――7人のチーム感も大事だったと思いますが、撮影の中で信頼関係はできていきましたか?
中尾暢樹が、カズとおなじように明るくみんなを照らしてくれました。自分は周りを見渡して、支える立場でいようかと思っていましたし、元々ひっぱっていくタイプの人間じゃないので、先陣を切ってくれたから、すごく助かりました。
年は一緒なんですけど、一応彼は戦隊モノの後輩(横浜は『烈車戦隊トッキュウジャー』、中尾は『動物戦隊ジュウオウジャー』)で、最初のチアの練習の時には「流星くん」と近づいてきて、「かわいいな」と思ってたんですよ。でもあいつ、2日目くらいから「流星!」って!(笑) びっくりしたけど、人との距離の詰め方がすごくうまくて、見習いたくなりました。すごいですよね。
――せっかくなので、ぜひおひとりずつの印象を伺いたいです。翔役の瀬戸利樹さんは?
こんなに整ってる顔してらっしゃるのに、抜けてるというか(笑)。そこは「なんでもできるのに私服がダサい」というキャラクターの翔とも通ずるところがあって、ハマってるなと思いました。現場を和ませてくれる存在だったので、ありがたいです。愛されキャラです。
――弦役の、岩谷翔吾さん。
翔吾は、もともと高校の同級生なんですよ。彼はアーティスト(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)で、フィールドが違うから、絶対共演することはないだろうなと思っていました。だから今回は嬉しかったですし、ちょっと恥ずかしい気持ちもありました。高校生の頃の自分を知られているし、「まじめにやってる」というところが、照れ臭かったです(笑)。ムードメーカーとして引っ張ってくれました。
彼は素直だし、柔軟性があって、いろんな人からの言葉を吸収できる人だから、お芝居を続けてほしいです。感受性のある人は上達が早いし、純粋にその役の気持ちになれると思うんです。今回も本格的に演技するのは初めてと思えないくらいで。本業はアーティストとしてがんばってほしいですけど、また芝居してるところが見たいし、共演したいです。
――岩谷さん取材でも、お話聞いてみます! 総一郎(イチロー)役の、菅原健さんの印象は。
菅原くんは、ゴリラみたいだった(笑)。彼は自分たちが練習を始めた1カ月間後くらいに合流したんですが、すでにバク転ができる人だったので、僕たちも少し焦って、より気を引き締めてやろうと思えました。一見強面な感じだけど、実はけっこういじられキャラ。僕自身も共感できるんですが、たぶんあまりいじられ慣れてないんだろうなというところもあって、かわいかったです。
――浩司(トン)役の、小平大智さん。
この人は常にこのまんまです(笑)。かわいいですね。練習も人一倍してたし、すごい努力家だなというのが、伝わってきました。ただ、ごはんをいっぱい食べちゃうんですよね。動いた分だけ、食べちゃう。みんなに「撮影中、太った?」と聞かれると、「そんなことないよ」と言うんですけど、明らかに増えてる(笑)。がんばりやなんですけど、ちょっと自分に甘い面もあって、またそれもかわいいです。
――最後に、ミゾグチ役の浅香航大さん。
僕らよりちょっと年上なので、一歩引いて見守ってくれる立場で、心強かったです。冷静に見えて、内に秘めているものは熱い人で、そこはすごくギャップを感じました。最後の方は泊まりでの撮影が多かったんですが、浅香さんと瀬戸利樹と3人で「良い作品にしたい」と熱い話をしました。
――個性豊かなキャラクターが出てきますが、横浜さんご自身は誰に共感できましたか?
10代の頃は、弦だったかな。周りの誰かと比べて、「あいつ、やばいな」と劣等感を持っていたところはありました。役のトーン的には翔に近かったかもしれません。自分の気持ちを抑えこんでしまったりするところが、似ている。もちろん、ハルにも似ています。きっと観た方も誰かに共感できると思うし、この作品のみんなが悩みながらも前に進んでいく姿で、今挑戦してる方とか、何かに挑戦しようと思ってる方の背中を押すことができたら嬉しいです。
■横浜流星
1996年、神奈川県出身。近年ではGReeeeNのメンバーを演じた映画『キセキ -あの日のソビト-』(17)で「グリーンボーイズ」の一人としてCDデビューも果たした。映画では 主演『虹色デイズ』(18)、1月公開の主演『愛唄 -約束のナクヒト-』(19)や『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』(19)などがある。2019年1月クールのTBSドラマ『初めて恋をした日に読む話』で、髪をピンクに染めた不良高校生・由利匡平役でメイン出演していた。9月6日には主演『いなくなれ、群青』の公開が控えている。