小説家・朝井リョウによる累計17万部の青春小説『チア男子!!』が実写映画化となり、5月10日から公開される。朝井が早稲田大学在学中に、男子チアリーディングの“SHOCKERS”をモデルに執筆し、漫画化、テレビアニメ化、舞台化など様々な分野で話題を集めてきた同作。幼い頃から柔道を続けてきた大学1年のハル(横浜流星)と、親友のカズ(中尾暢樹)がメンバーを集め、男子チアチームを作り上げていく。

W主演を務めた横浜&中尾に加え、浅香航大、瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原健、小平大智といった次世代スターが集まり、実際に作中のチーム「BREAKERS」としてチアリーディングに挑戦した。ある種ドキュメンタリーのような趣すらある同作で、今人気沸騰中の横浜が得た実感とはなんだったのか、インタビューした。

  • 横浜流星

    横山流星 撮影:泉山美代子

■相手を笑顔にさせたいという気持ち

――今回はみなさんのパフォーマンスが見どころとなっています。横浜さんも元々スポーツをされていましたが、実際にチアに挑戦してみてどう思いましたか?

難しかったです。作品に入る前に見せていただいた、作品のモデルである早稲田大学のSHOCKERSさんのパフォーマンスが素敵すぎたので、「3カ月の練習で足りるのか」と不安があったんですけど、コーチと周りのみなさんの愛のある指導のおかげで、なんとかやりきることができました。チアに挑戦して1番感じたのは、「応援の力」で、日頃自分を応援してくださってる方々への感謝の気持ちが強くなりました。もともと感謝していましたけど、より強くなりましたね。

――いろいろな作品の舞台挨拶などでも、歓声がすごいことになっている中で、横浜さんがいつも優しい笑顔でファンの方を見ているのが印象的で。

イベントに当たらなかった方もいるし、来てくださった方もすごく大きな歓声をくれるので、みなさんに応えたいという気持ちがあって。たまに調子に乗って、応えすぎてしまうこともあるんですけど(笑)。極力、来てくれた方が良い時間を過ごせるようにと思っています。『チア男子!!』をやってからは特に、ファンの方を大切にしたい気持ちが強くなりました。

――応援する側の気持ちがわかったということなんですね。

自分が何をしているのかわからなくなってしまったときに、「作品で救われた」という言葉を聞くと、「役者をやっててよかった」と思うんです。僕自身も、この作品で人を応援する機会をいただけて、自分の応援で相手が笑顔になってくれたらどれだけ嬉しいか、気づくことができました。

――今回の『チア男子!!』でそれを一番強く実感できたのは……

やっぱり、ラストチアですね。長時間の撮影でしたけど、時間なんて忘れるくらいあっという間でした。エキストラの方も長時間大変なのに疲れた顔をしないで、ずっといてくれたから、そのお礼として、「自分たちが笑顔にさせることができたらいいな」という思いで、ラストチアに臨んでいました。

――ちなみに『はじこい』(『初めて恋をした日に読む話』)では東大を目指していましたが、東大と早稲田どっちに入りたいですか?

難しいですね(笑)。東大はクリアしたので、早稲田! チアを練習します!