声優とアイドルのハイブリッドユニットのi☆Risが、5月22日に18枚目のシングル「アルティメット☆MAGIC」をリリースした。
「アルティメット☆MAGIC」は、現在放送中のTVアニメ『賢者の孫』のOPテーマでもあり、メンバーの若井や久保田も出演中。今回は、彼女たちにシングルについてはもちろん、現在開催中のツアーや、「異世界転生」について、話を聞いた。
■アイドルと声優を両方やろうというi☆Risを表して
――まず、今回のシングル「アルティメット☆MAGIC」を聴いたときの印象は?
山北 曲調的には元気でi☆Risらしくて、歌詞が良いですね。これまではキラキラした元気な曲で、憧れの対象になろうと意気込んでいたところもあったのですが、今回は「やらかしてやろう」と。何もしないよりは、失敗しても何かやっちゃえばいいじゃんって。それって自分たちにもあてはまることだなと。ただ、元気をPRする曲じゃないんですよ。18枚シングルを出してきたなかで、素のi☆Risに一番近いんじゃないかなと思いました。常識をふっとばして未知の世界に行こう、というのはアイドルと声優を両方やろうというi☆Risを表していて、そのままの気持ちで表現しました。
若井 A面でこんなにわちゃわちゃしたり、掛け合いしたりは初めてかも。誰が聴いても、i☆Risの新しい自己紹介みたいな一曲になりそう。
久保田 ライブをしているときのi☆Risに近いよね。フェスで歌う曲って、タイアップ楽曲が多いのですが、普段のi☆Risが出る楽曲だからこそ、武器になるんじゃないかなと思いました。フェスなどで初めてi☆Risを知った方が、i☆Risのことを調べてMVを観て、「かわいいじゃん」と思ってワンマンライブに来てくださるきっかけになればいいですね。
茜屋 ザ・アニソンって感じ!『プリパラ』のときも明るい曲は歌っていたけど、また違う感じの曲調ですね。これまでの楽曲は、キラキラだったり憧れだったりというワードが多かったんですけど、今回はその先で失敗しちゃっても大丈夫だよって、包み込んでくれる歌詞になっていますね。
芹澤 楽曲をもらったときにめっちゃ好きだなと思いました。気楽な感じというか。何やってもいいよみたいな。i☆Risがそういう感じじゃないですか(笑)私たちも声優業界では異色な存在でありたいと思っているので、ちょっとやらかしても、だれかにとっては面白いなと思ってもらうとか、歌詞にもあるけど"とりまsorry!"って(笑)。
澁谷 最初に聴いたときの印象は、テンポがはやくて、前シングル「Endless Notes」からの緩急がすごいなと思いました。最近の私は、はやいテンポについていけないというか、DJをやっているときはリズムに乗っているだけなんですけど、それにことばを乗せるとなったときに、感情が追いつかないことがあるんです。汗をかきながらレコーディングをしました。でも、こうやっていろいろな表情を見せられるのがi☆Risの良いところですね。
――レコーディングはいかがでした?
山北 感覚で歌っていました。「i☆Risだな」という楽曲だったので、そんなに作らずに、いまの元気なテンションの山北で歌ったらそれでOKが出ました。ただ、Aメロの"大胆に 斬新に 塗り替えてみよう"のところは、クソガキっぽく歌ったかもしれない(笑)。「Endless Notes」のときはお姉さんっぽくだったので。お姉さんっぽいのが得意ではあるんですけど、i☆Risでいるときはクソガキっぽい人間なので、そこを出しました。ただただ素直に歌いましたね。
若井 私も、レコーディングのときは自分でつくりこんでいくタイプなんですけど、今回は飾らず歌いました。それがディレクターさんとも合致した感じですね。"Did I do something wrong?"とかは、セリフを言うように歌っちゃいました。"とりまsorry!"も「さーせん!」みたいなニュアンスで(笑)。そういう遊び心は入れましたね。英語の部分もそれっぽく歌ったら「いいね!」って。
久保田 私は「ライブをしているときの私」というテンションで歌いました。CDで聴くのも楽しいけど、すごくライブ映えする曲だろうなと思ったんです。私自身もこういう楽曲が好きなので、自分がお客さんとして聴いていたら、というテンションがわかるんです。なので、あまり工夫はせずに。英語の歌詞だけは、「なんで言えばいいですか?」って一回確認してから歌いました。全部ひらがなで書いてから、そのとおりに!
茜屋 私も深く考えず、ありのまま元気な感じで歌いました。英語の発音もめっちゃ褒めてもらえて。"転んだ数だけ 生まれるアルゴリズムから君だけの魔法 見つけよう"の部分は異常に褒めてもらって。ここはライブでもこだわって歌っていこうかなと思いながらレコーディングをしました。「あ」の口で歌うところが多くて、キー的にも響かせやすかったので、気持ちよかったですね。
芹澤 レコーディングの順番が最後の方だったんですけど、「かわいい芹澤さんがほしいです」と言われました。i☆Risってキーが高いユニットでもないので、結構イケボ感が強くなっていたんですよ。なので、「芹澤さんは、できるだけいつもよりマシマシでかわいく、クセも多めにつけてください」って。私は、歌うときに語尾がぴょんって上がるクセがあるんですよ。それもサビでガンガン入れてくださいと言われました。「私はかわいい!」というイメージで歌いまして、きゃぴきゃぴをマシマシで!
澁谷 私は、ハモりに関しては職人と言われるようになっていまして、もうハモりのラインを聴かせてもらえないようになってきました。仮で送られてくるデモからなんとなくハモリまで聴こえるようになってしまって。ハモりがうっすらかかっているんですけど、そっちがメインで聴こえるんです。なので、いま歌っているのが、主メロなのかハモりなのかわからなくなる現象が最近ありますね。それくらいハモりと付き合ってきたので。今回の「アルティメット☆MAGIC」からは、堂々と胸を張って「ハモラーです!」といえるようになったかなと思います。