FSP
FSPはさまざまな電源新製品を展示していた。まずインパクトあったのが「Hydro G PRO」。80PLUS Gold認証のHydro Gシリーズのバリエーションで、「OFF-Wet防潮技術」と題し、熱帯を模したショーケースの中での動作デモを行なっていた。これは基板上に防湿コーティングを施し、湿度95%という環境に耐えられるというものだ。
「Twins Pro」は、ATX電源サイズでリダンダント(冗長化)を可能とする製品。展示されていたのは900Wモデルだが、2基搭載されているユニットそれぞれが出力930Wとプリントされていた。ATXケースをベースに組むもノンストップを要求されるような用途でこうした製品が活躍するのだろう。
あらためて貼られたシールを見ると、ユニット側は+12Vと+5Vの表記しかなく、本体側には+3.3V表記(+5Vと合わせて最大130W)が見られた。ユニット側では+12/5Vのみ出力し、本体側で+3.3Vを生成するという意味だろうか。
「Hydro GS」は、これもHydro Gシリーズのバリエーションで、ケーブルを直付けとしてやや価格を抑えたモデルになる。もう一つ「SDA2-650」はSFX標準規格の80PLUS Gold認証650W出力モデル。
Seasonic
Seasonicでは、SFX-L電源「STX-800」が展示されいていた。変換効率が高く発熱の少ない80PLUS Titanium認証電源で、出力が800WとゲーミングPCにも対応する大出力。もちろんフルプラグイン方式だ。
ファンレス電源も2製品展示されており、1つは80PLUS Titanium認証の「TX-700」、もう1つは80PLUS Platinum認証の「PX-500」。ファンレスと言うと、ある程度寿命については妥協するところもあるのが通常だが、POPには12年間保証がうたわれていた。
Seasonicと言えば2018年に電源ケーブルのマネジメントシステムとして「System Cable Management Device (SCMD)」が展示していた。これは2019年も同様で、ケースに組み込んだ展示とともに、POPには「Connect」と題されPRIME GX-750(80PLUS Gold)とセットの写真がプリントされていた。展示デモのケースの形状も変更があり、SCMDとConnectに形状の違いはわからなかったが、製品化に向け一歩前進したのかもしれない。
SilverStone
SilverStoneブースには、RGB LED搭載モデル「ET500-BARGB」、1000WのSFX-L電源「SX1000-LPT」が展示されていた。前者は80PLUS Gold認証モデルで、ケーブルは直付けの、比較的安価にライティングを楽しめる製品になりそうだ。後者は1000Wという大出力を80PLUS Titanium認証で実現しており、ハイエンドで小型のゲーミングPC自作で活躍しそうな製品だ。
2019年の電源の展示を総括すると、まず80PLUS Titaniumの製品がいくつか増えそうだ。それも熱が問題となりがちな小型製品や、SFXやSFX-L電源を中心に採用が進んだ印象がある。また、80PLUS Goldの製品も多かった。こちらは今現在、価格と性能のバランスがよくもっとも好まれるゾーンで、ユニークな特徴を持つ製品が見られた。
そしてRGB LED。これまでならチャレンジングなメーカーが中心となってRGB LED搭載電源がリリースされてきたが、2019年は老舗と言えるメーカーでも展示が見られた。まだRGB LEDに手を出していない超硬派なメーカーもあるが、「見た目を楽しむ」というトレンドが大手にも波及しはじめていることは間違いないと言えるだろう。