6カ所で行われたイベント内容を大まかにご紹介しましょう。ざっと見てもスケートボードコンテストはU-19限定、ダンスコンテストは学生チーム中心、またスポーツも子ども向けのワークショップが多く、過去のG-SHOCK関連イベントからすると新鮮な印象です。

その1 元プロサッカー選手を抜いてシュート! のサッカーワークショップ

まずはJリーグの元横浜F・マリノスで元日本代表でもある中澤佑二さんを特別講師に迎えた、2部制のサッカーワークショップ。第1部は小学校・低学年を対象にしたサッカー教室です。中澤さん率いる大人チーム3人に、子どもチームが5人で挑みます。

  • G-SHOCK FAN FESTA 2019
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  • 楽しい5対3のハンデマッチ

中澤さんと、MCのもじゃ~るさんが漫才のような楽しいトークを繰り広げる中、ボールを運んだり、果敢にガードをしたり、ボールを奪いに行ったりと、真剣そのものの子どもたち。

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    中澤さんのオーバーヘッドシュート!

大人チームの選手をかわして華麗にシュートを決めた子もいて、コートには活き活きとした笑顔があふれていました。また、中澤さんがオーバーヘッドシュートでゴールを決める場面も。間近に見るプロの技には、子どもたちだけでなく観戦する親たちも大興奮でした。

第2部はシュートスピードコンテスト。中澤さんのシュートスピードを基準に、挑戦者がシュートスピードを競います。第一部で30分以上も連続でミニゲームに参加し、さらに「リハーサルでは100km/h超え」とハードルを上げられたにも関わらず、軽く108キロを叩き出した中澤さん、さすがプロ。

この記録に5歳の子どもから、腕におぼえのある大人までが挑戦しました。「60km/hが目標」といっていた1番手、男の子がいきなり63km/hを記録したり、マリノスユニフォーム姿のファンが100km/hを叩き出すなど、また違った形での盛り上がりとなりました。

その2オリンピック日本代表候補が多数参加した、初のプロサーフィンコンテスト

スポル品川大井町のサーフィン施設「citywave Tokyo」初となるプロライダーによるコンテスト「G-SHOCK FAN FESTA 2019 CITYWAVE PRO Powered by MURASAKI SPORTS」も開催。2020東京オリンピック日本代表候補も多数出場しました。

今回は、制限時間60秒内でのトリックを50点満点で判定。上位5人が決勝に進み、最終的に残った3人で優勝を競う仕組みです。citywaveによる人工波が流れるプールには、西海岸風でのどかな雰囲気とは裏腹に、勢いの強い高波が起こっていました。

決まったプール幅の中で波に乗り、ダイナミックなトリックを決めることは、プロでも相当難しいことなのだとか。しかし、そこは日本代表候補の選手たち。ビックウェーブを軽々と乗りこなし、波しぶきをあげながら豪快に技を決める様子に大歓声が。

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    決勝に進んだ上位5名の選手。左から、大橋海人、渡辺寛、大音凛太、仲村拓久未、平原相馬

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    人口波を起こす、ドイツ生まれのサーフィンシステム「CITYWAVE」。難しい波も乗りこなす様子はさすがのプロサーファー!

大橋海人、渡辺寛、大音凛太、仲村拓久未、平原相馬と5人の選手で競われた決勝は、46点や48点と満点に近い点数が続出のハイレベルな内容。予選から42.5点、48点と高得点を重ね優勝候補とされていた大橋選手が、決勝2本目に5秒で足を取られる番狂わせも起こるなど、コンテストの難易度を実感させられました。

優勝は大音選手。1本目はエアードロップを決めつつも36.2点でしたが、安定した華やかなトリックの2本目で48点を獲得。賞金10万円を手にしました。

2020年の東京五輪で正式種目として決定されたことで、カルチャーとしてだけでなく、選手の技やレベルもぐんぐん上がっているというサーフィン。注目度も高まっており、コンテスト間にあったワークショップも、子どもから大人まで幅広い世代が参加し大盛況だったようです。

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    優勝候補とされていた大橋選手

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    決勝2本目のライドで48点! 優勝の大音選手

海に行かなければできないスポーツという印象から、グッと身近になった人も多いのでは。18歳の大音選手が優勝したこともあり、今後も若手ライダー層の増加や競技の盛り上がりが期待できそうです。

その3U-19のスケートボーダー日本一&オリンピックに最も近いBMXライダー

スケートボードでは、U-19日本一決定戦とも囁かれた「G-SHOCK FAN FESTA 2019 U-19 CHALLENGE CUP Powered by VHSMAG」が開催されました。

スケートボードWebマガジン「VHSMAG」のサポートにより、本郷真輝、戸倉万汰廊、池 慧野巨(イケ ケヤキ)、星野大喜、吉岡賢人、佐々木真那、本橋 瞭、清野玲良を選出。この8名の選手が、インドアテニスコートを改造したスケートパークでトリックを競いました。

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    転けても果敢に攻める! 攻める!

