――ルパパトチームのリアルな空気を、宇宙人のキュウレンジャーたちがかきまわす、という感じなんでしょうか。
伊藤:キュウレンジャーのみんなはキャラがそれぞれ凄いし、見た目もインパクトありますから、怪盗BN団に出会うと僕らも「どうしよう」って思っちゃいました。最初のホシ☆ミナトやジェラタロウだけでもキャラが濃いのに(笑)。ふだんどおりのお芝居を続けても埋もれてしまうので、魁利、透真(演:濱正悟)、初美花(演:工藤遥)もそれぞれどこかで笑いを取る、コミカルな芝居を頑張ったところがありました。でも、やりすぎるとカットされたりしましたね(笑)。
岐洲:ファンの人たちは、そのカットされた部分が観たいと思うんですよ(笑)。
結木:役の上では、キュウレンジャーチームがどんなに個性強めで来ても負けないぞ!という感じなんですけれど、役を離れるとみなさんのパワーには圧倒されていましたよ。
岐洲:傷ついたラッキーが国際警察の本部内で寝込んでいるとき、スパーダ(カジキイエロー/演:榊原徹士)が「ラッキーは無茶なことはするけどバカじゃない」って圭一郎に話すシーンがあるんです。そこで徹士くんはふつうに「いつものスパーダ」の芝居をしているんですけれど、結木くんが異様にウケちゃって(笑)。
結木:あれ、ほんとに普通だったの?
岐洲:もう、スパーダのテンションとしてはごく普通の芝居だったんです。でも結木くんがその何気ない、面白いことなんて何も言ってないはずのセリフがツボに入っちゃって。そのあと徹士くんも気を遣って、スパーダ感を抑えた芝居をやってみたり……。
結木:あそこ、そんな気遣いしてくれてたの!?(笑)
岐洲:あの空気がすごく面白くて、ラッキーが気を失っているシーンなんだけど、僕も笑えてきて大変でした。よく耐えられたなあ……。
結木:耐えられなくて、見えないところで笑ってたでしょ(笑)。僕としては、スパーダは完全に僕を"笑わせ"に来ているんだなと思っていました。あれが普通だったんですね……。
岐洲:スパーダのテンションは、普段からかなり高めですからね。
結木:あれはわかんないわ~(笑)。榊原さんとは一度、別の作品で共演したことがあったんです。ご一緒するのが2度目だから、向こうから俺を笑かそうとしてきたんだなと、テストのときに思ったんです。
伊藤:何気ない仕草がツボに入ること、ありますよね(笑)
岐洲:徹士さん、芝居が細かいですからね。
結木:なんであんなに可笑しかったのか。なぜだろう……。
岐洲:でもスパーダは今回、かなり意識的に"笑い"を取りに行っているところがあると思います。名乗りシーンの"声の高さ"とか、すごかったですから。あれはやりすぎでしょう(笑)! 「カジキイエロー」ってふつうに言ってない。「イエロー」じゃなくて「イエェェェーーーーッ!」になってた(笑)。
伊藤:キュウレンジャーのみなさんは 本番前まではワイワイ騒いでいるんですけれど、それは"人間"のワイワイなんです。でも、それぞれの役に入ると、いきなり"宇宙人"に変貌するところがすごい。
岐洲:そうそう!
伊藤:特にナーガの山崎くんは、役に入る前と後のギャップがすごすぎて、耐えられない(笑)。
結木:わははは! ナーガはヤバい(笑)!
伊藤:いちばんよくしゃべっているのに、急にカタコトの宇宙人になるんです。セリフを聞くだけで耐えられなくなって、笑ってしまうんです。ふだんと役柄との振れ幅が、本当にすごい。
岐洲:それは確かにあるかもしれない(笑)。
――ルパパトより1年先輩の戦隊であるキュウレンジャーの"重み"はそういうところに現れているんですね。
岐洲:みんな久しぶりにキュウレンジャーとして集まったので、以前よりもテンションが高まった、という部分がありますね。
結木:それを間近で浴びて、お腹いっぱいになりました。
岐洲:ちょっと濃厚すぎたよね(笑)。
結木:「もういいわ」って思うくらい、満腹感が強いです(笑)。
岐洲:僕らが好きにやりすぎて、『キュウレンジャー』ワールドの強烈さがすごく出ている作品になっていると思います。
結木:シーンによっては、俺らがアウェイみたいなところ、あったよね。
伊藤:うん、ルパパトが『キュウレンジャー』の世界にお邪魔しているみたいな感覚があったような気がします(笑)。