADES CANYON」

また、この展示で個人的に印象に残った点が2つ。1つ目はVRリズムゲーム「Beat Saber」の大出世だ。1年前はちょうど話題になりたてということもあり、メインの展示ではなく隅の方でひっそりと体験できるという形だったのが、今回は一等地にスペースを構えていた。最新VRヘッドセット「Oclus Quest」でもプレイしている人が多いようで、「いまVRゲームをやるならコレ!」という看板タイトルに成長している。

  • ブースの目玉となった「Beat Saber」

  • ちなみに1年前の展示はこんな感じ。地下フロアの隅で体験できるような感じだった

ほかにVRで人気だったのは、映画「Creed」を題材としたボクシングゲーム「Creed: Rise to Glory」。シンプルなルールで体を動かすのが楽しい。

2つ目は体験できるタイトルに、ストリートファイターVとACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN、ソウルキャリバーといった日本のゲームが入ったこと。マルチプラットフォーム化の結果ともいえるが、PCゲームでも日本の大手メーカーの存在感が出てきている。

  • ストリートファイターV

  • ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN

PCの展示はここだけではない。別のフロアにはHPやASUS、MSI、Lenovoといったグローバルで展開するメーカーの製品や、地元メーカーの製品も体験できる。グローバルメーカーはノートPC中心、地元メーカーはデスクトップPCが中心で、MOD PCも置いていた。

  • HP

  • MSI

  • Lenovo

  • ASUS

さらにショップや代理店もブースを構え、実際にパーツや周辺機器を購入することもできる。イベント特価ということもあり、キーボードを手に歩いている人も見かけた。

  • MOD PCのコンテスト

  • やっぱりあった9900Kのパッケージを使ったMOD PC

  • 地元のメーカーも軒を連ねる