予選から大技が飛び出す、U-19とは思えない見応え十分のパフォーマンスの連続。ジャッジですら迷う僅差の勝負もありながら、決勝に進んだのは池選手と星野選手でした。3分の間、ウオールやバー、ランプなどの構造を存分に活かしてトリックに挑みましたが、最終的に池選手が優勝。

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    優勝した池選手と惜しくも敗れた星野選手。技はもちろんのこと個性的なファッションも楽しめた

SHOCK THE WORLD 2015 REAL TOUGHNESS」では、瀬尻稜や阿部涼太とともに14歳の新世代ライダーとして活躍した彼が、今や次世代を牽引する代表的選手へと成長。貫禄とスキルを兼ね備えたライディングで圧倒的な存在を感じさせる様子には、隔世の感がありました。

コンテストの合間には、参加選手によるワークショップも開催。目の前でダイナミックなトリックを披露し、活躍していた選手たちから直に教えてもらえるということで、多くの子どもスケートボーダーたちが集合していました。

同じコースでは、2020東京オリンピック日本代表候補の中村輪夢(リム)、REAL TOUGHNESSでもおなじみの日本トップライダー・勅使川原大地、南悠麻、比嘉勝太が4人でデモライドを披露しました。

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    ダイナミックな技の連続に大歓声が上がる

通常より狭く中央のジャンプランプもないため、テクニックが強調されるという難易度の高いコースにも関わらず、安定した走りで確実にトリックを決める中村選手。

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  • 中村選手のバックフリップ!

また、大きなジャンプを見せる南選手や「540°」を成功させる比嘉選手、柵の上から走り柵を越える派手な技で会場を盛り上げるおなじみ勅使川原選手と、トリックを通じて各自の個性を発揮していました。

実は、中村選手もSHOCK THE WORLD 2015では、当時大会最年少の13歳で参加、池選手と同様にアグレッシヴな走りを見せていました。その成長の記録は、彼らを早くからバックアップしてきたG-SHOCKのイベント史とそのまま重なるともいえそうです。

その4新しい形のストリートダンストーナメントとワークショップ

これまでG-SHOCKのイベントでは、1vs1や国別対抗、チーム戦などさまざまな対戦方式で行われてきたストリートダンスコンテスト。今年は、専門学校やスクール、大学生、ティーン選抜に、8チームによる趣向や個性を活かした3分間のショーケースを披露して戦うトーナメント戦です。

決勝に進んだのは、Revety CrewとVAW栄光ハイスクール。DANCE FUSIONのCaleaf、Hilty&BoshのZIN、DJのT-SIA、Cool CrewのMARのジャッジで、最終的にRevety Crewが優勝を掴みました。

【動画】日本トップクラスのダンサーが集結したThe Floorriorzのブレイクダンス
(音声が流れます。ご注意ください)

またステージには、TOKURAによるフリースタイルフットボール、REGSTYLEのダブルダッチ、Kanamywやファンファーレ、The Floorriorzのブレイクダンスと、G-SHOCKのイベントではおなじみのパフォーマーたちも大集結。トーナメントの間も世界レベルのパフォーマンスを炸裂させ、観客の目を釘付けにしていました。

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    優勝を手にしたRevety Crew

ジャッジ陣によるダンスワークショップも大盛況。Caleafがステージ上で基礎のステップから難易度の高いステップまでを段階的に示し、姿勢やステップなど細かなポイントをしっかり学ぶことの大切さや、リズムに乗りながら楽しく身につけていくよう指導。

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    Caleafによるダンスワークショップ

まさにこの日にしかできない経験です。世界レベルのダンサーの言葉に小さな子どもたちから上級者までが同じステップを踏み、同じように復習している様子がとても印象的でした。

その5直接プロから道しるべを与えてもらえるボルダリング体験

ボルダリングのワークショップでは、元ボルダリング元日本代表でプロクライマーの大場美和選手が特別講師として参加。初心者向けから上級者向けまで、5段階あるコースに挑戦しながら、スポーツクライミングを楽しく体験しました。

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  • 大場選手から直接指導を受けて壁に挑戦!

