ミラーレスカメラの選び方

初心者向けのミラーレスカメラは人気が高く、各社から多くの製品が販売されています。ただ、メーカー数や機種数が多いだけに、「どのように選んでよいのか分からない」という人も多いでしょう。そこで、選び方のポイントをまとめてみました。

メーカーを気にせず、デザインで選んでも問題なし

初心者向けのミラーレスは、オリンパス、キヤノン、ソニー、パナソニック、富士フイルムが主要なメーカーとなっています。初心者向けモデルならば、どのメーカーの機種を選んでも画質や撮影性能で大きな差はありません。この1~2年の間に登場した製品なら、デザインが気に入ったから……という理由で性能を気にすることなく購入してもガッカリすることはないでしょう。

  • ミラーレスカメラはデザインやカラーが個性豊か。見た目で選べる楽しさがあります

一眼レフと同じように、家族や友人と同じメーカーの機種を選べば交換レンズを共用できます。なお、オリンパスとパナソニックはメーカーが異なりますが、レンズは「マイクロフォーサーズ」と呼ばれる共通の規格を採用しているので、メーカーをまたいで交換レンズやアクセサリーを共用できます。

画質はAPS-C型センサー搭載モデルが若干有利

カメラの画質を決める大きな要素の一つがイメージセンサー(撮像素子)です。ミラーレスカメラの入門機では、一眼レフでも採用機種の多い「APS-C」サイズと、それよりもサイズが少し小さい「マイクロフォーサーズ」の2種類があります(今回は上級者向けの「フルサイズ」の話は除外します)。一般的に、撮像素子が大きいほうが高画質で撮れるため、画素数を重視するならAPS-Cモデルがよいでしょう。とはいえ、今回おすすめモデルとして取り上げたOM-D E-M10 Mark IIIでも1,600万画素あり、普通に使う分には十分といえます。

また、イメージセンサーが大きいほど背景を大きくぼかすことができます。その意味ではAPS-Cに軍配が上がりますが、実際には両者のセンサーサイズにはさほど大きな差はありません。マイクロフォーサーズでも十分背景をぼかした写真が撮れます。

  • APS-CセンサーのEOS Kiss M(左)と、マイクロフォーサーズのOM-D E-M10 Mark III(右)

可動式の背面液晶は構造の違いで2種類ある

背面液晶が固定ではなく可動式となっているミラーレスカメラなら、ローポジションやハイポジションでもライブビューの表示がしっかり確認でき、撮影しやすくなります。

機種によってパネルの動き方が異なり、大きく分けて「フリーアングル式」(バリアングル式)と「チルト式」があります。フリーアングル式は、縦位置にした際も低い位置や高い位置から撮りやすいメリットが、チルト式は液晶パネルが常にレンズの後ろ側にあるので感覚的に自然で撮りやすいメリットがあります。

  • フリーアングル式は縦横の方向に液晶パネルが動きます

  • チルト式は上下方向のみの動きです

買うなら「ダブルズームキット」が断然おトク

一眼レフカメラと同様に、エントリークラスのミラーレスカメラは交換レンズが付属する「キットモデル」が充実しています。カメラとレンズを別々に購入するよりも安く済むので、特別な理由がない限りはキットモデルを買うのがベター。

標準ズームレンズだけが付属するレンズキットもありますが、望遠ズームレンズも付いてくるダブルズームキットがよりお買い得。望遠ズームレンズは、遠くにある被写体を大きく写したいときには必須のアイテムなので、ぜひダブルズームキットで手に入れましょう。

単焦点レンズが付属するキットモデルを用意する製品もあります。単焦点レンズはズーム機能がなく、焦点距離が固定となっているレンズのこと。ズームできないので不便に思うかもしれませんが、背景を大きくぼかして撮れたり、レンズ自体が小型軽量なのでレンズを装着したまま持ち歩きやすい、といったメリットがあります。

  • ダブルズームキットは、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本がセットになっており、さまざまな被写体に対応できます

  • ミラーレスのなかには、単焦点レンズが付属するキットモデルを用意する製品も。明るいレンズなので、背景を大きくぼかした印象的な写真が撮れます

型落ち製品をあえて選ぶのも賢い

ミラーレスカメラは、最新機種と旧機種を併売しているケースが少なくありません。最新機種のほうが基本的に機能やデザインが優れていますが、それほど顕著な差がないケースもあります。発売から時間が経った旧機種は価格下落が進んで買いやすくなっており、まだ値落ちが進んでいない最新機種よりも断然お買い得であることがほとんど。価格差を考慮すると、あえて型落ちの旧機種を選ぶのも賢い選択といえます。