EVFの精細さや見やすさは抜群、背面液晶にも工夫あり
576万ドットの精細なEVFも、LUMIX S1Rの見どころといえます。一説によると、一眼レフの光学ファインダーのようなクリアで鮮明な見え具合は、800万ドットから1000万ドットであれば可能とのことですが、LUMIX S1RのEVFの見え具合はこれまでのミラーレスで経験したことがないほど高精細で、細かなピント位置なども容易に把握できます。評価したいのは、接眼部の光学系の設計で、ファインダー像のにじみやゆがみといった不満はまったく感じられません。ミラーレスの将来を占うEVFと述べてよいものです。
手ぶれ補正で一世を風靡したLUMIXらしく、LUMIX S1Rもセンサーシフト方式の手ぶれ補正機構を搭載しています。シャッター速度に換算して最高5.5段分の補正効果が得られるほか、手ぶれ補正機構内蔵レンズと組み合わせた場合は補正効果が最大6段分に高まります。
高速オートフォーカスも特筆すべき部分といえます。大きくピントが外れた状態からでも、カメラが悩むことなく素早くピントを合わせてくれるうえ、コンティニュアスAF時の被写体追従性についてもデジタル一眼レフとほとんど遜色がなく、ストレスフリーで撮影ができます。オートフォーカスは-6EVの低照度下でも機能するのも特筆すべき点といえます。
さらにユニークなのが、AFモードの「自動認識」機能です。人物の顔や瞳のほかに、人体、動物(ネコ科およびイヌ科)、鳥などを認識してピントを合わせてくれるので、スポーツなどで素早く動く人物やペットの生き生きとした表情を確実に捉えることができます。
メカシャッターで9コマ/秒を実現する連写機能や、シャッタータイミングを見逃すことのない4K PHOTO/6K PHOTO、大型化されたバッテリー、質感が高くプロ機にふさわしい防塵防滴構造のボディーなど、完成度の高いフルサイズミラーレスに仕上がっていると感じます。
次回の後編では、現在販売しているパナソニック製のLマウント交換レンズ3本を用い、LUMIX S1Rの描写性能を実写で紹介します。