傾きの角度が大きくなればなるほど難易度は上がりますが、身軽で好奇心が強い子どもに向く競技なのか、大人よりも子どもたちのほうが難易度の高いコースに果敢に挑んでいるようでした。コース選びや足や手の置き方、身体の動かし方などで直接アドバイスを受ける子どもたちのがんばりが見て取れるため、自然と応援したくなる雰囲気に。

終了後のまとめで「スイスイ登れるものからどう登ったらいいかわからないもの、いろいろなコースがあったと思います。絶対に登りたいという気持ちがやりたい気持ちにつながるので、ぜひいろいろなコースを挑戦してみてください」と話していた大場さん。全員で参加したファミリーに記念写真を依頼されていたりと、なんともアットホームで楽しいスペースでした。

その6TeamJAPANメンバーオープン審査とプロバスケプレーヤーとの触れあい

バスケットボールでは、TeamJAPANの参加が確定したストリートバスケットボール国際大会「JUMP10」のメンバー選考会、「JUMP10 World Hoop Challenge - The Road To Jump10 From Japan」が実施されました。

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    「JUMP10」のメンバー選考会。当日勝負とあって多くの選手が挑戦

日本国内の選手であれば、プロ、アマ、キャリア関係なし。当日のパフォーマンスのみで選考するとあって、8名の枠になんと40名が挑戦。ミニゲームを通じて40人から20人に絞り、ファイナルラウンドで8名を決定しました。

今回のオープン審査を行ったアンバサダー1名を加えた9名は、2019年のTeam JAPANとして8月8日から上海で行われる本戦に参加。アジア最大の大会だけに今後の活躍に期待したいところです。

選考の合間には、もちろんエキシビションも開催。Bリーグ 渋谷サンロッカーズのロバート・サクレ選手、ライアン・ケリー選手が登場し、観客参加によるシュートチャレンジが行われました。

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    ロバート・サクレ選手、ライアン・ケリー選手とのエキシビション

シュート5本を最短でクリアしたチームには、ライアン選手とロバート選手からスペシャルプライズの贈呈とフォトセッションが受けられるとあって、友人や親子などさまざまな2人組が挑戦。

子どものいるチームにはサクレ&ケリー選手のサポートも加わり、すばらしいダンクシュートが連続で見られる場面もありました。見事プライズを勝ち取ったのは、男の子とお父さんの親子チーム。よい休日の記念になったと嬉しそうでした。

スポーツを通じて子どもたちにもタフネスを

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  • 表彰式の様子

全イベント終了後に行われた表彰式では、バスケットボールではJUMP10選抜メンバー8人、ダンスではトーナメント優勝チームrevety crew、スケートボードは池慧野巨、サーフィンは大音凛太がそれぞれステージに登場。

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  • カシオ計算機 時計プロモーション部の上間卓氏から、トロフィーや、副賞のロゴ入りG-SHOCK(スケルトンモデルDW-5600SK-1JF)が贈られた

トロフィーをはじめ、ロゴ入りG-SHOCKのスケルトンモデルDW-5600SK-1JF、vansのシューズなどの副賞、またサーフィンでは賞金が、カシオ計算機の上間氏から授与されました。

バスケットボールのTeam JAPAN代表STさんは「アジア最高レベルの大会に出ることは、日本のバスケットボールのレベルを上げる役割もあります。今回の大会で終わりではなく、今後より一層がんばりたいと思います」とコメントしました。

ストリートダンスのrevety crewの代表は、「講師2人、生徒7人の混成チームでしたが、命もお金も勉強時間も削った結果が優勝になったので本当によかったです」と笑顔を隠しきれない様子。メンバーが副賞のG-SHOCKに大喜びしていたのも印象的でした。

2000年以降生まれのヤングガンコンテストとなったスケートボードの池選手は、「今日ここに来てよかった!」と素直な一言を。サーフィンの大音選手も「イベントに出場できてよかった。この波に乗ってどんどん勝っていきたい」と喜びを噛みしめていました。

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表彰式からフォトセッションまで、優れた技術を見せてくれた若い世代が並び、終始ステージ上は熱気と活気にあふれる時間となりました。

G-SHOCKイベントのすばらしくて楽しいところは、さまざまなジャンルがミックスされていることで、知らないジャンルの楽しさにも触れられることです。未来を担う子どもたちに、スポーツの楽しさを通じてG-SHOCKと同じ「タフネス」を身につけることの大切さも知ってもらえたら。

ものづくりと同じように真摯な思いを込めたイベントは、こうして大盛況のうちに幕を閉じました。