あの3人が帰ってきた! ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)のコンフィデンスマン=信用詐欺師たちが、毎回ターゲットをあの手この手で罠にかけていくコメディ『コンフィデンスマンJP』。2018年にフジテレビ系列で放送され、大胆なトリック、痛快な台詞回し、個性的なキャラクターが人気を博した。

5月17日に全国公開された劇場版『コンフィデンスマンJP』は、ドラマ版の魅力はそのままに、舞台を香港に移しスケールアップ。今回狙うのは、香港マフィアの女帝、ラン・リウ(竹内結子)の持つ伝説のパープルダイヤモンド。さらにダー子の“元恋人”である天才恋愛詐欺師ジェシー(三浦春馬)も、同じくパープルダイヤモンドを狙ってラン・リウに接近。一方でテレビ版第1話「ゴッドファーザー編」でダー子たちに欺かれ20億円を奪われた赤星英介(江口洋介)が復讐を企んでいるようで……。錯綜する知略、謀略、そして恋愛模様。このコンゲーム、最後に笑うのは一体誰なのか? 

長澤まさみ、東出昌大、小日向文世のコンフィデンスマントリオに、本作について話を訊いた。

  • 東出昌大、長澤まさみ、小日向文世

    左から東出昌大、長澤まさみ、小日向文世 撮影:宮田浩史

■ダー子の"恋"がくすぐったい

――本作の「映画ならでは」な、スケール感のある見どころを教えてください。

小日向:まずは「香港行こうぜ!」と、皆でブルース・リーの格好をして、ボートに乗って香港の夜景を楽しんでいるシーンが好きですね。

長澤:「ロマンス編」ということで、ダー子の恋模様が描かれているんです。ちょっと切ないシーンに、せつない曲が流れていたりすると「映画」を感じますね。今回は、いろんな名作のパロディも入っているのも見どころです。

東出:香港って僕の中で競馬のイメージが強くて。今回も香港の競馬場が出てくるシーンがあるんですよ。しかも奥にジャッキー・チェンがいるので、「ならでは」というか、ワールドワイドな作品になったなと思います。

長澤:ジャッキー・チェンならぬ、ジャッキーちゃんさんが出ています(笑)。

――「切ない恋模様」とありましたが。冒頭からダー子とジェシー(三浦)のラブシーンから始まりますよね。

小日向:観ていてちょっとくすぐったかったね。

長澤:わざと恥ずかしい感じに仕上がってます。

東出:ジェシーというキャラクターは、今回の新要素ですよね。序盤から東出としても、ボクちゃんとしても、観ちゃいけないものを見ているような感覚でしたね。

小日向:「なにするんだよう!(ボクちゃんの声真似)」

東出:(笑)。

――本作は皆さんの様々な変装、コスプレも見どころだと思います。今回の変装で思い出深いもの、気に入っているものはありますか?

小日向:衣装合わせの時は、恥ずかしかったね~(笑)。

長澤:好きな衣装は、ダー子が占い師の役で出てくるシーンがあるんですけど、その時のロングのかつらと白装束の不思議な感じが、ドラマ版ではなかったような雰囲気だったので、楽しめましたね。

小日向:僕が気に入っているのは、やっぱりブルース・リーかな? あとは、宝石商もよかったな。髪の長いかつらをかぶって楽しかった。東出くんはグリーンのかつらが似合ってたよね~!

東出:今回、全身グリーンの格好をしていているシーンがあるんです。あれは僕の中で、ドラマ版8話のパク・ジロウとつながっているんです。

長澤:あの時の髪はピンクだったね。

東出:そう、「緑にするかピンクにするか」と迷ってたんだけど、結局ピンクになったんですけど。今回は「じゃあ緑で」と。僕が気に入っているのは、やっぱり宝石商ですね。アジアの胡散臭さを集約したようなキャラですね。旅行先の記憶にある、お金を持ってるけれど、どこか胡散臭い人のイメージの集合体です。そうそう、今回、香港の路上で運転する必要があったので、国際免許を取得したんですよね。それも印象深いです。

■香港では、性格が出る過ごし方

――撮影中にお三方の「ここに惚れ直した!」というエピソードはありますか?

長澤:東出くんは、どこに行っても、どの現場でも、文句ひとつ言わずに寡黙でいるのが偉いなって思います(笑)。

東出:なんだそれ(笑)。ぼーっとしてるってこと?

長澤:性格が穏やかなんですよ。どこでもすぐ馴染んでて。小日向さんはテンション高かったですね。

小日向:そう?

長澤:奥さんに頼まれたXO醤を探している時は高かった(笑)。私も真似して買いました。 それに、小日向さんが香港にいたのは2日間だけなんですけど、短い時間でバッチリ決めるのは、すごいなと。

東出:小日向さんは、香港での撮影日数は少なかったけれど、僕らやスタッフの間では「小日向さん以前、小日向さん以降」みたいに記憶されていて、小日向さんが来る前は「まだかな~」って皆が言ってて、来た後は「あんなに楽しそうだった!」「苦しそうだった!」とか、皆の話題が小日向さんでもちきりなんです(笑)。本当にリチャードも小日向さんも、周りから愛されてる、むしろ渇望されている。そんな、愛に溢れた現場でしたよね。

小日向:2人は海外に行っても、全然物怖じしていないのがすごいよね。僕は海外ダメなんで(笑)。まさみちゃんは、自分が行きたいところを、事前に全部チェックしていて、ひとつずつ潰して行ってるし。東出くんは東京にいるときと全然変わらない。悔しいんだけど、2人とも僕と全然違う。僕はすぐ緊張するしすぐ便秘になっちゃうし(笑)。

長澤:そんなこと言わなくていいのに(笑)。

小日向:だから僕は街を出歩いたりはしなかったんですよ。

東出:僕は結構時間あったらから、散歩してました。

長澤:小手(伸也)さんとデートしてたよね。

東出:そうなんです。一緒にお土産買ったりして。長澤さんのすごいところは、香港ロケだったり、新しいゲストが入ってくることで、今までのドラマ版とは違う不確定な要素も増える中、座長としての責任感や熱意に現場が引っ張られていたから撮影がスムーズに進んだんだと思います。