アイリスオーヤマはこのほど、プレス向けにエアコンやファンなど、夏向けの新製品を公開しました。掃除機にモップを付属させるなど、意外な視点から「使いやすさ」を追求するのがアイリスオーヤマの家電。コストパフォーマンスの高さからも、同社の家電は根強い人気があります。

猛暑でもパワフルに稼働するエアコン

アイリスオーヤマといえば掃除機や扇風機、LED電球といった小型家電のヒット製品を数多く生み出しているメーカー。そんな同社が2017年に参入したのがエアコン分野です。

2017年のエアコン市場を思い返すと、多くのメーカーがプレミアム機種にのみWi-Fi機能を内蔵しはじめたタイミングでした。そんななか、アイリスオーヤマはミドルクラスのモデルにもWi-Fi機能を標準搭載し(Wシリーズのみ)、話題となりました。

アイリスオーヤマのエアコンはもともと、Wi-Fi内蔵の「Wシリーズ」、非内蔵の「Rシリーズ」など型番で呼ばれていましたが、2019年からは同社のエアコンをすべて「airwill(エアウィル)」という名称で展開することとなりました。

エアウィルから2019年に登場するのは、日本の猛暑に対応した「GXシリーズ」です。ラインナップはこれから拡充予定で、まずは6畳用「IRR-2219GX」のみ販売します。

  • 猛暑モード搭載のGXシリーズ。電源が入ると、本体中央部に室内温度が表示されます

日本のエアコンは、外気温(室外機周りの温度)が35度以下の状態で冷房がきちんと動作するよう設計されているそうです。ですがこの数年、真夏に35度を超えることも多く、自宅のエアコンで「部屋がきちんと冷えない」という声もよく聞きます。6畳の部屋に6畳用のエアコンを設置しても、外気温が35度を超えると、設定温度まで部屋が冷えないことがあるのです。

GXシリーズは冷房運転で「猛暑モード」を搭載。猛暑モードでは、室外機周辺の温度が47度でも、冷房性能が落ちないといいます。GXシリーズの標準冷房能力は2.2kWと、一般的に「6畳用」と呼ばれるパワーですが、猛暑モードでは3.5kWの冷房能力を発揮します。

  • 外気温が43度、室温が35度の状態で、設定温度を16度にし、GXシリーズとスタンダートモデルのエアコン(猛暑モード非対応)で室温が24度になるまでの時間を比較したグラフ。GXシリーズは、スタンダードモデルのエアコンと比べて、強力に室内を涼しくできています

IRR-2219GXの参考価格は89,800円(税別、工事費別)とコストパフォーマンスが高いのも特徴。ただし機能はベーシックで、Wi-Fiは非対応。結露水によって熱交換器を洗浄する内部洗浄機能はありますが、フィルターの自動掃除などはできません。

このほか、人感センサーを搭載し、Wi-Fiや音声アシスタントによる操作にも対応した「AWシリーズ」もエアウィルのラインナップに追加します。Wi-Fi対応なので、外出先からスマホで室内温度をチェックしたり、エアコンを遠隔操作したりできます。スマートスピーカーによる音声操作も可能で、Google AssistantとAmazon Alexaをサポートします。AWシリーズは、6畳用の「IRW-2219A」、8畳用の「IRW-2819A」、11畳用の「IRW-4019A」の3モデルを用意します。参考価格はIRW-2219Aが89,800円(税別)、IRW-2819Aが109,800円(税別)、IRW-4019Aが148,000円(税別)です。

  • 会場に展示されていたエアウィルの新製品。右がスマートスピーカー対応の新製品AWシリーズ。左が猛暑対応の新製品GXシリーズ

  • スマートスピーカーに対応したAWシリーズ。手前の円形デバイスはGoogleのスマートスピーカー「Google Home Mini」。スピーカーに「OK Google、エアコンの温度をあげて」などと話しかけることで、エアコン操作ができます