4月27日よりWOWOWプライムにてスタートする連続ドラマ『連続ドラマW 坂の途中の家」(毎週土曜22:00~ 全6話 1話のみ無料放送)で主演を務める柴咲コウにインタビュー。原作は『紙の月』や『八日目の蝉』といった代表作で知られる角田光代。柴咲が演じるのは、3歳の娘を持つ専業主婦の里沙子。わが子を虐待死させた女性・水穂の裁判に補充裁判員として参加することになり、最初は嫌悪感を抱くも、裁判を通して自らの人生と被告の人生を重ね合わせていく…という役柄だ。連続ドラマへの主演は大河ドラマ『おんな城主 直虎』以来、2年ぶりとなる柴咲に、母親役を演じるにあたって意識したことや、ビジネスを通じて実感する社会との関り、日々考えていることなど、ざっくばらんに話してもらった。

柴咲コウ
ヘアメイク:SAKURA(アルール)、スタイリング:岡本純子(アフェリア)

――角田光代さんの原作をもとに、脚本家の篠﨑絵里子さんが書かれた台本を読んでどのように感じましたか?

物語に引きこまれて「早く演じたい」と思いましたね。きれいごとではないし、リアルに感じるからこそ、台本を読んでいても思わず怖くなったりもするんです。本当にあってもおかしくないことだなぁと思ったし、私も人生の中ですごく辛かった時期の記憶が曖昧になったことがあって。一つ一つの描写がものすごくリアルだったので、もし自分がこの主人公だったら……とか、被告人だったら……といったように、いろいろと思いを馳せる感じで、物語に夢中になってしまいました。

――もっとも興味を惹かれたところはどのあたりですか?

普段何気なく聞いているときは「うん。それが普通だよね」と受け流せてしまうことも、私が演じた「里沙子」の気づきをきっかけに、「でも、やっぱりそれっておかしいよね」と思えるようになるというか。日常社会においても、みんなどこかおかしいと思っているけれども、誰も言わないから言えないみたいなことって、すごくたくさんあると思うんですよね。この作品はそういったものをすごくうまく切り取っているなと思います。

――虐待事件の被告人・安藤水穂を演じた水野美紀さんとは、現場で役作りに関してお話しされたりしましたか?

特に役について話すということはなかったのですが、水野さんには実際にお子さんもいらっしゃるから、きっと並々ならぬ思いでこの作品に関わってらっしゃるんだろうなっていうのは感じました。

――現場で特に印象に残っているエピソードは?

撮影中はシリアスな場面が多かったのですが、調停のシーンではどちらかが割と一方的に喋っていて、片方はずっと聞き役に徹しなければいけない時があるんです。聞き役はまさに眠気との闘いといった感じで、皆さん本当に大変だったと思いますね(笑)。